ショットの成功率を高める素振りでの3つのポイントとは?

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム43回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。
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本番ショットの成功率を高める素振り力

ショット前の素振りは、本番と同じくらい重要だ、もちろん「やらない」という選択肢もアリではある。重要なのはしっかりと意思をもって決めているかどうかである。多くの人はただ何となく、体をほぐす程度の役割だと思って振っているのではないだろうか。芝を「ジャッ」と擦る感覚で振れれば何となくOKだ、と。

しかしどうせやるのであれば、しっかりと目的をもって本番にいい影響が出るような素振りをしたほうがよい。大前提として理解をしてもらいたいのは、素振りの目的は、確認作業であって練習ではないということだ。本番のショットで「意識しているチェックポイント」がしっかり守れるように、確認の意味で体とクラブを動かす。練習の意味合いで本番と同じ力感で1~2回振っても、成功確率が高くなることはない。

そのためもっとも重要なのはゆっくり振ることだ。本番と同じスピードで振ると、力が入っていて動きも速いので、チェックポイントに設定した動きを体のセンサーが確認しきることができない。

次に重要なのはチェックポイントを1つに絞ることだ。ショットの直前に複数のポイントを気をつけることはできない。さらに体やクラブの動きばかりに気を取られていては、狙いや球筋のイメージといったボールを運ぶために重要な点がおろそかになってしまう。

そして最後に、素振りを終えたらスムーズにアドレスに移り、間を置かずに始動することが重要だ。ここで停止している時間が長いと、筋肉が硬直してせっかく直前にインプットした動きを行うことができない。また頭の中で新たに考える時間ができてしまうので、自分がやろうと決めていた動きに集中をすることができなくなってしまう。

この「チェックポイントを1つに絞る」「ゆっくり振る」「すぐに始動する」3点を守れば、本番のショットの成功確率を上げることができるだろう。

全力で振ったほうがいい状況もある

一方で本番と同じ力感で素振りをしたほうが良い場合もある。傾斜やラフなど特殊なライの場合だ。アマチュアの場合ラウンドの経験値が少ないため、傾斜の度合いで自分のスイングがどう変化するかが認識できていない場合が多い。どの程度の振り幅でバランスが崩れるか、傾斜によってヘッドの落ちる場所がどれくらい変わるかを把握するために本番と同程度の力感で振ることは次のショットの準備につながる。

これからの時期に増えてくるラフからのショットも同じことが言える。芝の長さや種類によって、ヘッドがどの程度ラフの抵抗を受けるのかを事前に知っておく必要がある。抵抗の度合いによってクラブ選択も変わってくるだろう。

このように状況によって素振りの意味合いは変わってくる。いずれにしても「ただ振るだけ」の素振りを脱すれば、多くの練習を積まずとも、スコアにいい影響が出てくるだろう。

次回に続く

Text=吉田洋一郎 Photograph=小林 司 Cooperation=取手桜が丘ゴルフクラブ



吉田洋一郎
吉田洋一郎
欧米のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。世界4大メジャータイトル21勝に貢献した世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターを2度にわたって日本へ招聘し、世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。また、欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のスイング理論を研究。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。シングルを目指すアマチュア、トップアマ、ツアープロまでアスリート志向のゴルファーを指導。2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。
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