世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム63回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。
パッティングでやりがちな2大ミスとは?
正しいパッティングの形を身につける際、その構成要素はアドレスとストロークに分けることができる。「目標に対して正しく立てているか」という点と、「思い通りにクラブを動かせているか」という点はまったく異なる要素なので、別々に考えることで課題をシンプルに分析することが可能だ。
アマチュアのパッティングにおけるミスの要因は、それほど多くない。代表的なものは2つ。アドレスで目標の右を向いてしまうことと、ストローク中に軌道やフェース面の向きが不安定になる事だ。
2つのミスはクロスハンドグリップで解決可能
多くのアマチュアは、アドレスで目標より右を向いて構えがちだ。右利きの場合順手のアドレスでは左手より右手が下に位置するため、軸が右に傾き肩のラインや目線が右に向きやすい構造になっている。更に構えた後にボールを見て方向や距離を確認すると、顔を上げる動作により、徐々に右を向く可能性が高くなってしまう。
そこでおすすめしたいのが逆手(左手が右手の下)で握るクロスハンドグリップだ。クロスハンドで握ることで左肩が上がりにくくなり、構えた時点やボールを確認するときでも左肩が被りにくくなり、目線も適切に保てる。
クロスハンドグリップは、ストロークのミスを打ち消す効果もある。順手で握る場合、ショットの握りに近いため、手首が動かしやすい状態になっている。ショットでは、手首を柔らかく使ってクラブヘッドを動かすことは、ヘッドスピードを上げることにつながりネガティブな動きではない。しかしパッティングでは、手首の角度はアドレスから固定されていなくてはならない。手首の角度が変わることでフェース面の向きが変わり、打ち出し角が思っていたものからずれてしまう可能性が高くなるからだ。
クロスハンドグリップにすることでストローク中、手首の角度を変える動きを入れづらくなる。アドレスとインパクトでフェース面の向きが変わりにくくなり、打ち出しの方向性が安定するだろう。クロスハンドでは手先でクラブをコントロールしづらいため、ストロークを体の回転を使って行いやすくなり軌道も安定する。
順手に慣れている人は、最初のうちは違和感を持つかもしれない。アドレスでは目線をターゲットライン上に保ち、両肩を結んだラインが目標に対するラインと平行になるように気を付ける。そしてストロークでは上半身の動きでクラブを動かすように意識してみてほしい。
この2点を意識できれば、クロスハンドのメリットを生かしたうえで、安定したパッティングを身につけることができるだろう。