精力的に、ときに無我夢中に仕事を楽しんでいる男たちは、クルマとファッション、時計も愛で愉しんでいるもの。プロボクサーを目指した後、司法書士の資格を取得、その後起業を果たした異色の経歴を持つ瓜生史朗氏のスーパーカーライフとは。
「マクラーレン 720Sクーぺ」×瓜生史朗氏
「同じクルマに出合う機会が少ないのもいい」
「2台目のマクラーレンです。2020年冬に570S スパイダーから乗り換えました。ドライビングフィールや高速道路でアクセルを踏みこんだ時の加速感、コーナーや山道でのロード・ホールディングそしてインパクトあるスタイリング……すべてが気に入っています」
こう語るのは、不動産関連のクラウド・セキュリティサービス会社を経営する瓜生史朗さん。27歳の時、自身の司法書士事務所14店舗を擁し、当時日本一の規模にしたのち売却。法務の知識と経験を生かしたIT企業を起こし、上場を目指している。
これまでの愛車は、マセラティ グラントゥーリズモやフェラーリ488、BMWi8などを乗り継いできた。
「マクラーレンは別格。至上、至高のスポーツカーを造ろうと全方位で努力していると感じます。創意工夫や新技術はすべて新型に投入し、乗る人を喜ばせようと。では、自分もできる仕事上の工夫はすべて行って顧客に最高のサービスを提供しよう、と考えるようになりました。スーパーカーは単なる乗り物というより“お互い高め合いともに成長するよきライバル”です」
感心している機構の一例が、ディヘドラルドア。蝶が羽根を開閉するように優雅に動作し、独特の形状により全開した際の全高が抑えられ、乗降時にドアに頭をぶつけにくい。
「720Sは乗降性と乗り心地がいいのでクルマ酔いしないし、ドアや室内に圧迫感がなくていい、と妻も気に入っています」
街を走っていて、同じモデルに出合わない。腕時計やファッションの選択においても“無駄のないデザインを好む”ことを瓜生さんは意識している。ビジネスの際はレザーストラップのハリー・ウィンストン HWオーシャンを手首に。オフはカルティエのサントス デュモン スケルトン。同じ時計をつけている人にはまず遭遇しないという。
720psのポテンシャルを誇示しない、耳に心地よい抑制の利いた排気音を響かせながら、瓜生さんとパリスブルーの720Sは赤坂にある「マクラーレン東京」から走り去った。
Shiro Uryu
1982年生まれ。2007年司法書士試験合格。司法書士法人の代表を経て、不動産関連のセキュリティサービス企業を経営。株式上場を目指している。大学在学中にプロボクサーを目指し、’04年にプロテスト合格。