サイバーセキュリティーの革命児  足立照嘉氏が断捨離して残した3本の腕時計

 どんなにたくさん時計を持っていても結局つける時計は数本だ。自身の時計コレクションを15本から3本へ断捨離したサイバーセキュリティー企業 代表取締役社長 足立照嘉が最後に選んだのは?

左:HUBLOT(アエロ・バンオールブラック ブラックダイヤモンド) 中:PATEK PHILIPPE(カラトラバ 5196) 右:PATEK PHILIPPE(アクア・ノート トラベルタイム5164A)

HUBLOT
アエロ・バンオールブラック ブラックダイヤモンド
 シックな雰囲気のパテック フィリップの2本に比べ、存在感抜群の1本。「ウブロの時計は特別。今までも何本か買ってきましたが、他のブランドの時計とは違う魅力があります。ウブロをつけると自分のなかでスイッチが入る感覚になるんです」。ちなみに足立さんが読んだジャン-クロード・ビバーさんの本は、『成功者はなぜウブロの時計に惹かれるのか』(幻冬舎)。

PATEK PHILIPPE
カラトラバ 5196
 シンプルかつ上品なデザインながら、見れば見るほど完成度の高さを感じる。「カラトラバ」は、名門パテック フィリップを代表する永遠の名品と言っていいだろう。足立さんも断捨離の際、この時計だけは絶対に手放せないと思ったという。「仕事でつける時計の条件は目立たず薄型であること。『カラトラバ』はその条件を満たしつつ上品さを醸し出してくれます」

PATEK PHILIPPE
 アクア・ノート トラベルタイム5164A
一見無骨なデザインながら、どこかモダンでエレガントな雰囲気も漂う。「アクアノート」は「ノーチラス」と並ぶパテック フィリップを代表するスポーツモデル。「ビジネスでも遊びのシーンでもシチュエーションを選ばず使えるのが『アクアノート』。変に目立ったりしないので気に入っています。デュアルタイム表示なので、海外出張の時にもすごく便利です」


足立照嘉が、この3本を残した理由とは?

 爽やかなブルーのスーツにきちんと手入れされた黒のストレートチップシューズ。誠実かつ実直な雰囲気が漂う。足立照嘉さんは、30カ国以上で事業展開するサイバーセキュリティー企業の社長だ。30歳代の若さでありながら、推定年収は1億円以上。そんな彼にとって時計は、「つけていないと落ち着かない」アイテムだという。

 「僕は3歳の時からコンピューターをおもちゃにして遊んでいたんですが、機械式時計はその頃のコンピューターと同じ"メカ"の匂いがします。僕にとって機械式時計を身につけるのはアートをリビングに飾るような感覚。つけるだけで、芸術の一部になったような気分になれます」

 海外での仕事も多い足立さんにとって、時計は"時を刻む"以上の意味合いを持つ。

 「日本だと若い人でも高級時計をつけたりしますが、アメリカでは、経験則から、持っている時計は年収の100分の1の価格が妥当。高級時計をつけているのは成功者の証なんです。ホテルでも時計を見て、部屋をアップグレードされたこともあります。どんな時計をつけているかによって、どういう世界に生きているか、安定した経営を継続できているかということを仕事相手に示すことができる。ビジネス上でも重要な役割を担っていると思います」 

 仕事を始めた23歳の時に購入したオメガ「スピードマスター」を皮切りに、カルティエやロレックス、ハリー・ウィンストン、ピアジェなどさまざまな時計を購入してきた。

悩みに悩んだ断捨離の結果、残った3本

 「最近、思いたって必要ないと思ったものを、知人にあげたり譲ったりしたんです。15本を3本に絞りました。これだけあればどんなシーンにも対応できるんじゃないかと思って」

 悩みに悩んだ断捨離の結果、残ったのが写真(上)の3本だ。

 「仕事でお会いする相手は、金融機関や官公庁の人が多い。だからあまり主張の強いものではなく、上品な時計がいいんです。そうなるとやっぱり『カラトラバ』が一番。でもビーチにTシャツ、短パンで行くなら『アエロ・バン』。『アクアノート』はその中間。ビジネスでも遊びでも使えるので重宝しています」 

 なかでもウブロの時計には、特別な思い入れがある。

 「ジャン-クロード・ビバーさん(現LVMHグループ ウォッチ部門プレジデント)の著書を読んで、ビバーさんに興味を持ったんです。それでファンレターのようなメールを送ったら本人から返信が来て。そこから交流が始まり、スイスでお会いできた。その本にウブロをつけると幸運が訪れるということが書いてあったんですが、実際ウブロを買ったらさまざまな幸運に恵まれた。僕のラッキーアイテムなんです」

 自分のアイデンティティーを示し、幸運を招き入れる。足立さんにとって、時計はそんな"魔力"を持った存在だ。

 「とは言っても、リシャール・ミルとパテック フィリップ『カラトラバ』の新作は、ちょっと気になっているんです......」 

 どうやら物欲までは断捨離できなかったようだ。

TERUYOSHI ADACHI
サイバーセキュリティー企業 代表取締役社長大学院在学中にサイバーセキュリティーの会社を起業。現在、30カ国以上で展開。豊富な経験をもとに『サイバー犯罪入門(仮)』(幻冬舎新書)を鋭意執筆中。

Text=川上康介 Photograph=星 武志(estrellas)

*本記事の内容は17年6月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)