時計のプロが選ぶ「仕事で勝ち抜く腕時計」 #1 WATCHNAVI編集長 関口優

この時世、時刻を知るだけならば、スマートフォンでも十分だ。では、なぜ手元に腕時計が必要なのか。それは、男の品格を上げ、信用度を高め、そして、コミュニケーションの端緒ともなってくれるから。すなわち、腕時計を着けるという行為が、仕事面においても大きな意味をもつということだ。そこで、時計のプロに「仕事で勝ち抜く」をテーマに、“はじめての腕時計”としてベストな3本を厳選いただいた。


圧倒的な存在感で自分を格上げしてくれる

BREITLING
ナビタイマー オートマチック41

自動巻き、SSケース、径41mm。¥580,000(ブライトリング・ジャパン TEL 03-3436-0011)

ジョージ・カーンCEOの下で改革を進めるブライトリングが、回転計算尺付きの人気作「ナビタイマー」のラインナップを再編成。そこで誕生したのが、「クロノグラフなし」の3針モデルだ。

「3針になったとはいえ、“ナビタイマー”には不可欠といえるビーズ装飾のついた回転計算尺付きベゼルが残されており、見た目上の威光はタダモノではないです(笑)」と関口氏も絶賛。

「ブルーダイヤルとSSブレスレットのタイプが特におすすめ。鍛造ケースや磨き上げられた7連のブレスレットは、手に取った瞬間に感じる“凝縮された”質感が圧倒的なんです」

取り回しやすい41㎜径のケースサイズやクロノグラフがないためのスッキリ感と、ブルーダイヤルの爽やかさは、ビジネスマンに魅力的だ。

「特に若い世代であれば、良いモノを知るという意味でも、自分自身の格上げという意味でも、仕事で“勝ち抜ける”効果を与えてくれる相棒となるはずです」


精悍で爽やかな名作クロノでモチベーションもアップ

TAG HEUER
タグ・ホイヤー カレラ キャリバー16 クロノグラフ ブルーエディション

自動巻き、SSケース、径41mm。日本限定500本。今年11月発売予定。¥485,000(LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー TEL 03-5635-7054)

タグ・ホイヤーの丸型フラッグシップ「カレラ」コレクションにおいて、縦3つ目の人気モデル「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー16」に登場する日本限定品。

「随所のブルーパーツと白ダイヤルのコントラストが何より若々しい。さらにアラビアインデックスのシャープなフォントに、疾走感のある縦3つ目クロノが相まって精悍さがいっそう強調されていますね」と、関口氏はデザイン性を賞賛。ダイヤルの外周にはフランジがあしらわれ、薄いベゼルに仕上げられた顔立ちは、タグ・ホイヤーが得意とする優れた視認性とスポーツエレガンスを併せ持ったデザインだ。

「クロノグラフは、最も手にしやすい複雑機構の代表格。それまで感じたことのない所有欲の充足があるはず。やや前時代的ですが、モノを買ったからこそ仕事もいっそう頑張れるというモチベーションの向上を、この時計で体感してほしいですね」


オン・オフをシームレスにつなぐ"現代的"な機械式

FREDERIQUE CONSTANT
クラシック インデックス オートマチック ハートビート

自動巻き、SSケース、径40mm。¥170,000(フレデリック・コンスタント相談室 TEL 0570-03-1988)

「手に届くラグジュアリー」を掲げ、高品質な時計を求めやすい価格で提供するジュネーブのブランド、フレデリック・コンスタント。自社製ムーブメントも製造するマニュファクチュールとしての一面も持ち、日本でも人気が高い。関口氏が薦めるのは、ブランドの顔でもあるディテール「オープンハート」(=心臓部であるテンプがのぞくダイヤル)の一本だ。

「クラシカルなローマンインデックス&ギヨシェダイヤル、そこにモダンなラバーバンドという組み合わせが新鮮。これからのビジネスで勝ち抜くには、“ワーク・アズ・ライフ”といわれるように、日々の仕事や遊びをシームレスに楽しめることが大切。そういう意味で、本機はオン・オフのどちらのシーンにも溶け込めるのがいいですね」と関口氏。

「また、オープンハートから覗くテンプの鼓動から、機械式時計の魅力を肌身で感じられ、この時代に時計を着ける意義を十分に感じさせます」


Yu Sekiguchi
日本でNo.1の売り上げを誇る腕時計専門誌『WATCH NAVI』を統括。毎号300本近い時計を掲載している。時計界では若手に数えられる30代ながら、その深い見識を生かして、時計関連のイベントなどにも精力的に出演し、日本各地の時計ファンからも慕われている。


Text=高村将司