音楽家・大沢伸一の愛用ロレックス「1960〜70年代の工業製品としての魅力」

ロレックスに魅せられてしまった者は、ただひたすらその王冠を追い求める。このブランドのどこがそれほど彼らを夢中にさせるのか? 正確で丈夫で端正。でもそれだけではない。男たちを虜にするロレックスの秘密に迫るべく、愛用者たちの物語を取材。彼らがロレックスに心惹かれる理由とは――。。


上:1960年製 GMTマスター Ref.1675
右:1970年代前半製 コスモグラフ デイトナ Ref.6263
左:1967年製 エクスプローラー Ref.1016

上:Ref.1675最初期のモデル通称"OCC"。文字盤やベゼルの灼け具合によってヴィンテージとしての価値も変わるそう。右:手巻き時代のデイトナの最人気モデル。初期に作られた「デイトナ」の表記がない文字盤。1970年から’88年と長期にわたって作られていたため、時代によってディテールが異なる。左:文字盤の素材が変わる’67年の最初期だけ製造されためずらしいデザイン。アラビアンインデックスが太字であることが特徴。

工業製品としての完成度と個体差の矛盾が魅力

「サイズ感や物としての簡潔さ、そういう理由から結局ヴィンテージのロレックスに行きつきました」

音楽家の大沢伸一氏は時計に限らず、’60〜’70年代の工業製品に強いこだわりを持っている。ヴィンテージロレックスもそのひとつだ。

「’50〜’70年代のロレックスは、工業製品としての完成度を持ちながら、職人の技術に支えられていた側面もあって、同じ時代の同じモデルでもパーツの仕様など意外と個体差があるように思います。その辺りも好奇心を掻き立てられるポイントです」

大沢氏によると、ヴィンテージロレックスは、モデルチェンジ直後の初期製品に"個性的なイレギュラー"が多く存在するそう。そこには、その時代ならではの趣深いディテールの微差が存在する。

「ロレックスは完璧を求める。だからこそ初期モデルには試行錯誤のあとが見られると思うんです。パーツの仕様、デザイン、色、等々、少しだけ違っているのが面白い。そのトライ&エラーにロレックスらしさを感じるんです」


Shinichi Osawa
音楽家。1967年滋賀県生まれ。MONDO GROSSOやソロとしての活動のほか、広告音楽やサウンドトラックの制作、ミュージックバーのプロデュースなど幅広い分野で活躍する。

Text=川上康介 Photograph=鈴木泰之(時計)