仕事で得する腕時計とは?【国産時計ブランド編】

高級時計とひと口に言っても、哲学や表現される世界観は千差万別。この世にあるメーカーをすべて把握するのは骨だろう。 そこで、高級時計をはじめて手に取るビギナーに向けて、編集部が20ブランドを厳選。 ブランドごとに「仕事で得する」お薦めモデルを厳選し、解説を添えた。 はたしてヤングエグゼクティブの腕元には、どんな時計が似合うのか。 まずは、このカルテから理解を深めて、自分にフィットする1本を選ばれたい。今回は日本が世界に誇る国産時計4ブランドのお薦め時計をそれぞれ紹介する。


①グランドセイコー

世界に向け、独立したグローバルブランドに
昨年、セイコーのハイエンドラインとして愛されていたグランドセイコーが、独立ブランドとしてリローンチ。そこに垣間見えるのは、端的に集約されたセイコー自体の歴史と言ってもいい。例えば、1967年に完成された「セイコースタイル」と呼ばれる、独自の美学に基づいたデザイン。そして、機械式だけでなく、高精度クオーツやスプリングドライブなどにも代表される精度の追求。あるいは、セイコーとして達成した高防水性などの技術力。これらが融合するコレクションは、「メイド・イン・ジャパン」の実力を世界に発信するのに十分。「エレガンス」「ヘリテージ」「スポーツ」の3本柱は、それぞれ未来のエグゼクティブにふさわしい存在感を放っている。

GRAND SEIKO[グランドセイコー]
[創業年] 1881年
[創業者] 服部金太郎
[創業地] 日本/東京
[CEO] 服部真二
[アンバサダー] 天海祐希、大谷翔平など
[トリビア]「忍者向けの手裏剣型腕時計発売」のフェイク広告が昨年話題に。

SBGJ201
グランドセイコーを代表する10振動ムーブメントにGMT機能を付与した「キャリバー9S86」を搭載。日本のビジネスマンが好むと言われるメタルブレス×白ダイヤルという王道の組み合わせは誠実さも滲ませる。雫石工場そばの岩手山を模したパターンがデザインされたダイヤルも魅力。

自動巻き、SSケース、縦46.2×横40mm。¥670,000

【①グランドセイコーのほかの時計はこちらから⇩】


②カシオ

世界に先駆ける独創的なマルチ機能が魅力
時計製造は1974年からと日本でも後発ながらも、今や世界に誇るジャパンウォッチ御三家に。時計の枠を超えた独創的な技術に特色がある。ビジネスユースとなるとブルーを基調とした「オシアナス」が人気だ。複数のモーターが生むハイパワーで多様な使命を負った針を作動。リュウズの操作で瞬時に表示を切り替えるスマートアクセスを備えるなど、ジェットセッターにも愛される。カジュアルなタフウォッチ「Gショック」も、近年はメタルケースを纏った上位機種が豊富。スマートフォンとリンクする機能を備えたモデルもリリースし、ビジネスユースも視野に。スマートさを求めるなら「オシアナス」、タフネスを求めるなら「Gショック」といったところだ。 

CASIO[カシオ]
[創業年] 1946年
[創業者] 樫尾忠雄
[創業地] 日本/東京
[CEO] 樫尾和宏
[トリビア] 初の腕時計「カシオトロン」は、自動で月を判別するカレンダーつき。

オシアナス OCW-S4000D-1AJF
和の伝統技法との融合を推し進めるカシオらしさが強調される最新作。江戸切子職人「三代目秀石」堀口徹氏がカッティングしたサファイヤガラスベゼルに、カシオの技術でカラーを蒸着。スマートフォンによる時刻調整機能や電波受信機能などの先端技術を伝統工芸で飾っている。

クオーツ、Tiケース、縦48.3×横43.3mm。¥200,000

【②カシオのほかの時計はこちらから⇩】


③トゥルーム

日本製腕時計の原点に立ち返った多機能時計
プリンターメーカーとしてのイメージが強いセイコーエプソンだが、1942年からの草創期、大和工業から第二精工舎と移り変わるなかで行っていた事業は時計製造だった。そうした会社のヘリテージを未来につなぐべく昨年スタートしたのが、新ブランドのトゥルーム。長い歴史で培われたノウハウを投入し、「最先端技術でアナログウォッチを極める」と針式の表示にこだわった。プリンター製造でも培った超精密加工技術や超低消費電力技術なども応用し、GPSおよび気圧・高度センサーなどを搭載した基盤を作製。新たな素材や仕上げ加工をいち早く取り入れ、独自フォントの採用や精緻な加工がなされた外装など、機能美も追求された端正な腕時計である。

TRUME[トゥルーム]
[創業年] 2017年
[創業者] 碓井 稔
[創業地] 日本/長野
[代表取締役社長] 碓井 稔
[トリビア] セイコーエプソンの起業事業は時計。一本目は「セイコー マーベル」。

TR-MB7007
アビエーションの世界を表現した「Sコレクション」の第1弾。コックピットのようなインジケーターを多数装備し、10時窓でアナログバリオメーター(昇降計)を表示。登録地点から現在地までの距離と方向をアナログ針で示すウェイポイント機能も備える。時刻表示はGPSで制御。写真は付属のチタンバンド装着時。

クオーツ、チタンケース、縦57.2×横46.3mm。¥260,000

【③トゥルームのほかの時計はこちらから⇩】


④シチズン

先端技術を日本から世界に向けて発信
今年からプロテニスプレーヤー、大坂なおみ選手をアンバサダーに迎え、話題をさらうシチズン。歩みを振り返ると、革新的な技術の歴史に彩られている。例えば、光発電エコ・ドライブ。光を受けることで内蔵されたソーラーセルが発電、定期的な電池交換を不要とした。太陽光でなくとも、蛍光灯やデスクライトなどのわずかな光で駆動する点も画期的だ。また、一昨年前に登場した厚さわずか1ミリのムーブメントを積んだ「エコ・ドライブ ワン」は、現在でも続々と新作を発表し、話題の存在。ほかにも、デュラテクト加工を施したスーパーチタニウムや、スピードに長けたGPS電波受信などの先端技術で、ビジネスマンの腕元に絶えず革新を与えている。

CITIZEN[シチズン]
[創業年] 1918年
[創業者] 山﨑龜吉
[創業地] 日本/東京
[CEO] 戸倉敏夫
[アンバサダー] 大坂なおみなど
[トリビア] 今年、年差±1.0秒という超高精度クオーツのコンセプト懐中時計を発表。

シチズン エコ・ドライブ ワン
1ミリ厚の光発電エコ・ドライブムーブメントを搭載する「エコ・ドライブ ワン」。肌に優しく傷にも強い軽量な独自素材、スーパーチタニウムをケース&ブレスレットに採用。新作ではケース厚を設計値3.5mmに抑え、表面硬化技術「デュラテクトα」を施し、硬度を高めている。

クオーツ、スーパーチタニウムケース、径36.5mm。¥500,000

【④シチズンのほかの時計はこちらから⇩】


Text=髙村将司 Illustration=ソリマチアキラ Edit=増山直樹