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2022.04.28

『ゴ・エ・ミヨ 2022』の「期待の若手シェフ賞」受賞! 古屋聖良が描く、理想のレストラン

フランスで創刊された歴史あるレストランガイド『ゴ・エ・ミヨ』。今年3月に発刊された『ゴ・エ・ミヨ 2022』において「期待の若手シェフ賞」に選出されたのが、東京・麻布十番のフレンチ「クラージュ」の古屋聖良シェフだ。今一番注目のシェフが考える自身の料理、そして見つめる未来とは──。

Seira Furuya
1989年生まれ。大学卒業後、2013年に調理専門学校を卒業。学士会館に6年間勤務し、2016年には「サンペレグリノ ヤングシェフ」の日本代表に選出。’19年6月に渡豪し、メルボルンのレストラン「Brae」で研鑽を積む。帰国後’20年8月より麻布十番「Courage(クラージュ)」のシェフに就任。

ゴ・エ・ミヨが選んだ、気鋭のシェフ

麻布十番の裏道を進むと見えてくる店の目印は現代アートの壁画。まさに密やかにという言葉が似合うレストランが「クラージュ」だ。数々のレストランで伝説のサービスマンとして名をはせたオーナー・相澤ジーノ氏のもてなしと、厳選した食材を独自の創造性で表現する古屋聖良シェフによる料理が、訪れた人々に特別な時間を提供している。

今回古屋シェフを選出した『ゴ・エ・ミヨ』は、1972年に仏ジャーナリスト、アンリ・ゴとクリスチャン・ミヨによって刊行された世界を代表するレストランガイドブック。その大きな特徴は地域性「テロワール」に着目し、レストランや料理にとどまらず、シェフを支える食材の生産者や器などにも注目し、評価をしていることだ。

ゆえに、斬新で完成度が高い料理を通じて最も才能を発揮した料理人をたたえる「今年のシェフ賞」のほか、その土地が育んで来た伝統文化を守りながらも、次世代へと腕を磨く「トラディション賞」や、土地の風土を尊重しつつ独自の挑戦を試みる「テロワール賞」など、さまざまな視点で食文化に携わる人々に光を当てている。

さらにこれまでジョエル・ロブションやギィ・サヴォワをはじめとした新たな才能を見いだしてきたガイドブックとして、毎年注目を集めているのが、未来の才能を予期する「期待の若手シェフ賞」だ。

「身に余る光栄な賞で、まさか自分がと驚きました。応援してくださるお客様、素晴らしい食材を届けてくださる生産者の方々、オーナーのジーノさんやスタッフ、私に携わってくださるすべての方に感謝し、『期待の』という言葉に恥じないよう、今まで以上に身を引き締めて精進しようと強く決意しています」

そう語る古屋シェフにとって、『ゴ・エ・ミヨ』は、「料理人にとって、刺激になる一冊」だと言う。

「『ゴ・エ・ミヨ』を片手にいろいろなレストランを巡りたい」と話す古屋シェフ。

「『ゴ・エ・ミヨ』は料理だけではなく、食材と生産者さんとの関係などレストランにかかわるすべてが詰まっているガイドブック。特にシェフや生産者さんのパーソナルな考え方を知ることができるので、同じ作り手としてすごく勉強になるんです。地方のシェフも多く、いつかお会いして話したい、この食材について聞いてみたいという気持ちになり、とても刺激を受けます」

食材ひとつひとつに詰まっている、生産者の思いを形に

そんな古屋シェフが一番大切にしているのは、食材とそれを作る生産者との関係だ。

「どの料理も常にこだわりを持って作りたいと思うと、食材は本当に大切なもの。自分で見極めて、納得するものを使いたいんです」

そのために可能な限り生産者のもとを訪ね、彼らが食材にかける手間や思いを聞くようにしているという。

「マイクロリーフやハーブ、食用花を扱っている梶谷農園の梶谷譲さんは、海外へも積極的に出向きハーブの種類や使用法なども研究され、広い視野を持った生産者さん。梶谷さんの畑で味わった摘みたてのハーブには力強さを感じました」

