ENTERTAINMENT

2022.02.08

新世代のカリスマが突き進む(sic)boy。ロックとラップの新境地とは?

(sic)boy

エモラップの第一人者lil aaron(リル・アーロン)など海外勢もゲストに

新世代のスターになり得る存在だ。1998年東京生まれのラッパー(sic)boy。

SoundCloudから名を上げた彼の特徴は、ロックとヒップホップの垣根を越える自在な表現にある。メロディアスなフロウでラップと歌を行き来するボーカル、耽美的なルックスと鮮烈な存在感も魅力だ。ルーツは小学生の時に出会ったL'Arc-en-Cielのhyde。その後、ラップに開眼した。プロデューサーKMとの出会いを経て2020年10月にリリースしたアルバム『CHAOS TAPE』は、海外シーンと同時代性を持ちつつ、東京の"カオス"を表現したジャンルレスな作風で評判を集めた。

今回のアルバムはLAで制作しエモラップの第一人者lil aaron(リル・アーロン)など海外勢もゲストに参加した勝負作。一聴して感じるのは"刹那の美学"ともいえるヒリヒリとした感触だ。「空虚」を意味するタイトルのとおり、どこか退廃的な世界観が描かれる。パワフルな重低音のビートにエモーショナルなメロディが映える「FLN feat.Jez Dior」や、ハイテンションなハードコアサウンドの上で叫ぶ「落雷feat. 釈迦坊主(KM Remix)」など迫力あるナンバーが並ぶ。東京の新たなシーンを牽引する存在として名乗りを上げる1枚だ。

(sic)boy

『vanitas』
add.some labels 豪華ゲストを迎えロックサウンドとエモーショナルなメロディでラップミュージックの新境地を見せる。

Tomonori Shiba
音楽ジャーナリスト。ロッキング・オンを経て独立。音楽やサブカル分野を中心に幅広く記事執筆を手がける。著書に『ヒットの崩壊』『渋谷音楽図鑑』がある。

TEXT=柴 那典

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2025年1月号

シャンパーニュの魔力

最新号を見る

定期購読はこちら

バックナンバー一覧

MAGAZINE 最新号

2025年1月号

シャンパーニュの魔力

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ1月号』が2024年11月25日に発売となる。今回の特集は“シャンパーニュの魔力”。日本とシャンパーニュの親和性の高さの理由に迫る。表紙は三代目 J SOUL BROTHERS。メンバー同士がお互いを撮り下ろした、貴重なビジュアルカットは必見だ。

最新号を購入する

電子版も発売中!

バックナンバー一覧

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる