世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム197回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。【連載 吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】
【絶対にダフってはいけない】
ティーショットで会心のドライバーショットを打ったと思ったのに、フェアウェイの傾斜でボールが横に逸れ、無情にもフェアウェイバンカーに入ってしまうということがある。思わぬピンチに、「ついていないなあ」とこぼしてしまった経験のある人も多いだろう。
しかし、深いラフや池に入ることに比べれば、フェアウェイバンカーは致命的なミスというわけではない。しっかりボールを打つことができれば、グリーン近くまで運ぶことは可能だし、うまくいけばグリーンに乗せることも可能だ。ピンチをチャンスに変えることは決して難しくはない。
ただ、初級者や中級者には「フェアウェイバンカーの打ち方が分からない」「バンカーから出すのがやっとになってしまう」という人が多いのも事実だ。そのような人たちは、フェアウェイバンカーでの打ち方を理解していないケースがほとんどだ。ボールが砂の上にあるのと芝の上にあるのでは、打ち方が異なることを理解し、対処方法を頭に入れておけば恐れる必要はない。
フェアウェイバンカーで絶対にしてはいけないのは、ダフリだ。少しでもダフってしまうと、ボールとフェースの間に砂が入ってしまいボールが全く飛ばなくなるため、ボールを直接とらえることが大切になる。多少トップしてもいいが、決してダフってはいけない。むしろ、ややトップになる感覚でクリーンにボールを打つことが大切だ。
【トップを気にせず、ボールをクリーンに打つ】
フェアウェイバンカーから、脱出するためには大事なポイントが3つある。
1つ目のポイントは構え方だ。グリーン周りのバンカーでは足を砂に埋めて足元を安定させることがあるが、足を砂に埋めるとダフリやすくなってしまうので、フェアウェイバンカーでは通常のショットのように構えるだけでいい。そして、クラブはグリップエンドを余らせるようにして短く握る。そうすることで、クリーンにボールをとらえやすいアドレスになる。
2つ目のポイントは大振りしないことだ。大きく振ると飛距離は出るが、インパクトの再現性が低くなるため、6割から7割の力感でコンパクトに振りたい。バックスイングは左腕が地面と平行になるくらいの高さまで上げ、フォロースルーもフィニッシュまで振りきらないように右腕が地面と平行になるくらいのイメージでいいだろう。コンパクトに振ると振り幅が小さすぎて飛ばないのではないかと不安になるが、実際は遠心力などが働き、イメージしているスイングよりも振り幅が大きくなるので心配はいらない。コンパクトなスイングで、ボールをクリーンにとらえることを心がけてほしい。
3つ目のポイントは、普段より1つか2つ大きい番手のクラブを使うことだ。クラブを短く持って、コンパクトなスイングをするため、普段より飛距離は落ちる。そこを考慮に入れて飛距離の出るクラブを選択しなければならない。
この3つのポイントを押さえて、ボールの真ん中より上を狙って打てば、バンカーから脱出することは難しいことではない。ボールがグリーン周辺にまで届けば、多少落としどころが悪くてもパーセーブするチャンスが出てくる。いい当たりで打つことができれば、スピンが効いたショットでバーオン、もしくはバーディーチャンスに乗せることも十分可能だ。
ぜひ、フェアウェイバンカーの打ち方を覚えて、ピンチをチャンスに変えてほしい。