今さら聞けない! 機械式腕時計7大機構<永久カレンダー編>

クロノグラフ、トゥールビヨン、永久カレンダー、ムーンフェイズ、パワーリザーブ、ミニッツリピーター、レトログラード。いつの時代も大人の男たちを魅了し続けてきた機械式腕時計には、こうした数々の革新的な「機構」が存在する。時計好きを公言しているあたなは、本当にすべてを理解しているだろうか? 今さら聞けない基本的な機構を、時計ジャーナリストの篠田哲生氏が徹底解説する。第3回は「永久カレンダー」。


【永久カレンダー】

古代エジプト人は、太陽を克明に観察することで、太陽が東の空から上がってくる(1日)現象を、365回繰り返すと同じ季節が巡ってくる(1年)ことに気が付いた。さらに星や月を組み合わせて記録をつけることで、実は1年問というのは、365.25日であるということを理解した。

この暦をきちんとまとめ、ルール化したのが、紀元前に活躍したローマ皇帝ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)であった。彼は紀元前45年に「ユリウス暦」を発令。これは12が月を30日の月と31日の月に分け、年末扱いだった2月を日数調整に用いるものだ。

その後、ユリウスの後を継いだアウグストゥスを称えるために、彼が政務官についた8月も31日として調整し、1月=31日、2月=28日(29日)、3月=31日、4月=30日、5月=31日、6月=30日、7月=31日、8月=31日、9月=30日、10月=30日、11月=30日、12月=31日という日の並びが完成する。

しかし、この暦が1600年近く運用されていくうちに、やはり何日分のズレが生じることが分かった。そこでローマ教皇グレゴリウス13世が、1582年に「グレゴリオ暦」を制定。これはズレを修正するために、「西暦紀元(西暦)の年数が、100で割り切れるが400では割り切れない年は、平年とする」という閏年のルールを加えたもの。これが現在まで使用されるカレンダーのルールである。

永久カレンダー機構は、こういった複雑な暦の定理をすべて歯車とレバーのみで表現するカレンダー機構のこと。数百年後の未来まで計算されているというロマンに溢れた時計であり、孫子の代まで受け継いでいく価値がある。


注目の永久カレンダーはこの1本!

PATEK PHILIPPE
永久カレンダー搭載クロノグラフ5270P
1839年の創業以来、多くの王侯貴族に愛されてきた最高峰ブランド。家族経営を貫くことで伝統を大切に守っており、完璧な製品作りを目指すための自社規格「パテック フィリップ シール」を考案した。このモデルは、永久カレンダー機構に美しい手巻き式クロノグラフを融合。完璧なシンメトリー配置の端正なダイヤルに惚れ込むファンが多い。4-5時位置のインジケーターは閏年表示で、7-8時位置はナイト&デイ表示。プラチナケースモデルのため、ケースの6時位置下部にダイヤモンドが入る。

手巻き(Cal.CH 29-535 PS Q)、2万8800振動/時、パワーリザーブ最大約65時間、PTケース、径41㎜。¥20,380,000(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター TEL 03-3255-8109)


Text=篠田哲生


【トゥールビヨン】


【クロノグラフ】