GOETHE

MAGAZINE &
SALON MEMBERMAGAZINE &
SALON MEMBER
仕事が楽しければ
人生も愉しい

TRAVEL

2021.10.16

宇宙旅行に行くための宇宙船と宇宙服を徹底比較!

現在、宇宙旅行分野に参入した代表的な3社が、そのブルーオーシャンを獲得すべく火花を散らしている。宇宙ビジネスコンサルタント齊田興哉(さいだともや)さんが、宇宙旅行ビジネスの今を紐解く。宇宙の最前線で活躍する仕事人の徹底取材を始め、生活に密着した宇宙への疑問や展望など、最新事情がよくわかる総力特集はゲーテ11月号にて!

宇宙旅行をめぐる熱き攻防

前澤友作氏が搭乗予定の、スペースXの巨大宇宙船「スターシップ」。このテスト機「SN9」は高高度まで上昇した後、高速で着陸地点に墜落、爆発したが、2021年5月に実施された「SN15」の打ち上げ実験は着陸に成功した。©SpaceX

宇宙旅行をめぐる熱き攻防

先日、ヴァージン・ギャラクティック(以下ヴァージン)のリチャード・ブランソンと、ブルーオリジン、アマゾン創業者ジェフ・ベゾスが次々と「宇宙旅行」から帰還しました。両社は高度100㎞圏内まで行くサブオービタル飛行を掲げていて、ヴァージンは高度約86㎞、ブルーオリジンは高度100㎞までの飛行を成功させました。

実は一般的には「宇宙は高度100㎞から」と考えられているので、飛んだのはヴァージンの方が早かったのですが、100㎞まで行ったブルーオリジンが「世界初の民間人サブオービタル飛行」という冠をとった形になります。どんなビジネスも先行者が得られる利益は大きいもの。両者はそこをかけて、これからも競い合うことになるのでしょう。まさに今は企業の代表が自ら宇宙に行くことでPRを仕かけている段階です。

一方でイーロン・マスク率いるスペースXの宇宙旅行計画は、国際宇宙ステーション(ISS)へ人を輸送したり、月周回、火星への旅など種類も豊富です。大気圏を経由して短時間で海外に移動するという計画もあります。実用化は先ですが、技術力と実績を見ると3社のなかではスペースXが抜きんでているのかもしれません。

またこの3社の宇宙船・宇宙服は旅行者を意識しつくられています。それまでこれらは国のミッションで、デザイン性は二の次でした。しかしスペースXの宇宙船「クルードラゴン」はとてもスタイリッシュで、操縦席もすべてタッチパネル。飛行機の操縦席よりもシンプルです。

昔の宇宙船は、狭く座るスペースを確保するだけでやっとでしたが、ヴァージンとブルーオリジンも動き回るスペースがあり、座席もまるで飛行機のビジネスクラス。座ってみたくなります。そして宇宙服。スペースXはマーベル映画で衣装を手がけているホセ・フェルナンデスがデザインし話題に。ヴァージンはアンダーアーマー社が手がけており、それまで宇宙メーカーがつくってきた宇宙服に、地上のブランドが進出したことがわかります。

ブルーオリジンの宇宙服はブランドを公表していませんがスタイリッシュですね。「どの宇宙服を着て、宇宙へ行こうか」と迷うことは、どの会社を選ぶかということとイコール。すでに宇宙旅行ビジネスは技術だけではなく、ブランディング、マーケティングも意識する段階に入ってきたのです。

宇宙旅行のコストがこれからどんどん安くなる

今後はさらに、地上のサービスが次々宇宙に参入してくるでしょう。成層圏内でのウエディングパーティといったエンタメ分野や、旅行中の保険、遠隔医療分野などあらゆるものが考えられます。

問題は、個人が宇宙旅行に行く際のコストの高さです。しかしこれも、打ち上げを重ねていけば少しずつ下がっていくと予測されています。3社は来年以降で富裕層を宇宙に飛ばし、飛行回数を増やしていくなかで、ロケット部品や必要アイテムの製造ラインを確保していくはずです。そうすれば製造費も下がりますし、経験を積むなかでコスト削減のポイントもわかってくるでしょう。

