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2022.02.05

【ARTISTS’ FAIR KYOTO 2022】予測困難な世界を生きるために今こそ、アートの力が必要だ

今年5回目となる「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2022」。アドバイザリーボードの新メンバーに就任した宮島達男氏が考えるこのアートフェアの意義、そして今アートが必要とされる理由とは?

Tatsuo Miyajima
1957年東京都生まれ。東京藝術大学大学院修了。ʼ88年ヴェネツィア・ビエンナーレ新人部門に招待され、デジタル数字を用いた作品で国際的に注目を集める。以来、国内外で数多くの展覧会を開催。代表作に「メガ・デス」などがある。©Anna Kucera

アーティスト主導で企画・運営・出品するという、世界でも類を見ないスタイルが大きな注目を集めているフェア「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2022」。今年5回目を迎え、新たにアドバイザリーボードに加わったのが日本を代表する現代美術家・宮島達男氏だ。東日本大震災後から続ける「時の海―東北」プロジェクトなどを通じ、社会とアートとの関わりについて考察してきた宮島氏は、新型コロナウイルスが世界にもたらした影響についてこう話す。

「コロナの脅威は、世界的なパラダイムシフトを起こしました。『世界をコントロールできる』と過信していた人間に対し、世界は予測困難で、決して支配できるものではないという事実を突きつけたんです。不可解で理不尽な現実にどう対応し、付き合っていくかが今、私たちに問われていると思います」

コロナがアートシーンにどんな影響を与えたかを、現時点で論ずることは難しいと言う宮島氏。しかし、ここ数年で感じているのが、制作されるアート作品の志向性の変化だ。

昨年の会場

昨年の会場の様子。気に入った作品はその場で購入することも可能だ。

「誰もがSNSを利用する社会になったことで見た目のインパクトがある作品、要は“いいね”がたくさんつくような映えるアートが力を持ちつつある。作品に込められたストーリー性やコンセプトで判断するのではなく、わかりやすいアートが好まれる傾向が強くなっているような気がしますね。効率を追い求め続ける世の中にあって、理解しにくいものは排除されていきます。世界はこんなにも理不尽で予測なんてできないのに、自分が理解できることだけで周りを固めて、それ以外はみんな蓋をしてしまう人が多い。でも、自分の理解を超えたものさえも一緒に抱えながら生きていくほうが、人間としてずっと豊かなのではないでしょうか」

パンデミックによって世界はコントロールできないものだと気づかされた今、その“わからなさ”と対峙し、自分なりに考えていくことが大事なのだ。

「そもそも、アートってよくわからないじゃないですか(笑)。わからないことが当たり前、ということを前提にアートと付き合いあれこれ想像することを続けていくうちに、少しずつ自分の世界が広がるんです」

清水寺

今年は初めての試みとして、清水寺でアドバイザリーボードによる展覧会も開催。

そのうえでより重要となってくるのが、実際に足を運んで作品を観るというリアルな体験だと宮島氏は話す。

「アートは視覚だけで楽しむものではありません。僕は高校生の時、東京から鎌倉の近代美術館までジョルジョ・デ・キリコの絵を観に行ったのですが、その時の記憶は鎌倉へと向かう高揚感や展示室の空気感、帰りに立ち寄った海の香りとともに今でも強烈に残っています。作品、空間、シチュエーション、観に行くまでのプロセスをも含めた体験こそが、“アートを鑑賞する”ということなんです」

アートの力を直に感じる唯一無二のフェア

今回アドバイザリーボードメンバーとして参加している「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2022」は、アートに出合い、そのエネルギーを体感する場として宮島氏も大きな期待を寄せている。また、ギャラリー主体の一般的なアートフェアと異なり、アーティストたちが若手を自ら推薦し展示・販売するのがこのフェア。その新しいシステムは、若手が羽ばたくきっかけになると同時に、アドバイザリーボードたちにも大きな刺激になっているという。

左:宮島氏は若手作家2名を推薦。「大和美緒の『RED DOT(BIO)』は絵の具の点を積み上げ、時間とともに増幅させ、引いて観た時にひとつの流れが見えてくる。持続した即興性を感じる作品です」 右:「1個1個小さな画像を映像空間にちりばめて、それがひとつの大きなストーリーとなって宇宙を醸しだしている」と評するのが、林勇気氏の作品「ATOM-i」。

「どういう視点、理由でその作家を選んだのか。実は、アーティストを推薦する側が試されている場でもあるんです。だから、僕を含めてアドバイザリーボードの皆さんは、相当気合を入れて選んでいると思いますよ(笑)」

未来の才能と、それを認める才能がともにエネルギーを昇華させる「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2022」。京都に足を運び、作品が放つ力を目の当たりにすることで、新たな価値観への扉が開けていく。この不確実な世界に立ち向かい、生き抜いていくためにも、今こそアートの力が必要とされているのだ。

 

ARTISTS’ FAIR KYOTO 2022
日程:2022年3月5日(土)、6日(日)〈清水寺会場は~13日(日)〉
メイン会場:京都府京都文化博物館 別館/京都新聞ビル B1
清水寺会場:音羽山 清水寺
時間:10:00~18:00〈清水寺会場は~17:00〉
料金:共通チケット¥2,400、学生¥1,000、高校生以下無料
※京都新聞ビル B1は無料
※3月7日以降、清水寺会場来場の際は観覧料¥600が必要
※清水寺本堂への入堂、参拝は拝観料¥400が必要
詳細はこちら

チケットの購入はこちらから!(現在オンラインにてチケットを販売中。共通チケットは2022年3月6日(日)まで利用可能)

問い合わせ
ARTISTS’ FAIR KYOTO実行委員会 TEL:075-414-4219(10:00~17:00/土曜・日曜・祝日休み)

TEXT=牛丸由紀子

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