パッティングの根深いヘッドアップの原因は頭ではなく、前傾角度【吉田洋一郎ゴルフレッスン】

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム114回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。 

頭を動かさない習慣を身につける

先日、「パッティングで、どうしても打った後に頭があがってしまうんです」というアマチュアから相談を受けた。ボールを打った後にヘッドアップしているという自覚はあるのだが、どうしてもやめられないのだという。

ボールを打った後、その行方を追いたくなる気持ちはわかる。そもそもゴルフというスポーツはボールをカップに入れることが目的だから、ついつい頭を上げて結果を確認してしまうのは仕方のないことかもしれない。

このようなヘッドアップは、昔からゴルファーの悩みの種となっている。ジャック・ホワイトという往年の選手の名言に「耳でパットせよ」という言葉があるが、耳でカップインの音を聞くまで目でボールを追わないように戒めている。

単純にボールの行方が気になってヘッドアップしている人は、ボールの行方を見ないように気を付けて習慣化させる必要がある。ボールを打ち終わった後、下を向いたままボールの行方を見ないようにする練習からはじめてほしい。このとき、頭部と胴体が首から分かれているようなイメージで、頭の位置を変えずに上半身だけを動かしてストロークを行う。この首から分離する動きを身につけるために、頭を壁につけて素振りの練習をすると効果的だ。慣れてきたら、頭を動かさずにボールを目だけで追う練習をするといいだろう。頭を動かさずに、眼球の動きだけでボールを追うことができるようになれば、ヘッドアップも抑えられるはずだ。

ヘッドアップの原因は頭ではなく、前傾角度

ヘッドアップは頭を動かさず、ボールの行方を見ないようにすることで、ほとんどのケースが解消できる。しかし、私に悩みを相談したアマチュアの場合は状況が異なっていた。球の行方を見ないように我慢しているにもかかわらず、どうしてもヘッドアップしてしまうというのだ。

パッティングでは胸や背中を中心とした軸回転を行い、パターを振り子のように動かすことが大切だ。それによって、手打ちを防ぎ、いつも同じようにストロークできるようになる。

ところが、右手を使いすぎてしまう人や、体の軸回転という概念を理解していない人は、体全体を水平に回転させてしまう傾向があり、その影響で右肩が前に出てしまいやすい。体全体が左側に回転して右肩が前に出れば、当然頭も動いてしまい、ヘッドアップするような状態になってしまうのだ。このような体の水平回転によるヘッドアップは、頭を残しても根本的な問題は解決しない。逆に、頭を残すことで手元を使いすぎてヒッカケなどのミスが出てしまうこともある。

今回の相談者には適切な回転軸でストロークしてもらうために、アドレスの前傾角度を見直してもらった。体の動きが水平回転になっている人は、前傾角度が浅い場合が多い。前傾角度が浅ければ、体の回転軸は垂直に近くなり、頭が動くだけではなく下半身も動きやすくなる。前傾角度を確保してもらうため、今まで大きく曲がっていた膝を伸ばし、腰から前傾してもらった。それにより下半身が固定され、上半身の前傾角度が深くなったことで、前傾に対する軸回転が行えるようになった。肩を上下させるような、「肩の縦回転」を行いやすくなり、右肩が前に出なくなったことで自然と頭も動かなくなった。

一口でヘッドアップといっても様々な原因がある。目に見える現象だけを治そうとしても根本の問題は解決しない場合があるので、自身の状況を見極めて対処してほしい。

頭を動かさずに上半身の回転でストロークできるようになれば、ボールの方向性も定まり、より正確なパッティングができるようになるだろう。

Text=吉田洋一郎 Photograph= 小林 司  Cooperation=取手桜が丘ゴルフクラブ 

吉田洋一郎
吉田洋一郎
欧米のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。世界4大メジャータイトル21勝に貢献した世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターを2度にわたって日本へ招聘し、世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。また、欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のスイング理論を研究。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。シングルを目指すアマチュア、トップアマ、ツアープロまでアスリート志向のゴルファーを指導。2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。
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