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2021.05.14

ロシアを横断した「旅スル日本酒」が過去最高の440万円で落札!

アート、ワイン、アンティークなどを中心に、オークションを定期開催している「シンワオークション」。4月に開催された「ワイン/リカー」オークションでは、森田隼人氏が出品した日本酒「十輪 旅スル日本酒」が440万円で落札。昨年11月に香港サザビーズで84万円の値が付いた「獺祭」の価格を大幅に上回り、”世界一高価な日本酒”となった。日本一予約の取れない焼肉店「クロッサムモリタ」を経営するなど、実業家としても知られる森田シェフに「十輪 旅スル日本酒」への思いやオークションに参加した理由を聞いた。

「シンワオークション」出品時に紋付き袴姿であいさつを行う森田シェフ。

日本酒の価値を高めたい

2009年に、東京・神田のガード下に立ち食い焼肉店「六花界」をオープンした森田シェフ。その後、「初花一家」「吟花」「五色桜」「クロッサムモリタ」「トライウム」などの焼肉店を展開し、「肉と日本酒」のマッチングを提案してきた。そんな活動が認められ、’18年には日本酒造青年協議会から「第12代酒サムライ」の称号が贈られた。

酒サムライとして世界各国で日本酒普及に務めるうちに、森田シェフにひとつの疑問が湧いてきた。

「どうして、日本酒の価値はこんなに低いのだろうかと。ワインなら、オークションで100万円以上の値が付くことが珍しくありません。でも、日本酒が100万円を超えたことは一度もない。日本酒づくりの歴史と技術は、ワインづくりに決して劣るものではないのに」

日本酒の価値が高まれば、業界全体が元気になり、若い作り手もどんどん出てくるはず。そのためにも、ワインの王様「ロマネコンティ」以上の評価を受ける日本酒を造りたいと考えていた。

とはいえ、森田シェフ自身に伝統ある酒蔵のような歴史と技術はなかった。では、何で勝負するか? 悩み抜いた結果、答えが出たのが「情熱」「距離」「ストーリー」の3つの要素。この3要素を形にしたのが「十輪 旅スル日本酒」プロジェクトだった。

「十輪 旅スル日本酒」プロジェクトでは、日本を出発し、ロシアのウラジオストクからモスクワまで11,800kmを移動しながら、日本酒を醸造していく。ロシア各地で、その土地の空気と酵母を吸収。一定の場所で造られる酒とは違った、大自然の恵みが感じられる仕上がりになるのではないかと考えた。ちなみにロシアを選んだ理由は、自家醸造と移動式醸造が法律的に可能だったからである。

「十輪 旅スル日本酒」

ロマネコンティと直接対決

こうして完成した20本の「十輪 旅スル日本酒」。その中から1本を「シンワオークション」に出品した。今回のオークションは「ワイン/リカー」がテーマ。197品が出品され、森田シェフの出番はオーラスの197番目だった。

102番目に登場した「ロマネコンティ」が220万円で落札され、「やはり、ロマネコンティは強いな」と森田シェフ。「十輪 旅スル日本酒」に付けられた落札予想価格は50~80万円だったが、終わってみれば、なんと440万円で落札された。

「何とか100万円は超えてくれないかなという期待はありましたが、ロマネコンティと勝負になるとは思ってもみませんでした。正直、100万円を超えて、値段が上がっていった時の様子は、まったく覚えていません。記憶が飛んでしまったんです……。今、改めて落札額を聞いて、ただただ信じられない気持ちです。日本酒の価値が評価されたことが素直にうれしいし、第12代酒サムライの責務が果たせたかなと思います」


この落札価格は、今後「世界一高価な日本酒(清酒)」としてギネスに認定申請する。以前から、「獺祭」84万円の記録を抜いた折には申請しようと決めていたという。

「ギネス世界一の称号は、海外に向けた日本酒のアピールに役に立つはずです。それと、手元に残っている十数本のうち何本かは、東京オリンピックに持っていきたい。どんなことができるかは考え中ですが、世界最高の舞台で日本酒の魅力を発信できればうれしいですね」

Hayato Morita
1978年大阪府生まれ。 六花界グループオーナーシェフ。 近畿大学卒業後、設計事務所に就職。設計士の資格を取得し、25歳でデザイン事務所「m-crome」を設立する。リサイクル業も手がけ、その後上京。公務員を経て2009年、東京神田に「六花界」をオープン。人気店に成長させ、現在では「クロッサムモリタ」をはじめ、合計7つの系列店を展開。シェフだけではなく、プロボクサーやモデルとしても活動する。

TEXT=川岸 徹

PHOTOGRAPH=喜多孝幸

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