気分によってワインを選ぶのが大人の嗜み。ワインラバーたちに今の〝バディ〞3本を選んでもらった。今回は、バー経営者の寵愛する3本をご紹介。【Part1】はこちら
誰もに愛される人生の伴走者
大学卒業後に働いたレストランでは、毎日必ずワインを1杯飲んで経験値を高めていったというのは、都内で3店のバーを経営する黒瀧和之氏。以来、ボルドー5大シャトーやカリフォルニアのカルトワインなど高級ワインも数多く飲んできた黒瀧氏が、今愛してやまないのが、ブルゴーニュの白ワインだ。それまで赤ばかり飲んできた黒瀧氏が、白に開眼したのもブルゴーニュがきっかけ。巨匠エティエンヌ・ソゼの血を引くジャン・マルク・ボワイヨなど、どれも超一流の造り手ながら、実は、これらは比較的容易に手に入る。
「僕にとってワインとは、人を喜ばせ幸せな場をつくるモノ。あまりに希少なものだと、相手に気を使わせてしまいますし、開けたら劣化していたというリスクも。それよりも、相手が気を使うことなく、誰にも喜ばれるものを選んでいます」
愛すべきワインとは、自分の生活の一部になるようなものと黒瀧氏は言う。
「1回だけの特別な出合いもいいのですが、それよりも何度も飲みたい、飲ませたいと思うのがこれらのワイン。僕にとっては、まさに人生を一緒に歩んでいけるワインだと思います」
黒瀧和之
1987年青森県生まれ。大学卒業後、バグースに入社しレストランのサービス担当に。2016年に独立し飲食のコンサル業を経て、バーを経営。三軒茶屋「BAR 1919 STAND」など3店舗を経営。