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GOLF

2020.05.15

曲がらない球を打ちたい! 方向性を改善するゴルフ練習法

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム92回目。今だからこそやるべき、おうちでできる特訓法をお届けする。

吉田洋一郎

手打ちがボールを曲げる

野球の投球動作をはじめとして、遠くへ物体を飛ばす動作において、手を使い、腕を振ることは欠かせない。これは誰に教わることでもなく、自然と人間に備わった本能といえるだろう。しかし、ゴルフにおいて手を使ったり、腕を振るという本能的な動作は、時としてマイナスに働く。ゴルフスイングにおいて、多くのアマチュアは使いなれた利き手を過剰に使ってしまう。両手をバランスよく使えるアマチュアは少なく、ボールを投げる動作のように8割から9割くらい利き手に頼ってスイングをしているだろう。右利きの場合、切り返しで右手を使ってボールを直線的に打ちにいく動作によって、スイングの軌道がアウトサイドインになり、弱々しいスライスの原因になる。腕を振る割合が多ければ、フェースがかぶりプルフックも出る。

このようにゴルフボールが曲がるのは、利き手を過剰に使うことによって体と腕がバラバラに動く「手打ち」が原因だ。手打ちの状態となれば、ボールは腕を振るタイミング次第で右にも左にも飛ぶことになり安定性に欠ける。そのため、腕だけを振るのではなく、体の動きに連動して腕が動く「体と腕のシンクロ」が重要になる。両肘と胸の3点の空間を変わらない体と腕のシンクロがとれた状態をスイング中キープすることで、スイングの再現性が高まり、ボールの方向性が安定する。今回は自宅でできる体と腕のシンクロを高める簡単な練習法を紹介しよう。

体全体を使って片手素振り

体と腕をシンクロさせる感覚を磨くには、片手1本での素振りが効果的だ。多くのツアープロも行う練習で、アマチュアでもやったことがある人は多いだろう。やり方は左手、右手それぞれ片手でクラブを振るだけだ。

いたって簡単な練習だが、片手でクラブを振るのは意外に難しい。プロであれば、片手でビシッとボールを打つこともできるが、アマチュアの初級者ならボールを打つことはおろか、クラブを振るのも一苦労だろう。

なぜ、アマチュアが片手のスイングするのが難しいかというと、手や腕だけで振ろうとするからだ。片手でクラブを持ってもらえばわかると思うが、クラブというのは片手で持つには結構重たい。適切なクラブポジションで、体全体を使ったスイングをしなければ、片手でクラブを振ることができないのだ。片手素振りは腕の筋力を鍛えるトレーニングではない。体と腕がシンクロし、体は主、腕は従となるシステムを作ることが目的だ。

親指を立てればクラブも軽くなる

自宅など室内で片手素振りを行う際は、クラブの長さは短いほうがいいので、9IやPWがよいだろう。スイングの振り幅は腕が地面と平行になるくらいの高さで十分だ。基本的な動作になるので速く振る必要はない。室内でクラブを持つときは物を壊したり、ケガの原因になるので周囲に注意して行ってほしい。

片手素振りをするときの注意点だが。1つめは軽くわきを締めることだ。わきが離れてしまうと手や腕が勝手に動いてしまう。多少硬くなってもいいので、わきや上腕部に緊張感を持ってほしい。いつもと比べると動きに制限があり、不自由に感じるかもしれないが、今まで体と腕がバラバラで自由過ぎたのだ。動きづらいと感じるくらいがちょうどいい。最初はヘッドカバーなどをわきに挟んで振ってもいいだろう。右利きなら、バックスイングで右わき、フォロースルーで左わきがあいてヘッドカバーが落ちてしまうことがあるので気を付けたい。

2つめは、シャフトを立てることだ。バックスイングの左腕が地面と平行のポジションで、左手の親指が上を向いて立つような形にすると自然とシャフトも立つ。これが重要なポイントで、シャフトが立つとクラブが軽く感じられる。逆にシャフトが横になって寝てしまうと、クラブが重くなり、プロでも振り切ることが難しくなる。フォロースルーでも右腕が地面と平行のポジションの時に、左手親指を立てるようにしてシャフトを立てると、クラブを軽く感じることができる。クラブを軽く感じながら、ヘッドを走らせて左右対称にクラブを振る感覚をつかみたい。シャフトは垂直に立てる必要はなく、飛球線後方から見て腕が地面と平行になった時にグリップエンドがボールの内側を指していればよい。

普段のゴルフでは無意識に力が入って利き腕を振ってしまったり、使い慣れた末端部分の手や指先を使ってコントロールしてしまいがちだ。基本的には右手も左手も同じように素振りをすればいいのだが、右利きの場合、右手を使い過ぎない工夫を取り入れてもいいだろう。右手の素振りでは親指と人差し指を離して指先に力が入らないようにしてみよう。中指と薬指の2本だけでも、適切なポジションにあれば片手でクラブをコントロールすることはできる。使い慣れた器用な感覚ではなく、今まで使ってこなかった不器用だが再現性の高い運動回路を開発してほしい。

プロのように練習場で片手でボールが打てるようになれば、ボールの曲がりは劇的に減るだろう。再現性の高いスイング、安定した球筋を実現するためには体と腕の同調が欠かせない。ぜひ、片手スイングで体と腕が同調する感覚を身につけてほしい。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=松川 忍

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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