左:古屋聖良シェフ 右:梶谷譲さん

その他、牛肉は牛に負担をかけるビタミンコントロールやホルモン剤を使用せず、温室効果ガスの発生が少ない飼料で育てる広島・神石牛を。鴨は、人間も食べられるほど安全な飼料を使用し、放し飼いで育てる茨城・西崎ファームから入手。また野菜は、障がいを持つ方たちが農薬や化学肥料をいっさい使わず作る、茨城のごきげんファームの有機野菜を使用し、味のみにとどまらず、生産のバックグラウンドにも視線を向け続ける。

「生産者の方々の思いを受け止めて、お客様に届けるまでが料理。大切に育ててくれた食材だからこそ、私がさらに美味しくしてお客様に届けたいという気持ちなんです」

生産者が思いを込めた食材に、シェフとして責任を持つ。その強い意志が最終形となるひと皿ひと皿に表れていると言えるだろう。そしてそこには、各食材のテロワールがしっかりと息づいている。

「クエのポワレ ブールブランソースと桜のソース」。長崎・平戸の信頼する仲買人から送ってもらうクエをポワレに。ふっくらとした身に合わせるのは、春を感じさせる2種類のソース。桜のソースは、米麴に桜の花の塩漬けと梅干を使ってきれいな色と味のアクセントを出している。ソテーした芽キャベツ、菜の花などの野菜はごきげんファームのものを使用。古屋シェフが自宅でも使っているという梶谷農園のマイクロリーフは、ほんの小さな葉でもしっかりした味わいを感じることができる。

世界中の美食家が集まる「Brae」で得た経験

古屋シェフが食材に対する強い思いを持つきっかけとなったのは、オーストラリア・メルボルンのレストラン「Brae」での修業だ。

メルボルンからクルマで約2時間という場所にありながら、世界中から美食家たちが訪れるこの店は広い敷地の中に野菜農園や養鶏場を持ち、さらには養蜂までも行っているという。

「毎朝その日に使う野菜を収穫し、調理していました。農園には専属のガーデナーもいるので、畑を訪れると苗の植え方や栽培状況などを教えてもらうことも。料理人と対等な立場で食材を作り、それをシェフが料理という形に仕上げる。その環境とともに、食材を大切にすることを学びました」

いつかは「Brae」のように自分の農園を持ち、その食材で料理をしてみたいとも話す古屋シェフ。

「その日の美味しいものを出すという純粋な楽しさがある。状態によって調理法もいろいろ試したり、面白いことができる気がしています」

よい環境作りがシェフの未来につながる

阿吽の呼吸で料理を次々と仕上げていく。

現在厨房では、学士会館時代の後輩の女性とチームを組んでいる。まだまだ数少ない女性シェフという立場に関しては「女性だからという意識はない」と語る。

「男女の差は腕力ぐらいだと思います。その部分は周りのスタッフがカバーしてくれる環境なので、本当にあまり感じることはないんです」

とはいえ、料理業界は体力勝負とされてしまう側面も当然あるだろう。

「ジーノさんとも話しているのが、夢は8時間労働で土曜・日曜休みのレストランを作ること。そういう働き方なら、女性シェフももっと増えるのではと感じます。でもそれは女性シェフだけに限らず、みんなに必要なこと。今の食業界の常識や習慣を見直すことで、きっと男女ともに働きやすい、よい環境がつくれると思っています。
それと同時に常に考えているのが、レストランはお客様に来ていただいて成り立つものだということ。そのためにはどうすべきかをチームで毎日話し合い、お店をつくり上げています」

生産者の思いを受け止め、自らの創造力でその食材の力を最大限に表現し、訪れたゲストへ忘れられない味を提供する。それはきっと、未来への期待を大きく超えるひと皿になるはずだ。

Courage
住所:東京都港区麻布十番2-7-14 azabu275 1F
TEL:03-6809-5533
営業時間:17:30〜23:00
定休日:日曜、祝日、不定休

『ゴ・エ・ミヨ 2022』
「予約の電話から見送りまで」、レストラン体験全体を評価対象とする 『ゴ・エ・ミヨ』。日本での出版は2017年の初上陸以来、今年で6回目となる。’22年版の掲載店は初掲載の九州・沖縄エリアを含めた全41都道府県477軒。レストランに寄り添う姿勢はシェフからの信頼も厚い。鮮やかなカバーの色から〝イエローガイド〞という別名も。¥3,000
詳細はこちら

TEXT=牛丸由紀子

PHOTOGRAPH=大谷次郎

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