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GOLF

2021.03.26

感覚を取り戻す! 久しぶりのラウンド前にすべきスイング法とは

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム135回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

基本に立ち返ってブランクや不調を解消

都内の桜が開花し、いよいよゴルフシーズンが到来するということで、ラウンドを計画している人も多いだろう。冬の間、しばらくクラブを握っていなかった人でも、そろそろ練習をしようと思っているかもしれない。練習すること自体は良いことなのだが、練習方法を間違えると、かえって逆効果になることもあるので注意が必要だ。

たまに練習場に到着するなり、準備運動もせずにいきなりドライバーを手にしてガンガン球を打ち出す人がいるが、このような練習方法はあまりお薦めできない。特にブランクがある人は、スイングが定まらない状態で何球もボールを打っても上達しないし、無理に体を動かして腰や肩を痛めてしまうかもしれない。

このようなブランクがあったり、調子を落としている人は、小さなスイングから始めて段階的に振り幅を大きくしていく練習がお薦めだ。小さなスイングでクラブの動きや体の動かし方などを確認することで、ラウンドのパフォーマンスを高めることができる。今回は春のラウンドに向けて、スイングの感覚を取り戻すためのリハビリメニューをご紹介したい。

小さなスイングでクラブや体の動きをチェック

スイングを構成する要素はたくさんあるが、まずはクラブの動きを整え、体と腕のシンクロを高めることが大事になる。今回はスイングの基礎部分を見直すための練習を、順を追って説明をしていきたい。

まず、練習場について準備運動を行ったら、9番アイアンを持って小さなスイングから始めていく。右腰の高さから左腰の高さまでの、いわゆる「ビジネスゾーン」の小さなスイングでクラブを振ってみてほしい。このとき、確認してほしいのはクラブの軌道とフェースの向きだ。まずは、鏡の前でクラブ軌道とフェースの向きが適切になっているか確認しよう。チェックポイントはシャフトが地面と平行になったポジションだ。飛球線後方にある鏡に向かって、バックスイングでシャフトが地面と平行のときに、ヘッドが手元と重なるか、ヘッドが少し手元よりも外にあるようにクラブが上がっているか確認してみよう。そのとき、フェースの向きは少し地面を向くように45度から60度の角度になっているか確認してほしい。そして、今度は体の向きを変え、バックスイングと同じように、フォローでシャフトが地面と平行の時にヘッドと手元が重なり、フェースの向きが地面に対して垂直になるようになっているか確認してほしい。鏡の前でクラブポジションを確認しながら素振りを繰り返したら、実際にクラブ軌道とフェースの向きを確認しながらボールを打って球筋を確認してほしい。

このようにビジネスゾーンの「入口」と「出口」を確認することで、その間にあるインパクトゾーンのクラブの動きとフェースの向きを適切にイメージすることができる。アマチュアの場合、ボールを打ちにいく「点」のインパクトになって調子を崩すことが多い。ゾーンでボールをとらえるために、特にフォロースルーのクラブ軌道やフェースの向きを意識してみてほしい。

ビジネスゾーンでクラブの動きをチェックしたら、次はスイングを大きくしてバックスイングで左腕が地面と平行、フォローで右腕が地面と平行までの大きさのスイングをしてみよう。このスイングでは、体と腕のシンクロを意識しながら、クラブのポジションを確認する。バックスイングで左腕が地面と平行になった時、グリップエンドが右つま先の少し前の地面を指すように上げることを意識してほしい。シャフトが立った状態にあれば、体と腕がシンクロしている状態をキープしやすい。逆に、グリップエンドが地面を指さず、シャフトが寝た状態になっていると体と腕のシンクロが崩れている可能性が高い。フォロースルーでも同じように、グリップエンドが左つま先の少し前を指すように左右対称のスイングを心掛けてほしい。動きに慣れてきたら素振りを交えながら、実際にボールを打ってみるといいだろう。

ここからは8割程度の力感でスイングをしていくのだが、すぐにドライバーを手にしてはいけない。ショートアイアンから始めて徐々に長いクラブに移行していく。この時、ボールの飛ぶ方向はあまり気にせず、クラブと体の動きを確認しながら行うことが大切だ。フルスイングの動作を確認するために、目をつぶって素振りを行うといいだろう。目をつぶることで視覚が遮断されて内的な感覚が高まるため、クラブヘッドを意識したり、体の動きを意識しやすくなり、小さいスイングで行ってきた動きや感覚を再確認することができる。

この小さいスイングから大きなスイングへ移行する練習は、ドライバーでも有効だ。ドライバーを持つと、遠くに飛ばそうと思い切り振りたくなるかもしれないが、基本を確認することで芯に当たる確率が高くなり、飛距離も方向性も向上する。小さいスイングから始めてクラブの動きや体と腕の同調性が確認できたら、ヘッドの重みを感じながら8割のくらいの力感で打ってみよう。

ゴルフの場合、自らが立ち返ることができる基本を定期的に確認することが大事だ。練習では、いきなりいいショットを打とうとは考えず、クラブの動きや体の動きなどのチェックを最優先にしてラウンドに備えよう。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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