ある証券マンのロレックス偏愛コレクション

ロレックスに魅せられてしまった者は、ただひたすらその王冠を追い求める。このブランドのどこがそれほど彼らを夢中にさせるのか? 正確で丈夫で端正。でもそれだけではない。男たちを虜にするロレックスの秘密に迫るべく、ロレックスを何本も持つ、偏愛家の私物コレクションを拝見。


ヴィンテージでも手入れをすれば普段使いできる

ロレックスを本格的に集め始めたのはわりと最近だと話すD・S氏。識者ならひと目でわかる、コレクタブルな手巻きデイトナを数本所有する現役の証券マンがロレックスに惹かれる理由は、類まれな実用性にあるという。

「若い頃から古い時代のプロダクトが好きで以前はギターを集めていました。旧車にも興味があるけど、不便さを考えだしてしまうと購入にはいたらない。その点、ロレックスはヴィンテージでもメンテナンスし続けることで普段使いできる点が魅力」

年々高まるロレックスの資産価値についても、どこまでもクールな姿勢を崩さず、このような意見を述べる。

「時計を所有する喜びは、必ずしも値段に比例するとは限らない。それよりも時計を手に入れるまでのストーリーを楽しむ方ほうが、しっくりきます」


D・S氏の偏愛コレクション

上右:1963年製
コスモグラフ デイトナ Ref.6239
デイトナマニアから"ル・マン" の呼び名で親しまれている、Ref.6239のファーストタイプ。アメリカのコレクターに約1 年間ラブコールを送り続け、ようやく手に入れた思い入れのある逸品。

上中:1970年製 コスモグラフ デイトナ Ref.6265/8
レアさではポール・ニューマンダイヤルを凌ぐ、最初型のRef.6265/8。D ・S 氏は、ベゼルをプラスチックに変えて楽しんでいる。

上左:1961年製 GMTマスター Ref.1675
市場での評価が高い、ブラウンに変色したダイヤルが魅力の「GMTマスター」Ref.1675。

下右:1965年製 クロノグラフ Ref.6238
文字盤にタキメーターを備える、デイトナの前身にあたる"プレデイトナ"。流通が極端に少ないため、黒文字盤は絶大な人気を誇る。

下左:1972年製 GMTマスター Ref.1675
Ref.1675のなかでも最も入手が難しい1 本だと囁かれている、文字盤にアラブ首長国連邦の国章がプリントされた稀少モデルも所有。


D・S氏
証券会社勤務。ロレックスの購入は、デイトナの自動巻きモデルRef.16520から。一度すべての時計を手放したが、約4 年前からヴィンテージの収集を再開。選りすぐりの個体を7~8本所有。


Text=戸叶庸之 Photograph=藤本憲一郎[A.K.A]