科学者の好奇心を掻き立てる腕時計5選 【職業別最強腕時計のススメ③】

多種多様な腕時計の中から、職種ごとに親和性のあるモデルをチョイス。つまりは、そのキャラクターを語るうえでの代名詞となるような特徴を備えた腕時計にフォーカスを当てていく。第3回は、挑戦心と創造力で未来を切り開く科学者の場合。


最先端の素材、革新的な技術に裏打ちされた腕時計

日々の研究データを積み重ね、片時も挑戦を止めない。その姿勢が生み出す革新的な素材、技術。ウォッチメイキングとは、ある意味で科学そのものとも言えよう。未来を切り開く科学者にこそ、身につけてもらいたい時計があるのだ。

BELL & ROSS
BR V2-94 ベリータンカー

自動巻き、CuAl7Si2ケース、径41mm。¥620,000(ベル&ロス ジャパン TEL 03-5977-7759)

飛行機の機体やクルマを実際にデザインするなど、腕時計の世界から逸脱するほどの創造力を駆使し、新たな可能性を探るベル&ロス。こちらは戦闘機のエンジンと4輪をドッキングして作り出したレーシングカー「ベリータンカー」から着想を得た腕時計の、さらなる進化版だ。今作のケースは素材に特殊なブロンズを採用し、経年変化を防ぐ試みが。そんなテクニカルな挑戦も、サイエンティックな好奇心を刺激する。


IWC
パイロット・ウォッチ・ダブルクロノグラフ・トップガン・セラタニウム

自動巻き、セラタニウムケース、径44mm。¥1,560,000(IWC TEL 0120-05-1868)

高水準の設計から、米国海軍の戦闘機戦術教育プログラム”トップガン”の名が付けられたパイロットウォッチ。その武骨かつスタイリッシュな1本の根幹を、IWCが新たに開発した素材「セラタニウム®」が担っている。チタニウムとセラミックの特性を兼ね備えた同素材を使うことで、耐摩耗性や耐傷性と同時に耐腐食性も向上。さらには一切のコーティングを施すことなく、すべてのコンポーネントにおいて漆黒のルックスを手にした。


ZENITH
デファイ エル・プリメロ21カーボン

自動巻き、カーボンケース、径44mm。¥2,030,000(ゼニス TEL 03-3575-5861)

世界初の高振動自動巻きクロノグラフ「エル・プリメロ」が発表されたのは1969年のこと。その革新性を今に伝える最新型のエル・プリメロ21は、当時の1/10秒の精度を1/100秒にまで高め、新たな伝説を作っている。そのムーブメントを包み込むのが、幾層ものカーボンファイバーで作られたケース。軽量かつ耐久性に優れながら、光を反射することで独特な視覚効果を生む。内面と外見で新時代を告げる、圧倒的な1本だ。


TAG HEUER
タグ・ホイヤー オータヴィア アイソグラフ

自動巻き、SSケース、径42mm。¥385,000(LVMHウォッチ。ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー TEL 03-5635-7054)

1933年にダッシュボード計器として誕生した「オータヴィア」。その最新作は、大きな革新を提供する。COSCのクロノメーター認定を受けた「キャリバー5」を搭載するが、その心臓部には軽量で低密度のカーボンコンポジット製ヒゲゼンマイを世界で初めて採用。実質的に重力や衝撃の影響を受けず、精度の向上も果たした。これを設計・製造したのは開発者のギィ・セモンを筆頭とした科学者や数学者からなる特別チーム。そんな背景にも心動かされる


RADO
ラドー トゥルー オープンハート

自動巻き、ブラックハイテクセラミックスケース、縦47.3mm×横40mm。¥220,000(ラドー TEL 03-6254-7330)

近年、独特の温かみを持つセラミックスをケースに使った腕時計が多数発表されているが、その第一人者と言えるのがラドー。医療や航空などプロフェッショナルな分野でのみ使用されていたハイテクセラミックスを用いて業界に衝撃を与えたのは、かれこれ30年以上前に遡る。今作は、そのフロンティアスピリットを継承し、ブラックハイテクセラミックスをケース素材に使用。複雑にカットされたダイヤルからスイス製ムーブメントが覗く様も、どこか未来的。

Text=増山直樹 Illustration=竹田匡志