注目の女性アスリートを紹介する新企画「次世代のアスリート女神」。第4回目は、オリンピックゴルフ優勝候補の美女ゴルファー。
東京五輪で狙うは金メダルのみ
8月4日から7日にかけて行われている東京五輪の女子ゴルフ。日本からは畑岡奈紗と稲見萌寧が出場しているが、彼女たちの前に立ちはだかる強敵となりそうなのが、現世界ランキング2位のコ・ジンヨンだ。
1995年生まれで七夕に26歳の誕生日を迎えたばかりの彼女は、米国女子ツアーを主戦場に活動する韓国女子ゴルファーの一人だ。
アマチュア時代は2010年から3年近く韓国代表として活躍し、2013年にプロ転向。2014年8月に韓国ツアーの初優勝をすると、2017年までの4年間で通算10勝をマーク。
2018年から活動の場を米国女子ツアーに移すことになるが、ここでもデビュー戦でいきなり優勝を果たし、2019年にはANAインビテーションとエビアン・チャンピオンシップと2つのメジャー大会を制した。
積み重ねてきた優勝回数は、米韓通算18回(韓国10勝、アメリカ8勝)。韓国では年間MVPに相当する「大賞」、アメリカでは新人王、年間最優秀選手、2年連続賞金女王に輝いた実績を誇る。世界ランキングでも、2019年7月から約2年近く1位の座を守っていたトッププロなのだ。
ただ、その華々しいキャリアと活躍の裏には血のにじむような努力があった。彼女は以前、韓国メディアとのインタビューでこう語っている。
「元々練習量は多い方です。練習すること自体が好きなんですよ。特に、アメリカ進出以降は環境が良いからかさらに練習量が増えました。おそらく、大会でラウンドを回るより練習場で過ごした時間の方が多いのではないでしょうか」
あるオフシーズンには、練習で1日1000球もボールを打って親指の爪を折ってしまったという。あまりの“練習の虫”ぶりに、周りの選手から「みんな休んでいるのになんでジンヨンはそんなに練習するの?」と驚かれることも多いらしい。
「なぜそんなに練習するのかって? もっと頑張りたい気持ちがあるからです。今この瞬間も、練習でより多くの時間とエネルギーを費やさなければ……と思っています」
今年7月初旬に行われた「ボランティア・オブ・アメリカクラシック」では2021年初勝利。この間、2020年最終戦の優勝を最後に約7カ月近く勝利がなく、世界ランキングでも首位陥落。当然、韓国ゴルフファンからは心配の声が挙がったが、本人はむしろ成長のチャンスととらえたという。
「コンディションが悪いわけではありませんでした。少し運がなかっただけだと思います。でも、自分のプレーに満足はしていなかったので、“ああ、ゴルフの思春期が来たんだな”と受け入るようにしました。どうすれば選手としてもっと成長できるのか、今すぐ結果が出ずとも、いつか幸せな選手になれるよう考え、悩んだ時期でした」
世界女王を経験してもなお、あくなき向上心を持ち続けるコ・ジンヨン。そんな彼女を“メンタル先生”と呼んで慕う後輩選手が多いというのも納得だ。
そんな彼女が東京五輪で狙うは金メダルのみ。コ・ジンヨンは言っている。
「私ができるすべてのことに最善を尽くし、東京では後悔のない4日間を過ごしたい」
世界トップレベルのゴルファーが、表彰台の最も高い場所を目指して東京で躍動する。