2019年の春に開催されたスウォッチグループの新作時計の展示会「Time to Move」にて発表された、メンズサイズの「HW エメラルド」。その美しいプロポーションや細部に宿る仕上げの美しさは、世界中のジャーナリストからも絶賛され、ハリー・ウィンストンにおけるドレスウォッチの最右翼として名乗りを上げることになる。この時計は、デザインと輝きで手元に華やかさを加えてくれる。まさにホリデーシーズンに最適な時計といえるだろう。
1932年にニューヨークで創業した“キング・オブ・ダイヤモンド”
数世紀に渡って受け継がれている時計文化を大切に守っている時計専業ブランドは、もちろん性能も品質も素晴らしい時計を作っているが、その一方で伝統に縛られがちなのも事実である。だから特別な時間を刻むための時計を探したいのであれば、ジュエラーズマニュファクチュールこそが最適であろう。ジュエラーとしての歴史と伝統、格式を備えつつ、時計製造にも本気で取り組むブランドであれば、“美と技”の両方を得ることができるからだ。
特に街中がきらめき始めるホリデーシーズンは、華やかな気分を盛り上げる時計が欲しい。今年はごくごく親しい家族や友人と過ごすことになるが、そういった特別な時間を分かち合うなら、丁寧に作られた美しい時計で手元を飾りたい。
ハリー・ウィンストンは、1932年にニューヨークで創業した名門ジュエラーであり、ダイヤモンドの品質に対する厳しい審美眼と世界最高峰のセッティング技術によって、“キング・オブ・ダイヤモンド”と称されるようになる。その美しいジュエリーたちは、多くの王侯貴族やセレブリティを魅了し、世界中の女性たちの憧れとなった。
そんな名門ジュエラーが時計製造の世界に参入したのは、意外と古くて1989年から。そして凄腕の時計師たちを起用した「オーパス」シリーズの成功によって、時計愛好家たちから熱狂的に支持される。2007年にジュネーブ近郊に近代的なマニュファクチュールをオープンさせ、'13年には世界最大の時計コングロマリット「スウォッチグループ」の傘下に入ることで、ハイレベルな時計製造を行うための地固めをしっかり行った。つまりハリー・ウィンストンは、ジュエリーにも時計にも本気のメゾンなのだ。
創始者ハリー・ウィンストンが愛したダイヤモンドカット
ハリー・ウィンストンはさまざまなメンズウォッチをラインナップしているが、ドレッシーに楽しむ定番モデルを選ぶなら「HW エメラルド」を薦めたい。創始者ハリー・ウィンストンが愛したダイヤモンドカットであり、ブランドロゴにもなっているほど特別な存在である「エメラルドカット」のフォルムをケースデザインへと取り入れたコレクションで、8角形のケースが特徴。まずはレディスウォッチとして誕生し、昨年、待望のメンズサイズが登場している。
特徴的なケースデザインは、すべての面をキレのある斜面に仕上げ、面と面がぶつかり合う稜線も美しい。この造形はダイヤルにも取り入れられており、ダイヤルの外周部分も斜面にカットされ、優雅な立体感を演出している。
ムーブメントは2種類用意しており、秒針なしのタイプがクオーツ式でセンターセコンドのタイプが機械式。さらにベゼルやラグにダイヤモンドをセッティングするモデルもある。ダイヤルカラーはブルーとシルバー。ダイヤルの中央から放射状に広がるサンレイ仕上げを施しているので、光があたると美しく濃淡を変化させる。
機能的にはシンプルなドレスウォッチだが、ケースのデザインやカッティング、色彩や仕上げなど、その神髄はディテールに宿る。ドレスシャツやニットの袖からチラリと見えるだけでも、パッと華やぐオーラがあるので、まさにホリデーシーズンの華やかな気分にふさわしいだろう。
「HW エメラルド」のメンズモデルは、ムーブメントは二種類だが、ケースサイズが1種のみ。機械式モデルには、シリコン製ヒゲゼンマイを備えるCal.HW2003を搭載し、センターセコンドタイプとなる。
「HW エメラルド 33㎜」のクオーツ式ムーブメントを搭載するモデルは、秒針がないので静かに時が流れ、優雅な雰囲気がある。