独特なデザインと高精度な機構を誇る「グルーベル・フォルセイ」。その画期的なタイムピースが生みだされる、スイス北西部の工房を訪ねた。
グルーベル・フォルセイの凄さを、スイスの工房で見た
30°に傾いたユニークな外観が特徴のグルーベル・フォルセイの工房は、時計の町として知られる、スイスのラ・ショー・ド・フォンにある。近未来的な印象の工房は、実は17世紀の農家を改築した新旧が融合された建物だ。内部には当時の木造建築の名残があり、鉄骨と組み合わさったイノベーティブな空間が広がっている。伝統と革新に満ちたこのアトリエは、グルーベル・フォルセイのオリジナリティ溢れる時計を象徴しているかのようだ。
グルーベル・フォルセイは、2004年にロベール・グルーベル氏とステファン・フォルセイ氏というふたりの天才時計師が創業し、2020年にアントニオ・カルチェ氏をCEOとして迎え入れた。カルチェ氏は、名だたるブランドの経営と再構築に携わってきた時計界の重鎮だ。
ブランド創業時に発明した、ふたつのトゥールビヨンを30°に傾けた「ダブル・トゥールビヨン30°」に始まり、数々の機構で特許を取得するグルーベル・フォルセイ。時計史に名を刻む独立系メゾンは、カルチェ氏の手腕により、新たなフェーズに突入する。
「ひとつのキャリバーの生産期間は5年のみです。2023年秋に発表した、8つ目の発明を搭載する最新モデル『トゥールビヨンカルダン』の製作数は5年間でわずか55個。所有できるのは、世界で約1億人にひとりという希少性を持ちます」とカルチェ氏は言う。彼の細部へのこだわりは、時に“クレイジー”とも称賛され、卓越したクリエイティヴィティは時計愛好家たちを驚愕させる。
「“クレイジー”といわれるひとつに、手作業による仕上げの美しさがあります。このハンドフィニッシングをはじめ、高い職人技術を追求するあまり、一般的な時計ブランドが数万本の時計を生産する間に、我々は200本程度しか製作できません。ですが、そこの妥協なきこだわりこそが私たちの信念であり、最大の魅力だと自負しています」
また、カルチェ氏はこのクオリティの継続、今後の事業拡大に向けて、若手の雇用と育成に力を入れている。製造ベースとなる工房を2025年までに、現在の約3倍の広さに増築する予定だという。
ブランドのキャッチコピーは“ART of INVENTION”。“発明の芸術”を謳い、卓越性と革新性を芸術の域にまで高めるのがコンセプトだ。比類なき未来遺産を生みだし続けるグルーベル・フォルセイの今後の動向は見逃せない。
1、世界30本限定!「YOSHIDA」とのコラボレーションモデル
ダブルバランシエール コンヴェクス YOSHIDAスペシャル
30°に傾く直径10mmのダブルテンプの調速機構をふたつ備え、6時位置と7時位置の間に見えるディファレンシャル機構で連結。人気時計店「YOSHIDA」とのコラボレーションモデルは、高密度なカーボンケースを採用した世界30本の限定版。ストラップを含めて全体がブラックトーンで統一されたなか、繊細なゴールドとシルバーの部品がポイントとなり、大人の上品さと武骨さを兼ね備える。
2、ブランド初のカーボンケースを採用した、シリーズ最小のケース径モデル
バランシエール コンヴェクスS2 YOSHIDAスペシャル
ケース径41.5mmとなる、「コンヴェクス」シリーズのなかで最も小さいモデル。コンパクトなダイヤルのなかに美しい機構がところ狭しと詰まる。グルーベル・フォルセイ初のカーボンケースを採用した、人気時計店「YOSHIDA」との特別コラボレーションモデル。通常の8倍となる約16トンの圧力で高密度を達成し、30°に傾斜したグルーベル・フォルセイの調速機構という複雑な形状を実現させた。
東京・銀座にグルーベル・フォルセイブティックが誕生
2024年春、グルーベル・フォルセイの世界初ブティックが東京・銀座にオープン。YOSHIDAスペシャルをはじめ、店内には貴重なモデルも揃う。日本を皮切りに、世界各国での展開を目指す。
問い合わせ
YOSHIDA 東京本店 TEL:03-3377-5401
名古屋 YOSHIDA TEL:052-243-5401