教師のように語り継ぎたくなる腕時計5選【職業別最強時計のすすめ⑤】

多種多様な腕時計の中から、職種ごとに親和性のあるモデルをチョイス。つまりは、そのキャラクターを語るうえでの代名詞となるような特徴を備えた腕時計にフォーカスを当てていく。第5回は、知識と知恵を生徒に授ける教師の場合。


特筆すべきバックボーンがある腕時計

モノの裏側にある歴史、想い。そんなバックボーンもまた、時計の持つ魅力のひとつ。一見するだけではわからない大切な事柄を紐解き、伝える。教師にとって時計は、自らの仕事を語るうえでの舞台装置ともなりうるのだ。


EDOX
デルフィン オリジナル クロノグラフ

クオーツ、SSケース、径43mm。¥120,000(GM インターナショナル TEL 03-5828-9080)

ケース裏に刻まれたスローガン「The Watar Champion」が物語るのは、1961年に発表した防水時計よりつながるエドックスと海の関係性だ。当時画期的だった、リュウズをねじ込むことなく200m防水を可能とする「ダブルOリング」を搭載した「デルフィン」。そこにクロノグラフ機能をプラスした今作は、モダンなスポーツウォッチに進化している。ダイバーズ特有の逆回転防止ベゼルのほか、ダイヤルの絶妙なグラデーションで神秘的な深海を表現し、海との親和性を強調。SSケース&ブレスレッドのスマートなルックスは、教壇でも映える。


FREDERIQUE CONSTANT
クラシック インデックス オートマティック ハートビート

自動巻き、SSケース、径40mm。¥170,000(フレデリック・コンスタント相談室 TEL 0570-03-1988)

スイス・ジュネーブに本拠地を置き、設計から品質管理まで一貫して自社で行うフレデリック・コンスタント。多くの自社キャリバーを発表するなど技術力の高さは折り紙つきながら、特に名声を高めたのが「ハートビート」だ。ダイヤルに小窓を開けて中の構造を覗かせる、機械仕掛けの面白みをダイレクトに伝えた意匠は、現在もブランドアイコンとなっている。こちらは12時位置にハートビートを備え、シンプル&クラシックなデザインに遊び心をプラス。ラバーベルトでアクティブマインドを体現する点にも、見るものを飽きさせない工夫が。


HAMILTON
カーキ フィールド マーフ オート

自動巻き、SSケース、径42mm。¥110,000(ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン TEL 03-6254-7371)

モチーフとなったのは、2014年公開の映画『インターステラー』内で、父から娘へと受け継がれた時計。親子の絆を象徴するキーアイテムを完全に再現したと思わせながらも、実は1点だけ原作と異なるディテールがある。それが、モールス信号で表した「Eureka」の文字をプリントした秒針。肉眼では認識不可能なほどの小さな仕掛けながら意味を知るほどにその大きさを知る、絶妙な味付けといえよう。


MONTBLANC
モンブラン スターレガシー ニコラ・リューセック クロノグラフ

自動巻き、SSケース、径44.8mm。¥895,000(モンブラン コンタクトセンター TEL 0120-39-4810)

モデル名に冠した「ニコラ・リューセック」は、1821年に世界で初めてインキング・クロノグラフを発明した時計技師。スタート&ストップ時に回転する文字盤にインクで印をつけたこの機構は、針ではなくダイヤル下部の2つのディスクが回転する仕様で今作に受け継がれる。また、ラグとダイヤルを直接つないだような独特なケースデザインは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて制作されたミネルバのポケットウォッチをオマージュ。そこかしこで歴史を感じさせる、「レガシー」の名にふさわしい1本。


ORIS
クリーンオーシャン リミテッドエディション

自動巻き。SSケース、径39.5mm。世界限定2000本。¥260,000(オリスジャパン TEL 03-6260-6876)

ブルーグラデーションのダイヤルと、アクアブルーのセラミック製逆回転防止ベゼル。海を想起させる見目麗しいダイバーズウォッチだが、文字通り"裏側"に肝が隠される。環境保全への取り組みを強化するオリスらしく、海洋廃棄プラスチックの回収技術を開発する「パシフィック・ガベージ・スクリーニング」への支援を表明し、ケースバックにリサイクルPET製のメダルを採用。売り上げの一部も環境保全団体に寄付される。意志ある行動が、美しい海を支える。そんな教訓を物語るのだ。


Text=増山直樹 Illustration=竹田匡志