新刊『ウチダメンタル 心の幹を太くする術』が発売となった。現役引退後、五輪キャスターやCM出演など別フィールドの仕事を的確にこなす、内田篤人の秘密が明かされる。
内田篤人のメンタル統制メソッド「心のメーターは常に一定に!」
元サッカー選手という枠を超えて、さまざまなフィールドで活躍を続けている内田篤人。
日本サッカー協会のコーチ業を務めながら、バラエティ番組への出演、報道番組ではレギュラーもこなし、CMでは綾瀬はるかや妻夫木聡などと共演。独特のインタビュー術で五輪キャスターとしても活躍した。
クライアントの要望に応え、きちんと仕事を遂行する。なぜそれができるのか? と言うと、やはり「メンタル」にいきつく。内田は現役時代から「竹みたいにしなやかな」メンタルを備えていた。
1年目の開幕戦から名門アントラーズでレギュラーとして抜擢され、日本代表やドイツで活躍を続けた。重圧がかかった試合でも、彼は「一番計算できる」選手であり、常に結果を出し続けた。彼が出ている試合と出ていない試合では勝率は大きく違ったというエピソードもある。
ドイツの名門シャルケに在籍していた時に、チャンピオンズリーグでレアルマドリードと2年連続で当たった。内田が抑えるべき相手は、スーパースター、クリスティアーノ・ロナウド。この時、内田はチームから渡されたロナウドの映像DVDを観なかった。前日夜にYouTubeで少し彼のプレイを観て、あとはピッチで感じようとしたという。「あまり情報を入れすぎても、裏をかかれるかもしれない。中に入られないようにしつつ、外へ追いやることを考えていた」と話していた。
相手を尊敬しすぎてもメンタルが後手後手になると判断していた。過度な分析は身体と脳の自由を奪うと感じていたのだ。
彼はメンタルについて、次のように話す。
「メンタルはよく強い、弱いと評されるけど、自分の感覚は違います。強弱で分けちゃうと、強い人はポジティブ、弱い人はネガティブという感覚があります。僕のイメージは、メンタルの横線が上下しない人がいいと思うのです。勝ったら『よかったよかった』と軽く喜び、負けたら『分析して次がんばろ』とすぐ切り替える。派手に喜ばず、あからさまに落ちこまない。これが僕なりのメンタルの保ち方なんです。人それぞれ心の持ちようはあると思うので、自分のスタイルを見つけるきっかけのひとつとして参考にしていただければ」
SNSの発展もひとつの要素だが、メンタルヘルスが話題になることが増えてきた。内田流「ウチダメンタル」を知っておくだけでも、仕事や人生でも役にたつのではないだろうか。