GOLF

2022.05.21

飛距離が変わる! 正しいアドレスのための2つのポイント──連載「吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン」Vol.193

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム193回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。【連載 吉田洋一郎の最新ゴルフレッスンはこちら】

【アドレスでゴルファーの腕前がわかる】

野球のピッチャーが強打者を相手にすると、どこに投げても打たれるように感じることがあるという。構えただけで相手に威圧感を与えることができれば、心理的に優位に立つことで試合を有利に進めることができる。

野球に限らず、どんなスポーツでも強そうで隙のない構えというものがある。これはゴルフでも同じで、プロや上級者はアドレスを見ただけでナイスショットを放つ雰囲気がある。それに比べて初級者の構えからは、ナイスショットをイメージするどころか、むしろ「ちゃんと当たるだろうか」と心配になることが多い。アドレスはスイングの準備段階なので、アドレスが適切でないと、ボールの方向性が損なわれるだけではなく、飛距離のロスにもつながる。

ゴルフのアドレスには「姿勢」と「向き」の2つが重要になる。この2つのポイントに気をつければ、アドレスの見た目が良くなるだけではなく、スイングの機能性も高まる。

アドレスの姿勢に関しては、膝を大きく曲げて構えている人を見かけることがある。膝を大きく曲げたアドレスだと、骨盤が後傾しやすいため腰が落ちたアドレスとなり見た目が良くない。そして、骨盤が後傾することで上半身が十分な前傾角度をとることができず、効率的なスイングが難しくなる。

見た目と機能性が優れたアドレスをするために、アドレスを行う順番が大事になる。腰からお辞儀をするように骨盤から体を曲げて前傾姿勢を取り、ほんの少しだけ膝を緩める順番でセットアップを行ってほしい。膝を曲げることではなく、骨盤を前傾させることからセットアップをすることで、理想的なアドレスをすることが可能になる。

【左手でクラブをセットし、肩の開きを抑える】

アドレスの体の向きをチェックする際、スタンスの向きを気にする人は多い。両足を結んだ直線が飛球線と平行になるように構えることは大事なことだが、アドレスにおいて足の向きはそれほど優先度が高いわけではない。オープンスタンスやクローズドスタンスで構えるツアープロもいるので、必ずしも足の向きを飛球線と平行にしなければいけないわけではない。では、体のどの部分の向きが大事になるのかということだが、両肩と両腰を結ぶ直線が飛球線に対して平行になることが大事になる。特に、スイング軌道に大きく影響を与える肩と向きが適切であれば、目標にボールを飛ばせる確率が高くなる。

右利きのアマチュアゴルファーの中には、右肩が前に出て、肩のラインが左を向いた開いた状態になっている人がいる。このような真正面から見て「右腕が長く見える」構えでは、見た目が良くないだけでなくスイングにも問題が出る。その構えでバックスイングをすると、クラブはアウトサイドに上がり、ダウンスイングはアウトサイドから下りる「アウトサイドイン軌道」となり、引っかけやスライスの原因になる。

肩のアライメントが正しく取れていれば、右利きの場合、真正面から見たときに右腕より左腕が長く見える。そして、右手のグリップが下になるので、右肩は下がり、上半身は少し右に傾く。

肩のラインが左を向く原因は、右手の使い過ぎにある。右利きゴルファーの場合、利き手の右手でクラブを扱う意識が強く、アドレスに入る際も右手でクラブをボールに合わせがちだ。そうすると、右サイドが前に出て肩が開いた構えになりやすくなる。右手とクラブばかりに意識が向き、左手がおまけのようにくっついているようなアドレスでは、ナイスショットを期待することは難しい。

そのような傾向がある人は、最初に左手でクラブを持ってセットアップしてみてほしい。左手からアドレスをすることで、右サイドが前に出ることを抑制することができる。左腕とクラブが一直線になるイメージで構え、その後に右手をクラブに添える手順でアドレスをするといいだろう。そうすることで「左腕が長いアドレス」となり、肩のラインが開かない見た目と機能性が高いアドレスになる。

アドレスの姿勢と体の向きはスイング軌道や球筋に大きく影響する。アドレスの大事な2点に気を付けて、見た目と機能性の優れたアドレスを目指そう。

 

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2025年1月号

シャンパーニュの魔力

最新号を見る

定期購読はこちら

バックナンバー一覧

MAGAZINE 最新号

2025年1月号

シャンパーニュの魔力

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ1月号』が2024年11月25日に発売となる。今回の特集は“シャンパーニュの魔力”。日本とシャンパーニュの親和性の高さの理由に迫る。表紙は三代目 J SOUL BROTHERS。メンバー同士がお互いを撮り下ろした、貴重なビジュアルカットは必見だ。

最新号を購入する

電子版も発売中!

バックナンバー一覧

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる