TRAVEL

2023.01.06

事前予約、スマホ注文etc.渡航前にチェックすべき、ハワイの新常識12【まとめ】

ここ数年の間で変化したハワイ。そこで生まれた新常識を島に住む経営者に教えてもらった。渡航前に押さえておくべきハワイの新常識をまとめてご紹介。※GOETHE2022年9月号掲載記事を再編。

ハワイの新常識

1.事前予約制になった2つのスポット

「ダイヤモンドヘッド、ハナウマベイは現在、混雑を避けるため、そして自然保護のために完全予約制になりました。以前のようにその日の気分でふらっと訪れることはできませんので注意してくださいね。ダイヤモンドヘッドは14日前から、ハナウマベイは2日前からオンラインで予約ができます。トレッキングコースが人で渋滞していた以前のダイヤモンドヘッドが今では嘘のよう。改めて訪れてその魅力を再発見してみてください」(エイビーズ・インク代表取締役 阿部栄一さん)

2.ドルフィンツアーが廃止に

「野生のイルカと泳ぐツアーが人気でしたが、現在は禁止に。スピナー・ドルフィンというイルカは、本来夜行性なので、日中やってくる観光客にこれまで起こされていたんですね。自然保護団体が訴えを起こして条例でこのツアーは廃止となりました。イルカを見たければ、遠くから見守りましょう」(ハワイ報知社 代表取締役社長 吉田太郎さん)

3.ロックダウン中にロコが開眼! 釣りが一大ブーム

「ロックダウン中、トレッキングなど多くのアクティビティは制限されていました。でも、釣りとサーフィンだけは自由だったので、ロコはみんな海へ。そこで釣りに目覚め、今も大ブームです。船を出してもらい沖で釣りをして、自分が釣った魚をレストランで食べられるアクティビティもあります。ただしハワイでは釣った魚は船長のものになるので、船を出してもらったら船長からちゃんと買い取ってくださいね」(吉田さん)

4.ウォルマートの釣具売場が拡大

「釣りに目覚めた人々が釣具店に殺到して、一時期は釣具が品薄に。釣り好きが急増して、ワイキキのウォルマートでは釣具売り場を一時拡大したほど。ロックダウン中には海が綺麗になり、魚が増えたので、これまでは釣れなかったアジ系の魚も釣れるようになって、今もブームは継続中です」(阿部さん)

5.カカアコに巨大スーパー誕生

「外食ができない期間が長くあったのでスーパーが元気です。カカアコには、韓国系スーパー『H マート』もできました。韓国のインスタント食品や、地元ハワイの魚など生鮮食品も充実しているんですよ。またどのスーパーもハワイ産の商品を多く置くようになりました。ゴミ問題への意識も高まって、洗剤などは容器を持っていけば中身だけ買うこともできます」(吉田さん)

6.レースはマイカップ持参が基本!

「これまで、ホノルルマラソン、トライアスロンでは、給水所で紙コップに入った水が配られていました。毎回大量の紙コップがゴミとなっていましたが、最近はマイカップを持って参加することが推奨されています。折り畳み式のシリコンのコップがあるので、ポケットに入れて、コース上にあるセルフエイドステーションで自分で汲むんです。スタッフとの接触も減りますし、ゴミも出なくなって一石二鳥です」(阿部さん)

7.高架鉄道の完成は2031年か?

「2014年から建設が始まったハワイの高架鉄道。当初はカポレイから、ホノルル空港(ダニエル・K ・イノウエ国際空港)を経由してアラモアナまでの予定でしたが、結局カカアコまでに変更になりました。現在はカポレイからアロハスタジアムまで完成していますが、全区間の完成は2031年といわれています。消費税の0.5%、市ホテル税の30%は、この建設費に充てられていますから、早く完成してほしいですね」(吉田さん)

8.レストランの注文はスマホが主流

「コロナを機に、ほとんどのレストランでは紙のメニューを置かなくなり、テーブルにある二次元コードからメニューにアクセスするスタイルが主になりました。注文、会計もオンライン上で完了するので、店員さんとの接触がまったくないお店も。慣れていないとつい店員さんを呼んでしまって『二次元コードでできますよ』って言われてしまうんですよね」(吉田さん)

9.高級車専門のレンタカーが登場

「観光客が来ない時期に、多くのレンタカー会社がクルマを手放したため、レンタカーの価格が高騰しています。あまりに高額なのでUberや、TUROというカーシェアのアプリでクルマを調達するのが主流に。一方でワイキキショッピングプラザの2階には、ポルシェやBMWなどラグジュアリーカー専門のレンタカーサービス『Mセレクト・カーレンタル』が登場しました。今までとは違った移動サービスを使ってみるのも面白いと思います」(吉田さん)

10.チップは15~20%。枕チップはなくてもOK

「現在、チップの相場は15~20%。18%くらいが標準です。15%を切ってしまうと、『サービスに納得しなかった』という意思表示になってしまいます。ウエイターなどは最低賃金で働いてチップで生計を立てていますので心配りを。実は知らない日本人の方も多いかもしれませんが、ほとんどのホテルではベッドメイキングへのチップは料金に含まれているので、枕の横にチップを置かなくても大丈夫。ただし目の前でベッドメイキングをしてくれた場合は渡したほうが紳士的ですね」(阿部さん)

11.政府が農業支援ファーム体験ツアーも

「観光産業が主だったハワイでは、実は食料自給率がとても低かったのですが、ここ数年は地産地消への意識が高まっています。ハワイの農業従事者を増やそうというプログラムも政府が始め、在住者には土地を貸して種まきから収穫までをサポートし、学習プログラムも多彩。ノースショアの農場では旅行者も農業体験できるファームツアーもありますよ」(吉田さん)

12.泊まるだけでハワイの自然に貢献

「ハワイの自然や文化を守るための活動『マラマハワイ』に多くのホテルが参加しています。例えばハレプナ ワイキキ バイ ハレクラニでは1回の宿泊につき、ノースショアの森に苗木が1本植えられるというプランが。楽しかった旅が1本の木になって、自分が帰ったあとも成長していくかと思うとロマンティックですね。ホームページから自分の木の成長をチェックすることもできます」(吉田さん)

阿部栄一さん

【Recommender】
エイビーズ・インク代表取締役
阿部栄一さん

1965年神奈川県生まれ。’99年ハワイに移住し、マーケティング会社エイビーズ・インクを起業。ハワイのスポーツ情報を紹介する「スポナビハワイ」主催。米国トライアスロン協会認定レースディレクターも務める。

吉田太郎さん

【Recommender】
ハワイ報知社 代表取締役社長
吉田太郎さん

1969年東京都生まれ。銀行勤務を経て2000年、レストランブランドを国内外に展開するWDIに入社、’08年に『ウルフギャング・ステーキハウス』ワイキキ店の開業責任者としてハワイに移住。’15年より現職。

TEXT=Shoko Horiuchi lLLUSTRATION=村上テツヤ

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