GOLF

2018.10.19

ゴルフプロのようなダウンスイングのタメの作り方をレクチャー

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム18回目。顧客の多くが国内外のエグゼクティブ、有名企業の経営者という吉田コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

吉田洋一郎

プロの連続写真のタメは力強く、美しい

ゴルフスイングの中でダウンスイングは最も力を加える必要があるポジションだ。プロの連続写真でダウンスイングのコマを切り取って見てみると、いわゆる“タメ”が作られており、飛ばしのパワーがみなぎっていると感じる人も多いはずだ。

技術的な話をするとこのタメ(腕とクラブによってつくられる角度)が深いほど、インパクトに対してクラブのリリースが強く速く行われるのでヘッドスピードが上がる。PGAツアーの飛ばし屋のスイングを見てみても、インパクト直前までこのタメをキープしていることが分かる。

これはヘッドスピードが飛距離に直結するドライバーはもちろん、アイアンでも必要な動きだ。アイアンショットでもタメを一気に開放することでヘッドスピードが上がりスピン量が増えて高い球を打つことができる。

しかし、アマチュアがこのタメを手元の動きだけで作ろうとすることは、そもそもできない上に危険だ。手首の角度を維持しようとするあまり、インパクトで手元が浮いてヘッドがボールに届かずにトップしたり、フェースが開いてプッシュアウトが出る可能性がある。ドライバーであれば振り遅れてプッシュスライスが出る可能性もある。クラブのリリースを妨げることにもつながり、逆にヘッドスピードを減速させてしまうことにもなりかねない。

ではアマチュアはどのようにタメを作るべきなのか。

手を身体から遠ざける

プロは意識してタメを作っているわけではない。ダウンスイングで自然にシャフトと腕に角度が生まれ、手首の角度がキープされた状態となる。タメを自然発生させるためのキーワードは“運動連鎖”だ。動きの順番が適切になることで、それぞれの部位が連動して効率的な動きになるというのが運動連鎖の考え方だ。つまり、どう動かすのかではなく、どの順番で動かすのかがポイントになる。ダウンスイングにおいて動きの順番が整うことで、自然と手首の角度は維持されタメができるようになる。

具体的には、切り返しは下半身、上半身、腕、そして最後にクラブの順番に動かす。加えて切り返し直後にグリップエンドを目標と反対方向へ動かし、身体から遠ざけるイメージを持つとよい。この動きを行う事で、より一層手首の角度ができてタメが作られる。

そして、この自然にできたタメはインパクトまでキープし続けようとしてはいけない。タメをキープし続けると手元が先行しすぎて振り遅れやフェースが開くミスが出るため、適切なタイミングでタメを開放し、ヘッドを加速させる必要がある。グリップのタイプにもよるが、ダウンスイングで左腕が地面と平行になったポジション以降、無理にタメをキープせずに手首のリリースを行ったほうがいいだろう。

練習の際にはシャフトが軟らかい練習器具や重たいロープを使って、下半身から切り返す動きの順番を確認するのがよい。シャフト部分がしなる感覚をつかむことでタメやリリースの動きがイメージできるだろう。

自分の手先の動きで角度をつけるのではなく、動かす順番とクラブを動かす方向によって自然とタメができるようになることを覚えておいてほしい。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=トータルゴルフフィットネス

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