2025年4月14日(月)から開催される国内男子プロゴルフトーナメント「前澤杯 MAEZAWA CUP 2025」が、今までにない画期的な大会としてゴルファーの間で大きな話題となっている。大会を企画する前澤友作氏がトッププロの石川遼選手と語り合った。

新時代のトーナメントに見る、プロアマの正解
日本初のPGAツアー(ZOZO チャンピオンシップ)開催を実現した前澤友作氏が、またもやゴルフ界に新しい風を吹き込もうとしている。
国内男子ゴルフの2025年シーズンにおける新規開催トーナメントとして「前澤杯 MAEZAWA CUP 2025」が開催される。異例かつ初の試みとなるのが、本戦前日まで最大10日間にも及ぶプロアマが開催されることだ。
プロアマとはプロトーナメントにおいて、大会前や大会後にスポンサー関連の企業の方々がプロと一緒にプレイをするというものだが、主催スポンサーにとってはプロアマこそが重要と捉えている企業も少なくない。ただ今回、前澤氏が仕かける最大10日間のプロアマは参加券を購入するスタイル。さらに、プロアマ参加券購入者は一緒にプレイしたい選手をオークション入札方式で指名できるという、画期的なプロアマとなるのだ。
そこでこの新しい試みを仕かける張本人である前澤氏と、国内男子ゴルフを長年牽引してきた石川 遼プロのふたりに大会への期待や思い、さらにはプロアマとはどうあるべきかについて話してもらった。低迷する国内男子ツアーの人気回復の起爆剤となるのか。前澤氏が見据えるゴルフ界の未来とは――。
これまでの日本のゴルフ界の常識を覆す(前澤)
――まずは、このまったく新しいスタイルの大会の開催を決めた経緯について教えてください。
前澤 ZOZOの社長時代にアメリカのPGAツアーを誘致して「ZOZO チャンピオンシップ」を6年やらせていただきました。昨年で一旦区切りをつけて大会は終わり、自分自身もZOZOから退き新しいことをやるなかで、僕は本当にゴルフが大好きだから引き続きなんらかの提案だったり、協力だったりができればと考えていたんです。
ただ、決まったのが昨年の末で、2025年4月の開催という限られた時間のなかで何ができるかを議論させてもらい、プロアマをしっかりと売っていこうという企画になりました。

実業家。1975年生まれ。1998年スタートゥデイ(現ZOZO)を創業。2024年に株がもらえる新サービス「KABU&」を展開する会社、カブ&ピースを設立した。2019年に日本で初めてとなる世界最高峰のゴルフトーナメント、PGAツアーを誘致し、ZOZO チャンピオンシップを開催。自身も大のゴルフ好きでベストスコアは69。
――異例となる最大10日間のプロアマという発想にはどのような狙いがありますか?
前澤 どうせやるなら個性的でユニークなものにしたいという思いがありました。それと今のゴルフ界、特に国内男子ゴルフが抱える課題を解決すること。このふたつにフォーカスして前澤杯で何ができるかを考えました。
今のゴルフ界を見ていると、正直、あまりお金が回っていないように見えます。年々スポンサーが離れたり、賞金が下がったり、試合数が少なくなったり。選手のクオリティは確実に年々上がっていて、それは海外で活躍する選手を見ても明らか。にもかかわらず経済的に疲弊して、盛り上がっていないということが課題だと考えています。そこをどうクリアするかが今回の前澤杯のテーマでもあり、その手段のひとつがプロアマの販売ということです。
石川 確かに前澤さんが言うようにプロのレベルは上がっているし、勢いのある若い選手も増えています。当たり前ですけどみんな頑張ってゴルフに取り組んでいますが、それが男子ゴルフの盛り上がりとリンクしていない実感はありました。
僕も含めて多くのプロがたくさん試合を開催してほしいと思っていますが、そのためには開催する側にもメリットがなくてはいけません。要はウィンウィンでなければならない。そこが課題だと思っていましたが、そんななかで今回の前澤さんからの提案に身が引き締まるというか、いい意味でゾクゾクする感覚を持ちました。

