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GOLF

2020.05.01

自宅でゴルフ特訓! プロのスイングを見て学ぶ方法

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム93回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

吉田洋一郎

思っているよりも遅いアマチュアのスイングテンポ

ラウンドの際に同伴者から「スイングが早い」「打ち急いではいけない」と注意された経験はないだろうか。そのため、ゆっくり振ることが正しいと思っている人は多いかもしれない。

テレビなどでゴルフツアー中継に出てくるプロのスイングを見ると、ゆっくり振っているように感じる人もいるだろう。しかし、実際にプロのスイングに合わせて素振りをしてみると、そのスピードについていけるアマチュアはほとんどいない。ツアープロのスイングは、体と腕の同調性が高く、体の中心が動いて末端が動くのでゆっくり振っているように見える。逆に末端を使っているスイングは一見速く見えるが、実際のスピードはそれほど速くはない。

もちろん男子のトッププロと同じスピードでスイングすることは難しいが、女子プロゴルファーのスイングにもついていけないのではないだろうか。それくらい、アマチュアのスイングは総じて遅いのだ。

スイングスピードアップの鍵は下半身

なぜ「ゆっくり振れ」と言われるのか疑問に思うかもしれない。この場合の「ゆっくり」は手や腕を先に動かしてはいけない、という意味だ。切り返しで急にタイミングが早くなる人や、始動やバックスイングで手先を使ってクラブを上げる人は、「ゆっくり」動かすことで体を動かす順番を適切にすることができる場合がある。決してスイング自体を「速く振ってはいけない」という意味ではない。速く振れば、当然ヘッドスピードは上がるし、余計な動きが入ることもなくなる。むしろ、速いスイングほど無駄がなく飛距離の出るスイングなのだ。

逆説のようだが、「体の動かし方」「フェースの向き」「手首の角度」などをチェックしながらゆっくり振るほど、余計な動きが入り、スイングが乱れていく。つぎはぎを縫い合わせるようにスイングの形を取り繕おうとしても、スイングは美しくならないし、良い球は打てない。

そんなスイングで飛ばそうと思っても、動作の順番がバラバラなので力むばかりでスピードはあがらない。

では、どうすれば速く振ることができるのだろうか。そのカギはスイングテンポだ。

アマチュアのスイングテンポは遅い。バックスイングを1、ダウンスイングを2というリズムでスイングした場合、「イーーーチ、ニーーーイ」というようにテンポが遅い。

テレビやパソコンの画面に映るプロの上半身を手で隠して、下半身の動きだけを見てほしい。ほとんどのプロが歯切れよく、「イチッ、ニッ」という速さのテンポで足が動いているのがわかるだろう。右利きの選手ならバックスイングで右足、ダウンスイングで左足を動かし、歩くときと同じリズムとテンポで足を動かしている。この足の動きならアマチュアでも真似をすることができるだろう。

まずはクラブを持たずにその場で足踏みをしながら、1,2のリズムでスイングをしてみるといい。この時、かかとを上げ下げするとリズムをとりやすい。1のタイミングとなる始動で上げておいた右かかとを踏み、2のタイミングの切り返しで左かかとを下す。最初は足の動きだけに集中して、足踏みだけから始めてもいいだろう。慣れてきたら上半身も連動させてみよう。いつもよりトップが小さくなったような気がするかもしれないが、構わない。適切なトップの位置は思いのほか小さいのだ。下半身の動きに合わせて勢いよく腕を振ることができるようになれば、惰性によって腕は上がっていく。足の動きに集中すれば、速く振ることは難しくないことがわかるはずだ。

足でリズムをとることができるようになったら、プロのスイングテンポに合わせてスイングをしてみよう。まずは、プロの下半身の動きを見ながら一緒に足を動かす。その後、上半身も連動してスイングをしてみるといいだろう。足を意識する前には、信じられないほど速く動いているように感じたプロのスイングテンポについていくことができるだろう。

形を追い求めてもよい球は打てない。形は動きや力の向きによって変わるのだ。プロのスイングテンポに近づけば近づくほど、ぎこちない形だったスイングがスムーズになることだろう。

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吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=松川 忍

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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