パリに店を構える気鋭の日本人シェフ・伊藤良明氏が赤・白それぞれのワインに合う悶絶レシピを考案。ポイントさえ押さえれば、本格フレンチがパパッと完成!
ワイン時間をより濃厚に!
開店からわずか5ヵ月、史上最速で2017年にミシュラン一つ星を獲得した、パリ16区「ラルケスト」。店を率いる伊藤良明シェフは、高品質な食材に徹底的にこだわり、素材の旨みを最大限引きだしたシンプルで独創的な料理が、パリジャンの心を摑んで離さない。
そんな伊藤シェフが一時帰国すると聞きつけ、ワインに合うレシピ企画をオファーしたところ、快く引き受けてくれた。
「コロナ禍で気分が沈んでしまう人もいるかもしれませんが、今はいろいろと見直す時期だと思っています。家での時間を充実させて、ポジティブな気持ちになってもらえたらと思って、レシピを考案しました」
テーマは、赤・白それぞれのワインに合う肉料理! ポイントさえ押さえれば、お店の味が自宅でも再現できるという。
「スーパーで手に入る食材が、ちょっとした工夫で食卓を彩る料理になるよう心がけて、工程も少なくシンプルにしました。ぜひ作ってみてください」
こんな料理が作れたら、自宅でのワインライフがもっと楽しくなるはず。伊藤氏が振る舞う料理を堪能しに「ラルケスト」を訪ねられるその日まで、自宅で擬似体験といきたい。
鶏胸肉のしっとりポッシェ サラダセザールの再構築 トリュフの香り
材料
鶏胸肉 1枚(150g)
ロメインレタス 1つ
茹で卵 1つ
菜花 1束
食パン 1枚
有塩バター 60g
パルメザンチーズ 適量
無添加ブイヨン 3g
トリュフオイル 適量
( A )
マヨネーズ 50g
生クリーム 22g
オリーブオイル 5g
パルメザンチーズ(粉チーズで代用可) 10g
白ワインビネガー 5g
作り方
①鍋でたっぷりの湯を沸かし、ブイヨンと塩ひとつまみ(分量外)を入れる。火から下ろし、常温に戻した鶏胸肉を入れ12~15分待つ。
②食パンを6mm角に切る。フライパンにバターを溶かし、パンを投入。きつね色になるまでじっくり焼く。出来上がったらザルにあげる。
③Aを混ぜ合わせてソースを作る。
④ロメインレタスを縦半分に切り、断面に3を塗って2を適量のせる。崩した茹で卵、パルメザンチーズ、菜花の花の部分を飾る。黒胡椒(分量外)をアクセントに。
⑤1はお好みで皮を剥ぎ、縦半分に切る。断面に塩ひとつまみとオリーブオイル小さじ1 (分量外)をふり、4に添える。
⑥全体にトリュフオイルを回しかけて完成。
牛肉のロースト べドロヒメネスとバルサミコ酢のアクセント
材料
牛塊肉(部位はお好みで、今回はランプ) 240g
菊芋など季節の根菜 100g
ベビールッコラ お好みの量
エシャロット 40g
ニンニク ひとかけ
牛脂(またはサラダ油) 大さじ1
オリーブオイル 24g
タイム 5cmほど
ローズマリー 5cmほど
イタリアンパセリ 10cmほど(ハーブは同量になるように)
( A )
シェリービネガー(ペドロヒメネス) 20g
バルサミコ酢 20g
作り方
①エシャロットをみじん切りにし、ボウルにAと合わせて1時間ほど置いておく。ハーブもみじん切りにしておく。
②菊芋はよく洗って一口大に切る。バター(分量外)をフライパンにあげ、弱火から中火でじっくり20分ほど焼く。
③常温に戻した牛肉の両面に塩ふたつまみずつ(分量外)をふる。
④中火で熱したフライパンで牛脂を溶かし、潰したニンニクの香りを立たせたら、3を入れ、牛肉の表面を裏表しっかり焼き付ける。
⑤くしゃくしゃにしたクッキングシートをフライパンと牛肉の間にかませる。
⑥180℃に余熱したオーブンに5をフライパンのまま入れ、12分ほど焼く。
⑦1とオリーブオイルを合わせ、ベビークレソンに絡ませる。
⑧6を半分に切り断面に塩ひとつまみ(分量外)をふる。2と7を添えて完成。