鋭い洞察力と思慮の深さで、コメンテーターとしても活躍する、国際政治学者・三浦瑠麗氏。その能力は、手土産においてもいかんなく発揮しているようだ。才女ならではの手土産選びの極意について教えてもらった。
手土産選びは相手をよく観察することから
三浦氏の手土産選びは、「相手をよく観察する」ことからスタートする。
「私が手土産を持参するのは、季節のご挨拶や仕事関係者との会食など、フォーマルなシーンがほとんど。気心知れた友人・知人にさし上げるのならば楽ですが、相手がどんなものが好きで、何を喜んでくださるか、日頃からいただき物が多いかどうかなど、あまり分からないことが多いのです」
そこで発揮されるのが、何気ない会話の内容を覚えておくなどといった、持ち前の観察力だ。
「娘さんがチーズが好きとおっしゃっていた方に珍しいチーズを贈った時は、『おかげで株が上がった』と、感謝されました。そんな風に、ご家族に向けたものをチョイスするのもおすすめです」
自身も手土産をもらう機会が多く、それが、相手の嗜好を推測するヒントになることも。
「手土産は、それを選んだ人の好みやセンスが反映されます。なので、先方からいただいた手土産で、『この人は珍しいものが好きなんだな』とか、『王道の品を選ぶタイプなんだな』と、その人の嗜好を推測できます」
「相手の好きそうなもの」に加え、「他と被らない」のも、三浦氏の手土産選びのキーワード。わざわざ足を運ばないと手に入らないものや、季節や数量限定の品を取り寄せるなど、“ひと手間かかっている”ものを選ぶようにしているという。
「手土産は、その人のことをどれほど思いやっているかを伝えるツールですからね。どこにでも売っているものより、なかなか入手できないものを選ぶようにしています。ウイスキーが好きな方に、海外の小さな蒸留所で手に入れたウイスキーを差し上げたことがあるんですが、すごく喜んでいただきましたね」
相手をしっかり観察すること、そして、相手のために汗をかくこと。知性とセンスあふれる手土産もまた、三浦氏の魅力になっているに違いない。
三浦瑠麗のとっておきの手土産3選
1.お茶にもお酒にも合って活躍度大!
豆源「モッツァレラアーモンド」
「手土産で多いのは、日持ちする焼き菓子。そうなると甘いものが中心になるでしょうから、日頃からいただき物が多い方には、塩気のあるものを贈るようにしています」
よく利用するのが、300~500円台の豆菓子やおかきが70種類以上そろう老舗豆菓子店、「豆源」の詰め合わせ。相手の情報が少ない場合でも、さまざまな味を織り交ぜることができるため、ハズさないという。
「麻布十番の本店やネット注文で購入します。他の店舗では売っていないモッツァレラアーモンドは、必ず選びますね。珍しいというのもありますが、とてもおいしいので。お茶にはもちろんお酒にも合うので、お酒好きな方にも好評です」
2.罪悪感なく口にできると女性に人気
半兵衛麩「笹巻麸 二種 すだれ箱」
甘いものが好き、けれどカロリーも気になるという女性に喜んでもらえる手土産が、生麩で餡を包んだ麩まんじゅう。生麩は、小麦粉からでんぷんを取り除いた小麦たんぱくが主原料。餅を使った大福に比べ、低カロリーで高たんぱくなのも魅力だ。
「半兵衛麩さんのすだれ箱に入ったものは、見栄えも良くて手土産にぴったり。最近はオンライン(京の逸品 老舗モール)で注文することが多いですね。京都の名店が集まっていて、ここで、新たな手土産候補を見つけることもあります」
3.その時期にしか出合えない口福
有職菓子御調進所 老松「夏柑糖」
「我が家でホームパーティーをした時、果物の皮を器に見立てたフルーツゼリーを手土産でいただいたことがあるんですが、大人にも子供にも大好評で。自分でも手土産に使いたいと思って、いろいろなお店のものを食べ比べたところ、これが一番おいしかったですね」
それが、京都の老舗「有職菓子御調進所 老松」の期間限定品、「夏柑糖」。夏みかんを丸ごと1個使っているという見た目のインパクト、甘み・酸味・ほろ苦さのバランスがいい上質な味、期間も数量も限定で入手困難。三拍子そろった逸品は、「相手を思いやる気持ち」を反映するのに最適だ。