毎年恒例のゲーテレストラン大賞「ゲーテイスト」。今回も秋元 康さん、小山薫堂さん、中田英寿さん、見城 徹の食を愛する4兄弟が集結、ここ1年のお薦めのレストラン(全52店)を教えてもらった。47店目は、「頭で考えているわけではなく、身体のもっと深いところが自律的にそう要求するのだ」と村上 龍さんがエッセイにも書いた割烹。
村上 龍も絶賛していた粋な割烹文化を体感
ーー創業55年を越える大阪を代表する『浪速割烹 㐂川(きがわ)』。初代は浪速割烹を突き詰め大阪の食文化に貢献。後を継いだ上野修氏は、志摩観光ホテルの高橋忠之氏の下でフレンチの経験も積んでいる。広い視野で文化を継承する名店だ。
見城:ご主人の上野 修さんは二代目で、初代は、“浪速割烹とは”ということを突き詰めて、京都とはまた違う関西の味を残そうと尽力された方なんです。
小山:法善寺横丁ですよね?
見城:そう、石畳の風情ある横丁。佇まいもいいし、店に入った途端「美味しいものを食べさせてくれる店だ」って気持ちが上がるような空気感を湛えている。
秋元:行くようになったきっかけは?
見城:いや、最近やっと。というのも、村上 龍が大阪に行くと必ず『㐂川』に行くっていうエッセイを書いていたんだ。「頭で考えているわけではなく、身体のもっと深いところが自律的にそう要求するのだ」って。
秋元:浪速割烹っていう響きから、すでに粋な雰囲気が漂いますね。
見城:京都の公家料理に対して、大阪は商人の文化。無駄をなくすために工夫したり、京都のような利尻昆布を使った上品な出汁ではなく、真昆布を使って深い味わいにするそうです。
小山:大阪の伝統野菜も使われているとか。
見城:うん、僕が行ったのは冬で、最初に出された難波葱の摺り流しにいきなりノックアウトされたよ。河内蓮根や大阪金時人参、野生のクレソンなどの和え物、そして刺身の味の組み合わせには脱帽……。品はいいけど、勢いがあるし、文化も感じられる。板場、揚げ場、焼き場それぞれ自分の持ち場を守って仕事をしている職人さんを見ながらの食事、村上 龍の言わんとしていたことを体感できたよ。
Naniwa kappou Kigawa
住所:大阪府大阪市中央区道頓堀1-7-7
TEL:06-6211-3030
営業時間:12:00~14:00(L.O.13:00)/17:00~22:00(L.O.20:30)
休業日:月曜
座席数:カウンター23席、個室(座敷) 2室(大5~8名、小3~4名)
料金:コースは昼¥6,000~、夜¥15,000~
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