奈良美智×YOSHIKI、争奪戦必至のコラボワイン「Y by YOSHIKI」。ワインジャーナリストが見たその実力とは

カリフォルニアのロブ・モンダヴィとタッグを組み、Y by YOSHIKIのブランドネームで2009年からワインをリリースし続けているX JapanのYOSHIKI。今年5月には北海道の余市でワイン造りを行う計画を発表し、業界に衝撃を与えたばかりだが、2025年8月28日のY by YOSHIKI新ヴィンテージ発表会の会場で新たなコラボレーション作品を公開。会場は大きなどよめきで満たされた。

「YOSHIKIプロデュースワイン『Y by YOSHIKI』新ヴィンテージ発表会」でXポーズを決めるYOSHIKI（左）と奈良美智（右）。ワインの発売は2026年だが、世界を飛び回るふたりが同時期日本に滞在することは稀なことから、今回の発表が行われた。

奈良美智がラベルをデザイン！飲めるアートピースが誕生

YOSHIKIのコラボの相手とは、現代美術家の奈良美智。Y by YOSHIKIのフラッグシップである「カベルネ・ソーヴィニヨン・オークヴィル・ナパ・ヴァレー」の2022年ヴィンテージ、それに「ピノ・ノワール・ロシアン・リヴァー」の2022年と「シャルドネ・ロシアン・リヴァー」の2023年の計3アイテムに奈良のデザインしたラベルが貼られ、キャップシールにもワンポイントで絵が入る。世界的に活躍するミュージシャンのYOSHIKIと画家の奈良が、ワインを通じて互いの感性を表現しあうという、他に類を見ないコラボレーションが実現した。

偶然にもふたりは今年、米『TIME』誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた日本人同士。パンクロックのファンという奈良は、共通の友人を通して以前からYOSHIKIと交友があったという。

YOSHIKIと奈良美智、それぞれが米『TIME』誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。

「YOSHIKIさんは音楽の中にご自身の思いをまっすぐ表現されるので、信頼できる方だと思っていました。そしてワインを飲んでみるとじつに美味しい。日本だけでなく、世界中に彼のワインを愛してる人がたくさんいる。そのようなワインに自分の作品が載ると思うと本当にうれしくなりますね」と語る奈良。

YOSHIKIも、「尊敬するアーティストの奈良さんとこのようなプロジェクトが組めたことは感無量です。ワインはどれもY byYOSHIKIのトップカテゴリーのもので自信があります」と返した。

コラボワインはこの3種類。左から「カベルネ・ソーヴィニヨン・オークヴィル・ナパ・ヴァレー2022」「ピノ・ノワール・ロシアン・リヴァー2022」「シャルドネ・ロシアン・リヴァー2023」。

ラベルのデザインは奈良が挙げた候補の中からYOSHIKIがそれぞれのワインに合わせて選択。いずれも一目で奈良美智とわかる代表作で、飲めるアートピースとしてワインセラーを彩ることだろう。

今回コラボする「シャルドネ・ロシアン・リヴァー」は冷涼気候ならではのきれいな酸をもち、ミネラル感も備えたエレガントなスタイル。「ピノ・ノワール・ロシアン・リヴァー」も赤い果実に皮革や紅茶を思わせる複雑なフレーバーが広がり、抑えの効いた果実味が好ましい。「カベルネ・ソーヴィニヨン・オークヴィル・ナパ・ヴァレー」は完熟したブラックベリーやカシスにビターチョコとフレッシュなミントのフレーバー。凝縮感があり骨格もしっかり。タンニンは果実味の中にきれいに溶け込んでいて、今すぐ開けてもおいしく楽しめ、またその一方、熟成にも十分耐え得るに違いない。

Y by YOSHIKIのワインに通底するのはバランスの良さだ。果実味やタンニンなど、何か一点が突出することなく、全ての要素が調和をもってきれいに収まっている。だから料理との相性もすこぶるよく、典型的なフランス料理はもちろんこと、和食とも合わせられる懐の深さがあると思う。

このコラボワインが発売されるのは来年2026年2月予定とまだ先の話だが、Y by YOSHIKIの「カリフォルニア」シリーズから3種類のワインがヴィンテージも新たにリリースされる。「シャルドネ“アンコール”カリフォルニア」の2024年、「カベルネ・ソーヴィニヨン“アンコール”カリフォルニア」の2023年、「ロゼ・カリフォルニア」の2024年で、2025年9月24日から発売の予定。

左から「シャルドネ“アンコール”カリフォルニア 2024」￥7,150、「ロゼ・カリフォルニア」￥6,050、「カベルネ・ソーヴィニヨン“アンコール”カリフォルニア 2023」￥7,480。

この日のために来日したパートナーのロブ・モンダヴィは、「17年間もYOSHIKIと一緒にワインを造ってきたので、彼の方向性や目指すべきゴールはわかっている」と述べ、それぞれのワインについて説明した。2024年は熱波に見舞われたものの、シャルドネは早めに収穫することでピュアな酸を維持。カベルネ・ソーヴィニヨンは「モンダヴィにとって最も大切な品種」と語り、味わいの深みを出すことに努めたと言う。2024年に初めてリリースされて大好評のロゼは、今回、バルベーラ、ピノ・ノワール、メルロー、ジンファンデルと4つの品種がブレンドされ、「しっかりした構造と複雑な味わいを目指した」とロブ。「日本にロゼの旋風を巻き起こしたい」とYOSHIKIは語った。

さらにイベントではもうひとつ重大な発表が！ Y by YOSHIKIのワインを定額で継続的に購入できるサブスクリプションサービス「Y by YOSHIKI Members Club」がスタートする。気軽にY by YOSHIKIの世界に触れられる「スマートカジュアルクラブ」と、ハイエンドなカリフォルニアワインやシャンパーニュなどラグジュアリーな喜びに満たされる「マスターピースクラブ」の二本立て。2025年9月30日に専用アプリの提供とサービスを開始し、最初のワイン発送は11月中旬の予定となっている。

「マスターピースクラブ」に入会すれば、今回発表された奈良美智コラボワインや北海道のドメーヌ・タカヒコ・コラボワインなど、即完売必至な限定ワインの優先販売も。すでに事前登録が始まってるので、気になる方は今すぐチェック。