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GOLF

2022.08.27

ショットを安定させるには、ベタ足?それとも、ヒールアップ?

今回は、飛距離が伸びるだけでなく、方向性も改善する左かかとの浮かしについて。連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】とは……

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子、吉田洋一郎によるゴルフレッスン。

【ヒールアップすると、飛距離アップ&方向性の改善も】

ゴルフを始めたばかりのころ、バックスイングで左かかとを浮かせてもいいものか迷ったことがある人がいるかもしれない。バックスイングで左かかとを上げることを「ヒールアップ」といい、ジャック・ニクラウスなどの往年の名プレーヤーたちが採用して推奨される時代があった。しかし、’90年代に入り、方向性を安定させるために両足を地面につけて下半身を固定するスイングが主流となり、ヒールアップをする選手は減ってきた。近年のゴルフレッスン雑誌などでも「ショットを安定させるにはベタ足のほうがいい」という記事が多い印象がある。

スイングは人それぞれなので、ベタ足でもヒールアップでも、本人に合っていれば問題はないが、ヒールアップすることで得られる恩恵は多い。ヒールアップをして左足を踏み込む動きを行うと、地面を強く押すことができるので、強い地面反力を生み出して回転力を高めることができる。また、左足を踏み込む動作を行うことで切り返しのタイミングが取りやすくなり、下半身、上半身、腕、クラブの順番で動く「運動連鎖」が適切になり、スムーズにスイングすることができる。

足を動かしたらスイングが不安定になるのではないかと心配になる人もいると思う。実際に、足を動かすタイミングがわからずリズムを崩す人もいるが、そのような人は、それまで足をあまり動かさず、上半身ばかりに頼ってスイングしてきた人が多い。ヒールアップのポイントさえつかむことができれば今までよりも楽にスイングができるはずだ。

動画レッスンはこちら

【足踏みで感覚をつかむ】

今まで足を意識してスイングをしている人は多くないと思うので、最初はボールを打たず、足の動きだけを習得することから始めるといいだろう。ヒールアップの動きを覚えるために、つま先とかかとに体重を移動させながら、その場で足踏みをしてみよう。最初は足裏に意識を集中し、体重がどのように移動しているのかを感じながら行ってみてほしい。

左足つま先に体重がかかると、右足のかかとに体重がかかる。逆に右足のつま先に体重がかかると、左足のかかとに体重がかかる。このような足裏の体重移動はゴルフスイングでも必要になる。

実際のスイングでは、バックスイングで左のつま先と右のかかとに体重がかかり、ダウンスイングでは左のかかとと右足のつま先に体重が移動する。この一連の動作を行うことで、左足のかかとが浮いた状態がヒールアップの動きをスムーズに行うことができる。

ヒールアップというと、左足のかかとだけを浮かせればいいと思っている人もいるが、それだけではタイミングがとりづらいし、動きもぎこちなくなる。両足裏の体重移動を意識することでスムーズなヒールアップを身に付けることができるようになるのだ。最初は大げさにつま先とかかと方向に体重を移動し、積極的に足を使って体に動きを覚え込ませてほしい。

スムーズに足踏みができるようになったら、足裏の体重移動に合わせてシャドースイングをしてみよう。左足のつま先と右足のかかとに体重を移動させながらバックスイング動作を行い、切り返しで左足のかかとを下ろしながら右足のつま先に体重移動させて体を回転させる。足と体の動きが連動すれば、足裏の動きによって体がスムーズに回転することが実感できるはずだ。

足の動きと体を連動させることができたら、クラブを握って素振りをしてみよう。最初は大げさにヒールアップし、足を積極的に使ってスイングをする感覚を養ってほしい。この時、上半身や腕でクラブをコントロールしないように気を付け、足の動きによってスイングする意識を持ってほしい。特に切り返しのヒールダウンのタイミングはかなり早く行うようにするといいだろう。意識は足が8割、上半身やクラブは2割程度にして、クラブは持っているだけくらいのイメージで素振りをしてみよう。

ボールを打つ際は、最初はハーフスイング程度の小さい振りから始めるといいだろう。クラブをボールに当てることは意識せず、足の動きに集中しながらスイングする。慣れてきたら徐々に振り幅を大きくし、フルショットに挑戦してみてほしい。練習するうちにヒールアップの動きやタイミングが体に馴染み、自然とスイングができるようになるだろう。

スイングを足の動きから始めれば、足の動きが下半身に伝わり、下半身に連動するように上半身も動いていくことがわかるはずだ。腕や手を動かそうと意識しなくても、下半身と上半身が連動した「運動連鎖」できていればスムーズにスイングができるようになる。実際にコースでヒールアップをしなくても、練習で取り組むだけでもスイングが良くなるので試してみてほしい。

ヒールアップを意識的に行うことで、飛距離アップだけではなく、方向性も改善する。足裏の意識を持って再現性の高いスイングを身に付けてほしい。

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連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】とは……
世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

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吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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