時計生産の本場、スイスに勝るとも劣らないモノづくり。誉れ高き日本の時計を腕に纏い、今再び、国産の底力を見つめ直す。今回紹介するのは、グランドセイコーの「SLGH019」。
日本が誇る技術力の体現者
1970年代にスイス時計産業を苦境に陥らせたのは、セイコーが初めて量産化に成功したクオーツ式の腕時計だが、現在のグランドセイコーは、機械式時計という本家本流でも、スイス勢のライバルとなっている。
ムーブメントの開発から設計、組立、検査まで自社で行う本格派のマニュファクチュールであり、スイス基準を凌駕(りょうが)するGS検定という品質規格を設けている。さらには生産地の自然や情景を表現した型打ちダイヤルの美しさで、権威あるドイツのデザイン賞も獲得。時刻を知るための道具としての価値だけでなく、エモーショナルな部分までも評価されるようになっているのだ。
新作の「SLGH019」は、グランドセイコーを製作する専門工房「グランドセイコースタジオ雫石」から見える岩手山の山肌をダイヤルで表現したモデルで、澄み渡る星空の下で雪明りに浮かび上がる山影をイメージした、透明感のあるブルーの色合いが美しい。搭載されるムーブメントは、2020年にデビューしたキャリバー9SA5で、毎時3万6000振動のハイビート設計ながら、約80時間のパワーリザーブを実現している。スイス勢は再び、日本の時計を恐れ始めているに違いない。
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