”上から叩く”は違う! バンカーショットが上手くなる2つのポイント

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム107回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

バンカーショットは、技術が9割!

バンカー恐怖症の人は多い。何度打ってもダフってバンカーから脱出できず、次はボールをクリーンヒットしてしまいホームラン。そんな人はバンカーに入っただけで緊張してしまい、体が硬くなって更に失敗を繰り返すという悪循環に陥っているのではないだろうか。バンカーから上手く脱出するには、技術9割、メンタル1割。技術をしっかりマスターすれば、苦手意識も払拭できるはずだ。

「上から叩く」という勘違い

バンカーショットでは、砂を爆発させること(エクスプロージョン)が大切だとよく言われる。そして、砂を爆発させるために、クラブを上から叩きつけると教わることが多いのだが、クラブを上から叩きつけることばかりを考えてしまうと、クラブを鋭角に下ろしてしまう。上から打ち込む意識が強くなると、手元が先行した状態となり、リーディングエッジがボールに当たりやすくなる。このような状態になるとバウンス(ウェッジの裏面)が使えなくなるだけではなく、ヘッドを走らせてバウンスを滑らせることもできなくなる。

その結果、リーディングエッジが砂に潜るだけでボールが飛ばなかったり、リーディングエッジが直接ボールに当たってホームランになってしまう。

メンタル的にも砂に打ち込もうと考えると、上半身に余計な力が入りやすくなり、クラブはアウトサイドイン軌道となり更に鋭角に下りてくる。砂が全く入っていない土のようなバンカーでは上から打ち込むことが必要だが、ある程度砂のあるバンカーでは必要以上に打ち込む必要はない。

フェースを開き、ヘッドを走らせる

私はゴルフティーチングを仕事とするまで、バンカーショットが得意ではなかった。バンカーから出すことはできるものの、距離のコントロールができず、とにかく大きなミスをしないように気をつけてバンカーショットをしていた。一緒に練習するプロの「パンッ」という乾いた音と柔らかい球筋にあこがれて必死に練習したが、結局そのコツをつかむことはできなかった。

そのころ、バンカーショットは上から打ち込むものと思い込んでいた。シャットフェースでフェードを打つスイングをしていたこともあり、上から打ち込む意識を持つことで更にハンドファーストとなり、リーディングエッジが先行してバウンスをうまく使うことができなかった。

ティーチングを始めてから、ショートゲームの理論を学び、今までとは真逆のバンカーショットをするようになった。クラブの入射角を緩やかにし、バウンスとヘッドの加速を意識した「手打ち」で振るようになった。それから急激にバンカーショットが上手くなり、憧れていた「パンッ」という乾いた音の柔らかい球筋のバンカーショットを打つことができるようになった。

バンカーショットで一番大事になるのは、バウンスを使うことだ。バウンスが砂の上を滑って、クラブヘッドが砂にもぐるのを防いでくれる。そのためフェースを開いて構えることが必要になる。

そして、もうひとつ大事なことは、クラブヘッドを走らせることだ。今までバウンスを使うためにフェースを開いたアドレスに挑戦したのに、うまくいかなかった人も多いと思う。フェースを開いて構えてもうまくいかない人は、上から打ち込む意識が強いため、手元が先行しインパクトでクラブを砂に打ち込んで終わってしまう人が多い。手元が先行したインパクトだとフェースが開いたまま当たったり、リーディングエッジが砂にもぐるだけでボールは飛ばないなどのミスが出る。

フェースを開くことと、ヘッドを走らせることはセットで行わなければ、バウンスを使ったバンカーショットは打てない。バウンスを滑らせるためにヘッドを加速させ、インパクトで手元を追い越していくようなイメージを持つといいだろう。手首を柔らかく使い、ハンドレートでボールを打つ感覚だ。ヘッドが手元を追い越すと、まるで手首をこねたような感じになり、「手打ちになっているのでは」と気にする人もいるが、ヘッドの遠心力によって動かされている状態なので気にする必要はない。

ヘッドを走らせる感覚をつかむには、腰から下の振り幅でグリップエンドを支点にして素振りをしてみるといい。フェースを開いてバウンスが使える状態で、グリップエンドを動かさないようにクラブを振ってみよう。加速したヘッドが手首を追い越していくのがわかるはずだ。この小さい振りでボールを打ち、バウンスを使いながらクラブを加速させる感覚をつかむといいだろう。最初は練習場のマットから始め、最終的にはバンカーでも練習してみてほしい。今までよりフワッとした柔らかいボールが飛んでいくことだろう。

バウンスを使って、ヘッドを走らせる。この2つを忘れずバンカーに挑んでほしい。そうすれば、今度からはバンカーに入れることが楽しみになるかもしれない。


Text=吉田洋一郎 Photograph= 小林 司  Cooperation=取手桜が丘ゴルフクラブ

吉田洋一郎
吉田洋一郎
欧米のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。世界4大メジャータイトル21勝に貢献した世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターを2度にわたって日本へ招聘し、世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。また、欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のスイング理論を研究。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。シングルを目指すアマチュア、トップアマ、ツアープロまでアスリート志向のゴルファーを指導。2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。
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