プロゴルファー。1991年生まれ。2007年に15歳で国内男子ツアーを制し、翌年プロ転向すると、2009年には18歳の史上最年少賞金王に輝く。長きにわたって日本ゴルフ界を牽引。昨年は史上12人目となる国内男子ツアー通算20勝目を飾るなど、中心選手として邁進中。現在、JGTO理事、選手会副会長を務める。
前澤 常識的にプロアマを10日間もやらせてもらえるのか、選手の体力は大丈夫かなど課題はありましたが、石川プロや他の選手にもヒアリングさせてもらうと「頑張りたい」と言ってくれたので。ユニークかつゴルフ界の金銭が回っていない疲弊感がある状況を同時に解決できる大会にしたいという思いから、このようなコンセプトが生まれました。
石川 今回の大会では男子プロと一緒に回れることがどれだけ価値があるのかがわかるわけで、自分たちの仕事(ゴルフ)をどう見られて、どう評価されるのか。そしてどれだけ求められているかがわかる大きなチャレンジだと感じています。
今までは自分たちのゴルフがファンにどう届いているのか不透明な部分がありましたが、いい意味でも悪い意味でもそれがわかる機会だと思っています。ただ、今までの流れを逆転させるチャンスになるとも思っているのでプロはみんな本当に楽しみにしています。
自分たちの価値を知ってもらえる大きなチャレンジ(石川)
――アマチュアがお金を出すわけですから、プロはどのようにもてなせばいいのでしょうか?
前澤 よくプロ側の選手のホスピタリティが大切みたいなことを言いますが、僕はまったく気にしていません。自然でいいと思いますよ。変にペコペコされても嫌ですし、自信を持っていつもどおりプレイしてもらいたいです。
石川 前澤さんの自然でいいという言葉が本当に嬉しいです。
前澤 僕は選手には堂々とプレイしてもらいたい。それだけです。僕自身もこれまで多くのプロゴルファーと回っていますけれど、皆さんコミュニケーションはきちんと楽しく取れるし、素敵だし、今のままやってもらえれば全然構いません。今後のプロアマの価値を上げていくという考え方のなかで、プロの礼儀とか作法ってそこまで気にすることはないと思っています。
要はいいプレイ、いい球を一球でも多く打ってということ。アマチュアはそこを見に来ているんですから。実際にプロと回ると今まで以上に絶対にゴルフが好きになるはずです。
石川 自分たちの仕事を見せる。自分たちが積み重ねてきたものを見せるだけでいい。そもそも球を打たせたら一番上手い人たちの集まりなので、そこを全力でやっていくということを改めて感じましたし、楽しんでもらうことの大切さを今回のプロアマで、僕らも感じることができると思っています。
僕はこれまでも海外でプロアマに参加しましたが、日本のものとは別物という感覚があります。スマホでスイングを撮影したり、一緒に写真を撮ったりコミュニケーションは取るんですが、基本的にプロに何かを期待している気配がまったくない。「俺たちは俺たちのゲームを楽しむから明日のための準備をしてくれ」というフランクな雰囲気のなかで、みんなが楽しんでいるのが印象的でした。

前澤 アマチュアもプロも楽しまないとね。
石川 今までになかった誰でも参加することができるプロアマです。僕もジュニアの時にプロと回って、ショット時に地面が揺れたということがありました。その衝撃を今でも覚えています。これがプロなのかと。それは同じ場所に立たないとわかりません。ぜひそれを体験してほしいです。
前澤 ただ、あまりのプロのすごさにガックリくる人もいるかもしれませんが(笑)。とにかくこれまでの常識を覆す大会になることは間違いないから、石川プロ、一緒に盛り上げていきましょうね。
石川 はい! 僕らも精一杯頑張りたいと思います。
前澤杯 MAEZAWA CUP 2025 プロアマ概要

開催日:2025年4月14日(月)~23日(水)
コース:MZ GOLF CLUB
競技方法:18ホールストロークプレー/スクランブル形式(予定)
スタート:開始予定時刻 6:00~
チケット:¥1,000,000~(1組最大3名)
※3名以下での参加、また見学者も最大3名まで帯同が可能。オークション形式で選手を指名できる。
\ゲーテの注目!/
「前澤杯 MAEZAWA CUP 2025」が開催されるのは、千葉県長生郡に位置する前澤友作氏所有のプライベートコース。つまり今大会が初披露。ここでプロと一緒にプレイできるチャンスを逃してはいけない! 100万円(3人で回ればひとり30万円強)は高くないどころか格安だ!!