断言しよう。今、自分のレストランリストに入れておくべきはカウンターの店だ。なかでもクリエイティヴなカクテルを提供するバーは絶対に行きつけにしておきたい。通えば通うほどパワーチャージできる、唯一無二のカクテルバーから、今回は東京・大手町の「VIRTÙ(ヴェルテュ)」を紹介する。
美徳の物語を閉じこめた一杯が、心を解放するホテルバー
フォーシーズンズホテル東京大手町の最上階に位置するバー『ヴェルテュ』のコンセプトは「Paris-meets-Tokyo」。アールデコ調の直線的なデザインがシックな店内の窓には夜景が広がり、1920年代のパリと東京が融合した華やかな空気が漂う。その中央を貫く8.2mのカウンターは、店内を見渡しながらラグジュアリーホテルらしい空気を満喫できるエリア。
「ホテルのバーということで気合いを入れなければ、と思う方もいらっしゃると思いますが、リラックスして現実逃避するような気持ちでお越しください」というヘッド・バーテンダーのキース・モッツィ氏のアドバイスに従えば、心地よいざわめきに包まれて日常の些事を忘れることができる。
店名のヴェルテュはフランス語で“美徳”の意。2022年夏には美徳にまつわる日仏の物語に着想を得たカクテルが12種類登場した。そのひとつ「ポムパピヨン」は、フランスの名作「レ・ミゼラブル」の主人公ジャン・ヴァルジャンの良心を目覚めさせたミリエル司教の美徳“信念”を題材としたカクテル。信念という花言葉を持つリンゴのブランデー(カルヴァドス)と国産のアップルワイン、隠し味にアプリコットジャムなどが使われている。
もうひとつのカクテル「宝」は、桃太郎の“勇敢”さを美徳とし、桃太郎神社がある愛知県産のウイスキー「碧州(へきしゅう)」をベースに、スイートベルモットやシャルトリューズ、電気ブランをブレンドした和製マンハッタン。その表面には、桃太郎が鬼ヶ島から持ち帰った財宝のように金箔が輝いている。
一杯のカクテルが伝える美徳の世界に浸り、心をリフレッシュさせたい。
ヴェルテュ/VIRTÙ
住所:東京都千代田区大手町1-2-1 フォーシーズンズホテル東京大手町39F
TEL:03-6810-0655
営業時間:12:00〜L.O.23:00(12:00〜17:00は予約可)
定休日:無休
座席数:66席、プライベートルーム1室(〜10名)
料金:カクテル ¥3,000〜、チャージなし