米国の情報機関「サテライトインダストリアルアソシエーション」の調べでは、近年の宇宙旅行にまつわる市場規模を約2000億円と発表しています。宇宙ビジネス全体の市場規模は2020年で約37兆円といわれているので、実際そこまで大きな金額ではありません。しかし、これは民間人が宇宙旅行に行くことがまだ少ないから。コストが下がり、多くの民間人が参加できるようになればその規模は巨大になるでしょう。

 

イーロン・マスク & Space X

Space X

「クルードラゴン」とその船内。©SpaceX

米国・カルフォルニア州拠点。NASAと協業しISSへの貨物補給ミッションを行う。2020年5月に民間企業として初めて有人宇宙飛行を成功。火星への有人飛行、および火星移民構想も掲げる。世界最大の衛星コンステレーション事業社でもある。

クルードラゴン

宇宙服の製作には、日本のミシンメーカーJUKIが使われていたという噂も流れている。©SpaceX

©SpaceX

Elon Musk

Elon Musk
1971年南アフリカ生まれ。’99年X.comを設立。2002年にeBay社に譲渡し、同年スペースX を設立。’08年テスラCEO就任。電気自動車のコンセプト同様、宇宙の持続可能性も重視し、ロケットの再使用に取り組む。

 

ジェフ・ベゾス & Blue Origin

Blue Origin

船内は大掛かりなマシンもなく、シンプル。©Blue Origin

米国・ワシントン州拠点。安価で安全な宇宙旅行を目指す企業。2021年7 月に「宇宙と認められる高さである高度100km」への飛行を成功させた。ベゾスと同乗した18歳男性と82歳女性はそれぞれ世界最年少と最年長の宇宙旅行者となった。

青い宇宙服

「ブルーオリジン」の名にふさわしい青い宇宙服。©Blue Origin

ニューシェパード

発射する「ニューシェパード」©Blue Origin

Jeff Bezos

Jeff Bezos
1964年アメリカ生まれ。’94年アマゾンを設立。2000年有人飛行事業と宇宙旅行技術開発を目指すブルーオリジン設立。’21年7月アマゾンの社長とCEOを退任。資産が21兆円を超えた世界で最初の人物でもある。

 

リチャード・ブランソン & Virgin Galactic

Virgin Galactic

船内は乗客6名と添乗員2名の計8名乗り。天井には窓が。©Virgin Galactic

米国・ニューメキシコ州拠点。2005年に宇宙旅行プランを発売。申込者のなかから100人の乗客を選んだ。’21年7月に高度86kmへの飛行に成功。最初の100人を’22年内に宇宙旅行に連れていくことを約束している。

アンダーアーマー

宇宙服はアンダーアーマー。©Virgin Galactic

スペースシップ2

「スペースシップ2」の船体。©Virgin Galactic

Richard Branson

Richard Branson
1950年イギリス生まれ。’73年ヴァージン・レコード、’84年ヴァージン・アトランティック航空、2004年ヴァージン・ギャラクティックを設立。熱気球での世界一周旅行を達成するなど冒険家でもある。

 

解説 齊田興哉
宇宙ビジネスコンサルタント。2004年JAXA入社。人工衛星プロジェクトチームに関わり、’12年に日本総合研究所入社。官公庁・民間への宇宙ビジネスコンサルタントに携わる。

Illustration=岡田成生

TEXT=安井桃子

PICK UP

STORY

MAGAZINE

1月号 Now on sale

ゴルフをもっと探究すべきだ!ゲーテ1月号は完全保存版のゴルフライフ特集。

最新号を見る

定期購読はこちら

MAGAZINE

1月号 Now on sale

ゴルフをもっと探究すべきだ!ゲーテ1月号は完全保存版のゴルフライフ特集。

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌[ゲーテ]1月号が11月25日に発売となる。エグゼクティブが知っておくべきゴルフ場やギアなど、ゴルフライフが一層楽しくなる大特集。そのほか、最新ゴルフウェアを大胆に纏った鷲見玲奈のグラビアや、秘蔵の腕時計特集も必見!

最新号を購入する

電子版も発売中!

定期購読はこちら

SALON MEMBER

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる