アフターコロナのお金論" width="1100" height="650" />新型コロナウイルスにより、多くの人がお金について真剣に考えたはずだ。先行きが見えないなかで、今後どうお金と付き合い、増やしていけばいいのか。この連載では、お金のトレーニングスタジオ「ABCash」を運営する児玉隆洋氏が、コロナ後のお金と資産運用についてレクチャー。お金とは何か、投資とは何かを考える。アフターコロナのお金論9回。
バビロン大富豪、第7の教えとは
約100年前に書かれた世界的名著「バビロン大富豪の教え」。時代を超えて通用する考え方も多く書かれており、読んだことがあるという方も多いのではないでしょうか。
バビロンの大富豪であるアルカドが、お金を貯める・守る・増やすを軸に、富を築くための7つの教えを説いていく書籍です。この教えのうち最後の第7の教えは、「自分こそを最大の資本にせよ」というもの。つまり、自己投資することの重要性を説いています。
ということで、今回は「自己投資」についてです。自己投資とは、自分の能力をあげるために、自分に自分のお金や時間をかけることです。例えば、ジムにいってフィジカルを鍛えたり、英会話の知識を増やすために単語帳を購入して勉強したり、プログラミングを学ぶ学校に通ったりする行動のことです。
当社の提供するお金のトレーニングの中でも、自己投資に収入の1~2割のお金を使って投資することをおすすめしています。
その最大の理由は、人生100年時代の到来です。
医療の発達によってどんどん長寿社会になっていますので、仕事をする期間も昔よりも長くなります。さらに、テクノロジーの進歩により、求められる能力が以前では考えられない速度で変化してきていますので、より新しい能力を身につけ続ける必要がでてきているのです。
それでは、最初のお金のトレーニング。
自己投資、つまり生涯にわたって能力を身につけること・学び続けることを「◯◯◯◯◯教育」と言います。何と言うでしょうか?
答えは、リカレント教育です。
今回の新型コロナウイルス感染拡大で、様々なサービスのデジタルシフトが一気に進むこことなり、求められる仕事や能力もどんどん変わってきています。
サービスのデジタルシフトにより、例えばエンジニアなどのデジタル人材の需要が高まることが予想されますが、海外ではデジタル人材を育成するリカレント教育に対して、国の公的支援を始めるという取り組みも広がっています。
変化する時代の流れを捉え、今後必要とされる能力を見極めながら自己投資をすることが、バビロン大富豪の第7の
教えです。
また、この連載でも何度かご紹介している世界一の投資家と言われているウォーレン・バフェット氏は、自己投資についてこのように言っています。
「最強の投資は自己投資。最終的にその他のどのような投資にも勝る投資は、自分自身への投資である」
「能力をつけることによってあなたが10%、20%、あるいは30%高めた潜在力は、課税されてなくなることも、インフレによって失われることもない。生きている限り、持ち続けることができる」
自己投資により身につけた能力は失われるリスクも低いので、確実性の高い投資と言えるのです。
それでは、お金のトレーニングです。
「バビロン大富豪の教え」が書かれたのは約100年前ですが、その時はまだ日本では英語教育は必修化されていませんでした。英語教育が、小学生にも必修化されたのはいつでしょうか?
答えは2001年。小泉内閣が誕生した年です。
もうひとつお金のトレーニングです。
コロナによるサービスのデジタルシフトによって、新しい教育として注目されているプログラミング教育。中学校で行われるようになったのはいつからでしょうか?
答えは2012年。東京スカイツリーが完成した年です。
そして最後のお金のトレーニング。
お金のことについて学ぶ金融教育、高校で行われるようになるのはいつからでしょうか?
答えは2022年。
学生が授業で金融教育を学ぶ未来は、もうすぐそこまできています。今まで資産といえば、株式、債券、不動産、金などを思い浮かべる方が多かったかもしれませんが、実は、自分自身こそがなによりも大きな資産なのです。
Takahiro Kodama
1983年宮崎県生まれ。大学卒業後、サイバーエージェントに入社。Amebaブログ事業部長、AbemaTV広告開発局長を歴任。2018年、海外に比べて遅れている日本の金融教育の必要性を強く感じ、株式会社ABCashTechnologiesを設立。代表取締役社長に就任。2019年、すごいベンチャー100受賞、スタートアップピッチファイナル金賞。趣味はサーフィン。