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2021.07.06

電動化も魅力のひとつに!PHVのプジョー508が魅せる世界とは?

歴史ある名車の”今”と”昔”、自動車ブランド最新事情、いま手に入れるべきこだわりのクルマ、名作映画を彩る名車etc……。本連載「クルマの教養」では、国産車から輸入車まで、軽自動車からスーパーカーまで幅広く取材を行う自動車ライター・大音安弘が、さまざまな角度から、ためになる知識を伝授する!

プジョーの新世代デザインという魔法

今も昔も独自の世界観が魅力のフランス車だが、かつては時代のニーズとマッチしないことも度々あったのも事実。しかし、近年は急速に進む自動車の電動化と先進安全についても積極的に取り組むようになり、ユーザーもショッピングリストに加えやすくなった。今回、紹介するプジョー508も選びやすい一台だ。

プジョー508は、日本で展開するプジョーのフラッグシップモデルとして、2018年より導入を開始。アウディA4やメルセデス・ベンツCクラスなどと同じDセグメントに属するモデルだ。その象徴となるのが、デザイン。初代となる先代508は、オーソドックスなデザインの正統派セダンとステーションワゴンであったが、プジョーの新世代デザインという魔法をかけられたことで、シンデレラへと変身。現行型は、魅惑のクーペルックフォルムへと生まれ変わった。特にセダンの激変振りは凄まじく、ボディタイプもテールゲート付きの4ドアクーペへと転身。もちろん、ワゴン「SW」も流麗なシルエットが与えられ、かなりスポーティなワゴンとなった。

そんな508にも、ついに電動化モデルとなるプラグインハイブリッド(PHV)が加わった。新たなモデルラインは、プジョーの「パワー オブ チョイス」コンセプトの基づくもの。つまり、ユーザーが好みの動力が選べるのが特徴。508では、ガソリン車、クリーンディーゼル車、PHVの3つから選ぶことができる。さらにいえば、どのエンジンもトリムレベルは同じ。全てGTと呼ぶグレードとなり、パワートレイン以外の装備や仕様は基本的に共通となった。まさにお好きなパワートレインをどうぞっていうわけだ。

PHVであるプジョー508GTハイブリッドの最大の特徴となるパワートレインについて解説すると、最高出力180ps/最大トルク300Nmの1.6L直列4気筒ターボエンジンに、最高出力110ps/320Nmの電気モーターを組み合わせたもの。システム全体では、225ps/360Nmを発揮する。ハイブリッドは、ガソリン車を上回る出力に加え、大きなトルクが得られるクリーンディーゼルの最大トルク400Nmに迫るトルクを併せ持つパワフルなパワートレインであることが分かる。

電気モーター本体は、トルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを用いた専用8速AT「e-EAT8」と一体化されている。駆動用バッテリーは、11.8kWhの容量で、後席フロア下に内蔵。このため、キャビンとラゲッジスペースは他のエンジン車と同等を維持している。

充電は、200V普通充電のみに対応し、3kW出力だと約5時間、6kW出力なら、約2時間半で満充電となる。PEVとして気になるEV走行時の航続距離は、56km(WLTCモード)だ。電気モーターを積極的に活用する508GTのハイブリッドシステムには、4つの走行モードがある。まずは電気中心で走る「エレクトリック」、高効率の「ハイブリッド」、乗り心地重視の「コンフォート」、エンジン主体で走る「スポーツ」だ。駆動バッテリーの残量があるときは、基本、EV走行となる。残量が無くなるとハイブリッドモードとなり、電気とエンジンを切り替えて走行する。コンフォートモードは、ハイブリッドと基本的には同じだ。

エレクトリックモードでの走りはEV感覚

試乗スタート時は、充電も満タン状態。その時点でのメーターに表示されたEV走行可能距離は、約50km。毎日、自宅で充電をしておけば、日常の移動なら、ほとんどEVとして使えるようだ。そんなエレクトリックモードでの走りは、まさにEV感覚。静かに水面を自由に進む水すましのように、路面を掛ける。モーター駆動らしい走り味が強いので、何も知らずにハンドルを握れば、EVと誤解してしまいそうだ。

ちなみにEV走行時の最高速度は、135km/hなので、日本の全ての速度域をカバーできる。もしメーター上のEV走行距離がゼロになり、ハイブリッドモードに切り替わっても、発進時は基本的には、電気。加速していくと、エンジンが始動するが、静粛性が高いので、エンジン音はほとんど気にならない。ただ回生ブレーキは弱めの設定のようなので、街中など混雑した道路では、回生ブレーキが強まる「B」モードにシフトした方が運転しやすい。

ただ、回生ブレーキとフットブレーキのバランスが、もう少しに詰めが必要な様子。フットブレーキでのスムーズな減速ができるのに、停車寸前にブレーキを強めると、カックンブレーキになりやすい。さらなるチューニングに期待だ。今回は市街地中心に走りを楽しんだが、ワインディングなどでエンジンブレーキを使いたいようなシーンは、スポーツモードを活用したい。積極的にエンジンとギアを使うので、パドルシフトで有段ギアを落とすことで、ATによるエンジンブレーキが使える。乗り味もよりスポーティになるので、モード切替は、シーンによって積極的に使い分けると、良さそうだ。

508GTハイブリッドは、ほとんど日常領域を電気で賄えるのが最大のメリットだ。EVに関心があるが、充電事情に不安がある人にお勧め。急速充電がないと不便という声もあるかもしれないが、充電の為に寄り道するなら、エンジンを使ったエコランをする方がクレバーだろう。そもそも急速充電機能を付ければ、より価格も上昇してしまう。

環境対策及びエネルギーの効率アップの両面で、電動化の役目は大きい。しかし、必要以上に高くて重いバッテリーを搭載して街中を走り回るEVよりも、小さなバッテリーで遠出の時はハイブリッド車として頑張ってくれるPHVのどちらのバランスが良いのだろうか。そもそも日本での日常の移動距離は、海外と比べると、ほんのわずかなものだ。EV推進の前に、PHVがもっと普及した方が良いのではないだろうかと思うのも正直なところ。確かにエンジン付きのPHVは、メンテンナンスコストがエンジン車並みとなるデメリットもある。

ハイブリッドかEV、それともPHVか。どれがベストなのかは、人によってそれぞれだろう。その点でも、プジョーの「パワー オブ チョイス」戦略はありがたい。最後に個人的な好みを話すと、スポーティなプジョーの味を求めるなら、エンジン車。特にガソリン車の方が良い。この辺は、スペックだけでは語れないキャラクターの違いだ。ハイブリッドは、専用となるコンフォートモードも備わるので、静かな走りと快適な乗り心地によるラグジュアリーな部分にもフォーカスしている。プジョーのフラッグシップモデルとして508を選ぶなら、ハイブリッドの選択も悪くないはずだ。電動化ばかりが騒がれる今に、選べる自由を提供する。それも重要なおもてなしになるのかもしれない。

TEXT=大音安弘

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