男を刺激する新作時計トレンド #3素材への探求【SIHHレポート】

1月14日~17日にジュネーブで開催されたSIHH(通称、ジュネーブサロン)。昨年と同じくメインホールに18ブランド、独立系のカレ・デ・オルロジェに17ブランドが集結。超注目作を紹介しながら、今年のウオッチ・トレンドを読み解く!

強烈なインパクト

新素材の追求は、リーダーブランドのプライドを示すものと言っても過言ではない。例えば、2012年にリシャール・ミルが発表したサファイアクリスタルケースの「RM56」。その強烈なインパクトは、多くのサファイアクリスタルケースのフォロワーを生み、いまだに時計業界に影響を与え続けている。

フォロワーに甘んじることなく、サファイアクリスタルケースの進化を質量ともに推進し、今や第一人者的存在感を示しているのがウブロ。これまでにもグレー、ブルー、レッドなど多彩なカラーを実現させてきた。今年のジュネーブでは、例年通りケンピンスキーホテルで新作を発表し、イエローサファイアクリスタルを登場させた。

SIHHに初参加したボヴェは、ライティングデスクをモチーフとする、傾斜した特殊な形状のサファイアクリスタルケースのモデルを発表。

サファイアクリスタルケースが、カラー、切削技術の両面で進化を続けていることが、両モデルから感られた。

ちなみに、ボヴェの「リサイタル26 ブレインストーム チャプター ワン」は、昨年のジュネーブウォッチグランプリで最高賞の金の針賞を受賞した複雑機構の天文時計「リサイタル22 グランドリサイタル」の流れを汲むもので、前回紹介した“宇宙からのインスピレーション”というトレンドにも位置づけることができる。

まったく新しい素材も登場した。IWCはチタン合金に特殊な熱処理を加えることで、表面をセラミック化したセラタニウムを発表。コーティングと異なり、素材自体が変化することで、剥げ落ちることなく、半永久的に耐傷性に優れたマットブラックをキープできる。

最近のケース素材の進化は、セラミックス系とカーボン系が二大潮流と言っていい。
バネライのカーボテックは、後者を代表するひとつ。炭素繊維の薄いシートを何層にも重ね、管理温度下で高分子ポリマーと共に高圧圧縮した複合素材で、軽量かつ強靭。木目を思わせる独特なパターンは、ひとつとして同じものがないのも魅力。
今年パネライは、この素材を「サブマーシブル」コレクションに投入。数年前から採用されているカーボテックだが、生産態勢がより整ってきたことを感じさせた。


HUBLOT

スピリット オブ ビッグ・バン イエローサファイア
SIHHとは別会場で独自に新作を発表したウブロ。サファイアクリスタルケースを進化させ、銅と酸化アルミニウムを融合することでイエローを初実現。ラグジュアリーかつ屈強だ。エルプリメロをベースに再設計したクロノグラフキャリバーを搭載。

世界限定100本。自動巻き、イエローサファイアクリスタルケース、径42mm。¥11,140,000[予価/6月発売予定](ウブロ TEL:03-5635-7055)


IWC

パイロット・ウォッチ・ダブルクロノグラフ・トップガン・セラタニウム
IWCはパイロットウォッチに注力。特殊チタン合金を熱処理することで、表面をセラミック化し、チタンと同等の軽さと、セラミックと同等の硬度や耐傷性を実現した独自開発素材、セラタニウムをケースに採用。マットブラックも印象的。スプリットセコンド機能を搭載し、軟鉄製インナーケースにより耐磁性も。

自動巻き、セラタニウムケース、径44mm。¥1,560,000(IWC TEL:0120-05-1868)


PANERAI

パネライ サブマーシブル マリーナミリターレ カーボテック - 47mm
パネライのダイバーズウォッチ「サブマーシブル」からの新作。炭素繊維ベースの軽量かつ強靭なカーボテック素材をケースに採用。購入者はイタリア海軍特殊部隊とともにダイビングを含むトレーニングセッションを体験できるのが、ユニーク。

300m防水、世界限定33本。自動巻き、カーボテックケース、径47mm。¥4,520,000[予価/7月発売予定](オフィチーネ パネライ TEL:0120-18-7110)


BOVET

リサイタル26 ブレインストーム チャプター ワン
12時から6時方向に緩やかに傾斜した、サファイアクリスタル製"ライティングスロープ"ケースに、3D感に富んだプロペラ型文字盤とムーンフェイズ、フライングトゥールビヨンなどの複雑機構を搭載したボヴェ。ひとつの香箱で10日間のロングパワーリザーブを誇る。

手巻き、サファイアクリスタルケース、径48mm。¥37,300,000[予価/発売時期未定](DKSHジャパン TEL:03-5441-4515)


Text=まつあみ 靖