電動化、自動運転、そしてAIの導入──。100年に1度の大変革期とされる自動車産業にあって、BMWもまた新しいフェーズへ移行しようとしている。同社の新世代BEVの第1弾が、ここに紹介する「BMW iX3」。このクルマに接すると、BMWが描く未来のクルマ(社会)が見えてくる。

“ノイエ・クラッセ”な電気自動車
「BMW iX3」は、同社が社運を賭けて開発した電動SUVだ。この表現が大げさではないことは、ゼロベースの新工場を設立したことのほかに、“ノイエ・クラッセ(新しいクラス)”という呼称が復活したことにも表れている。
元祖ノイエ・クラッセは、1961年に登場した「BMW1500」。のちの3シリーズの祖先となるスポーツセダンで、「駆けぬける歓び」というブランド・クレームも、このクルマの改良版の広告が初出だ。つまり、心が躍るドライビング・プレジャーを提供するという近代BMWのあり方を決定づけたのが元祖ノイエ・クラッセで、「BMW iX3」はそれと同様に大きな転換点なのだ。
外観、特にフロントマスクは、シャープな意匠と光を組み合わせることで、新しさを表現している。内装を見ると、新時代の到来がさらに強く印象づけられる。フロントウィンドウの下端は、運転席から助手席にわたって、BMWパノラミック・ビジョンと呼ばれる長さ約110センチの液晶スクリーンが伸びている。これによって従来のメーターパネルは完全に姿を消した。
航空機エンジンの会社という出自もあって、BMWのインテリアは飛行機のコックピットを連想させた。しかし、このクルマは宇宙船の操縦室を思わせる。「銀座のアップル・ストアまで案内して」と話しかけると、17.9インチの大きなセンタースクリーンに、素早いレスポンスでいくつかの候補が表示される。第一候補にタッチすると、3D化されたヘッドアップ・ディスプレイが、祖父母の手を引く孫のように懇切丁寧に案内してくれる。
前後に性格の異なるモーターを搭載することで実現する正確無比の操縦性や、引き締まっているのに浮遊感もある乗り心地などパフォーマンスも圧巻。
電動化、デジタル化によって「駆けぬける歓び」がさらに洗練されたのは予想どおり。しかし、よりエモーショナルになっていたのは想像をはるかに上回っていた。
BMW iX3 50 xDrive

ボディサイズ:全長4780×全幅1895×全高1635mm
車両重量:2330kg
システム・トータル最高出力:345kW
システム・トータル最大トルク:645Nm
リチウム・イオン・バッテリー容量:109.1kWh
一充電での走行距離(WLTC モード):906km
価格:¥9,820,000〜
問い合わせ
BMW カスタマー・インタラクション・センター TEL:0120-269-437




