多くのイベント開催が難しくなった今、新しいコンサートのカタチとして、リアルタイムで全世界をつなぎ、自宅にいる観客に最高のパフォーマンスを届ける『Beyond LIVE（ビヨンド ライブ）』が注目されている。韓国発のオンラインライブは4月にスタートし、去る５月24日、日本でも圧倒的な人気を誇る東方神起が圧巻のパフォーマンスを披露した。オンラインライブの魅力、そして今後の可能性を探る――。
日本デビュー15周年・東方神起初のオンラインライブ
今年4月に日本デビュー15周年を迎えた2人組アーティスト・東方神起。東京ドーム公演などを予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で見送られていた。そんな中、東方神起のチャンミン（32）とユンホ（34）は、自身初のオンラインライブ「Beyond LIVE-TVXQ!Beyond the T」を開催。韓国から全世界に生配信された。
ヒット曲「呪文-MIROTIC-」でスタートし、「Rising Sun」や「Before U Go」などを披露。日本のファンへ向けて、日本発表曲「ANDROID」なども含めた計14曲を熱唱し、約2時間半、世界中のファンを魅了した。
圧倒的なパフォーマンスを披露するチャンミン（左）とユンホ（右）＝韓国
最新技術を駆使・世界初の「オンライン適合型コンサート」
ライブは、所属するSMエンターテインメントとNAVER社がタッグを組んだ世界初のオンラインライブ専用有料配信サービスで、字幕は13ヵ国語に対応。公演中は常に、チャットで「コメント」や「いいね」のハートを送ることができる。またAR合成技術など最新技術を駆使し、躍動感あふれるステージを披露。「Why?（Keep Your Head Down）」ではヘリコプター、「明日は来るから〜TOMORROW Version〜」では巨大なクジラがステージを浮遊するなど、ARグラフィックならではの幻想的な世界観でファンを魅了した。
曲が終わった直後には、肩で息をしながらトークする2人の姿がアップで映し出され、つい先ほどまでパフォーマンスをしていた熱気が画面からも伝わってくる。額の汗で乱れたユンホの前髪をチャンミンがそっと直す姿に「お水飲んで〜」とファンからコメントも送られた。
生配信だからこそできるファン参加型の仕掛け
オンラインならではの試みも――。事前抽選で選ばれた約200人のファンは、まるで会場にいるかのようにステージのLED画面に映し出され、ライブ中盤では4人のファンから質問を受けるビデオトークが行われた。日本のファンからの「ライブ前のルーティンは？」との質問に、「いつも大事な仕事の前は冷たいシャワーを浴びます」とユンホが答えると、ファンからは歓声が。さらに「We are T」という掛け声をファンと同時に叫ぶチャレンジも成功し、一体感のある会場が作り上げられた。遠く離れた場所からも参加でき、直接やりとりするチャンスがあるのもオンラインの強みだ。
楽しみ方が変わる！ 新感覚ライブの可能性
生配信終了時には、コメント投稿数60万件、「いいね」が2億2700万回を超える反響となった。チャンミンが「大変な時期ですが、必ず明日は来るから。みんなで乗り越えましょう」と呼びかけると「明日はきます！」「頑張ります！」とファンから多数のコメントが。
なかでも印象的だったのが、「子供と一緒に見ています」や「小学６年生です」といったコメントだ。今回のオンラインチケットは一般¥3,700（ファンクラブ会員¥3,000）と、大型ドームで行われるライブの3分の1ほどの価格。これなら子育てや体調、距離の関係で会場に足を運ぶことが難しい人や、若い人がお小遣いをやりくりして、気軽にライブを楽しめるというわけだ。
大型ドームでの公演が再び楽しめる日が来ることを願うと共に、オンラインライブは、新しい形として、日本のエンタメ業界にも定着しそうだ。
Beyond LIVE
4/26より新しくスタートした世界初の「オンライン適合型コンサート」。圧倒的なパフォーマンス、高度なAR技術とリアルタイム3Dグラフィック技術を活用した躍動感あふれる舞台演出が特徴。公演中継の映像とペンライトがリアルタイムで連動する、シンクプレイサービスも備えた新概念のオンラインコンサート。
