第一線で走り続けるビジネスパーソンは、リラックスしたい時もあれば、気持ちを奮い立たせ、勝負に挑まなくてはいけない場面もある。本連載「オトコの"香印象"のつくり方」は、自分を効果的に演出する武器でもある香りを上手に纏い、単なる好みではなく、スーツを誂えるように、自分に合う香りを見つける指南書。第1回はラグジュアリーの象徴ともいうべきブランド、キリアンから珠玉の3本をセレクト。男性美容研究家の藤村岳がシーン別にベストな香りを紹介する。
真のラグジュアリーを体現するフレグランス「キリアン」3選
キリアンという香水メゾンを語るのに切っても切れない、ヘネシーというファミリーネーム。創業者、キリアン・ヘネシーは世界的なコニャックメゾン「モエ・ヘネシー」の御曹司である。祖父は世界のラグジュアリーブランドを傘下におさめる「LVMH (ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)」グループの創業者として知られる。
そんな由緒正しき出自の創業者キリアン・ヘネシーが、2007年に“By Kilian”という自身の名前を掲げてスタートした香水メゾンが「キリアン」だ。香水界のロールスロイスとも称され、上品でラグジュアリーな香りは、数多くのセレブリティから愛されている。フレグランスの歴史の長いヨーロッパにおいては比較的新しいブランドではあるが、真のラグジュアリーを知っているキリアン・ヘネシーだからこそ、体現できる香りと世界観で魅了しているのだ。
そんなキリアンからビジネスパーソンにお薦めしたい香りを3つピックアップする。
1.プレゼン前に纏うべき! 「コローニュ シールド オブ プロテクション」
まずは調香師カリス・ベッカーが調光した新作。直訳すると「身を守る盾」という意味だが、攻撃的なのではなく、むしろ安心感を与えてくれる香り。香りの盾に守られているからこそ、自由であり、不安がないというのだ。グリーンマンダリンとビターオレンジ、ミントの爽やかな幕開けから、アロマティックなローズマリー、レモンプチグレン、ネロリのハートノートを迎える。最後はウッディなドライダウンで締めくくられる香りは、プレゼン前に纏う香りとして最適。戦闘態勢だがリラックスして臨みたい、そんなビジネスシーンに不思議なくらいマッチする。ここぞという時の気合い入れに常備しておきたい1本。
2.デートに適したセンシュアルな香り! 「アップル ブランデー オン ザ ロックス」
次に大人の色気を演出するセンシュアルな香りをご紹介する。キリアンには夜を彩る香りがいくつもあるが、なかでもお薦めしたいのが「アップル ブランデー オン ザ ロックス」。ロックグラスを彷彿させるボトルデザインの“ザ リカーズ”コレクションのひとつで、キリアン・ヘネシー自身の血統を色濃く反映したコレクションだ。ニューヨークに旗艦店を出す時に調香師のシドニー・ランセスールが作り上げたもの。商品名にもある“オン ザ ロック”の要素を組みこみ、氷のようなクールな雰囲気を演出する魅惑的な香りは、一緒にいる人を酔わせてしまいそう。ベルガモットに、パイナップルのジューシーさとカルダモンのスパイシーさといった食べ物由来のアコードを加え、とてつもなくセクシーな仕上がりに。この香りで大人の夜をスマートに演出してみてはいかがだろうか。
3.心と身体を癒やす香り! 「バンブー ハーモニー オード パルファム」
上記2本はスイッチを"オン"にしてくれる香水だが、一方で、別荘に持って行きたくなるようなリラックスできる香りもある。「バンブー ハーモニー オード パルファム」がそれで、竹林のなかでスッキリとしたホワイトティを飲んでいるような穏やかな香り。ベルガモットやビガラード、ネロリの香りで始まり、次に続くシトラスやミモザで彩られたホワイトティーリーフの心地よい香りが実に落ち着く。この香りを身に纏えば、夏の暑さを忘れ、まるで森にいるかのような爽やかさを体感できる。注目したいのは、香水が肌に馴染んできてから香るグリーンの爽やかさと、イチジクの甘さを併せ持つフィグリーフの香り。ふわりと纏えばきっと調香師のカリス・ベッカーの狙いどおり、心と身体に穏やかさが染み渡る気分を得られるはずだ。
動と静。酸いも甘いもかぎ分ける大人のさじ加減がキリアンというメゾンの奥深い魅力であり、人気の秘密でもある。大人の余裕を感じる3つの香りで、自分を適切にプロデュースしてみてはいかがだろうか。
問い合わせ先
キリアン
ブルーベル・ジャパン香水・化粧品事業本部 TEL:0120-005-130(受付時間:10:00〜16:00 ※土日祝日除く)
男性美容研究家・美容コンサルタント藤村 岳
1973年東京都生まれ。雑誌編集者を経てその後独立。男性美容のパイオニアとして雑誌やテレビなど各メディアで活躍。経営者の個人カウンセリングやコスメのプロデュース、ブランドのコンサルティングも手がける。著書に『一流の人はなぜ爪を手入れするのか?』などがある。