パッティングに練習時間とセンスは必要ない! グリップのゴールデンポジションを知れ

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム53回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

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動き出したら微調整はできない

パッティングでは打つ前にボールの転がりの9割が決まっていると言われている。それはストロークの際、体の動く範囲がとても少ないからだ。ショットよりも動きが小さく短時間で完結するため、動いている途中に調整する動きを入れることができない。

ショットの場合「フェースが開いている感じがする」と思えば、ダウンスイングで手を返して調整することができる。プロがたまにドライバーショットのフィニッシュで右手を離しているシーンがあるが、これも「引っかける!」と感じてとっさに調整を行った結果の動きだ。

しかしパッティングではクラブが動く範囲が少なくシャフトのしなりも感じられないため、「フェースが開いている」などという機微を感じることが難しい。たとえ開いていると感じて調整したとしてもフェースを戻してスクエアに当てることはかなり難しいことだ。

ストローク中にはとっさの判断で調整ができない、ゆえにボールの転がりはアドレスで決まってしまうのだ。

アドレスの手の位置で軌道が変わる

ということは、アドレスをきちんとセットアップできれば、かなりの確率で思った通りの球が打てるということだ。個人的にはプロ並みにショットを磨くのはかなりの時間とセンスが必要だが、パッティングならそれがかなうと思っている。

アドレスの中でパッティング軌道に大きな影響を与えるのが手の位置だ。アドレスの手の位置が適正な位置よりも外側(体から離れたポジション)で構えた場合、ヘッドの軌道は過度なイントゥインになり、フェースローテーションが多くなるため再現性が低くなる。

逆に内側(体に近いポジション)に手をセットしている人はアウトトゥアウトの軌道になりやすく、プッシュアウト気味のインパクトからボールは右に打ち出されやすくなる。パッティングで引っかけやプッシュアウトが出る人は、ヘッド軌道自体を修正しようとする前にまずはアドレスの手の位置を見直すべきだ。

グリップのゴールデンポジション

人それぞれ体格が違うため、正しいグリップ位置は人によって違う。一概に体から何センチ離したところが正しいということは言えない。ただし最適なポジションを作るためのセットアップはある。

まずは背筋を伸ばした状態で直立する。次に背筋を伸ばしたまま前傾姿勢を作る。このとき両手のひらを太ももの前側に当て、指先がひざ上に少しかかるところにきたポジションが最適な前傾角度になる。

前傾角度をそのままに腕を脱力させて垂らすと、両腕が地面と垂直になる。そこで両手を合わせたポジションが最適なグリップ位置だ。

上級者の中には以前このやり方でフォームを固めたという人も多いだろう。しかし体の状態は日々変わるし、さらに言えば1日の中でも変化する。長時間運転の後では体が縮こまっていて、背骨などの傾きも起こりやすい。

できればプレー前に練習グリーンで、再度丁寧にセットアップをしてみてほしい。

Text=吉田洋一郎 Photograph=小林 司 Cooperation=取手桜が丘ゴルフクラブ



吉田洋一郎
吉田洋一郎
欧米のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。世界4大メジャータイトル21勝に貢献した世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターを2度にわたって日本へ招聘し、世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。また、欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のスイング理論を研究。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。シングルを目指すアマチュア、トップアマ、ツアープロまでアスリート志向のゴルファーを指導。2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。
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