【オシアナス】薄さと装着感を追求した15年目の叡智 ~イノベーションが湧きたつ腕時計~

高機能時計は、性能が高度になればなるほど必要となるパーツが増え、ケースが大きくなるという宿命があった。しかしカシオ「オシアナス」は、逆転の発想によって、ケースのスリム化に成功し、美しさをも手に入れた。ケースの厚みがわずか9.5㎜の新作「オシアナス マンタ OCW-S5000E」の魅力とは?


9.5mmのスリムケースながら抜群の使用感

カシオの時計の歴史は、高精度技術革新の歴史でもある。日本(二局)、アメリカ、イギリス、ドイツ、中国にある電波局が発信する標準電波を独自にキャッチし、そこに含まれる時刻情報を解析して時刻修正を行う高精度技術「マルチバンド6」を完成させたことで、北半球ほとんどの主要都市で便利に使えるようになった。しかしこの方法には"圏外"が生じる。そこで次に目を付けたのは人工衛星。複数のGPS衛星が発信する電波をキャッチして現在地を割り出し、サマータイムの有無まで含めて、正確な時刻を表示できるようにした。

さらにはスマートフォンと連動し、アプリで時刻修正する「スマートフォンリンク」機能も完成。最終的には、電波時計、GPS衛星、スマートフォンリンクという三つの技術を備えた完璧な高精度時計を完成させるに至った。

完璧な高精度技術に到達したカシオが次の目指したのは、デザインの向上である。これはカシオの常套手段でもあるのだが、技術進化によって生じた“余力”を利用して、時計を美しく進化させるのだ。

ジャケット¥98,000(0909/エリオポール 銀座店 03-3563-6480)、ベルト¥44,000(J&M デヴィッドソン/J&M デヴィッドソン 青山店 03-6427-1810)、スラックス¥13,800円、シャツ¥11,000(ユニバーサルランゲージ/ユニバーサルランゲージ 渋谷店 03-3406-1515)

「オシアナス」が目指したのはケースの薄型化だった。ハイテクウォッチは消費電力が大きく、アンテナも搭載しなければいけないため、どうしても時計が大きくなってしまう。しかしオシアナスは、エレガントなデザインも重要視しているので、ケースはできるだけ薄くしたい。そこでカシオの技術者は思い切った判断をする。それが磨いてきたGPS技術を外すということだった。

宇宙から飛んでくる電波をキャッチするためには、巨大なアンテナが必要になる。しかも消費電力も大きいので、光発電用のソーラーセルの大型化してしまう。しかしGPSの電波を捕まえる必要がなければ、それらは不要になる。そして補完技術として、今まで以上に「スマートフォンリンク」技術を活用する。そもそもスマートフォンにはGPS機能が付いており、世界中で正確な時刻情報をキャッチできる。つまりスマートフォンから時刻情報を転送すれば、時計側にGPS機能がなくとも簡単に現在地時刻を示すことができるのだ。その上で、時計単体でも高精度を実現できるように「マルチバンド6」を加えることで、機能のスリム化を進めたのだ。

ケースの厚みは9.5㎜しかないのが、これは機械式のドレスウォッチにも匹敵する美しいプロポーションである。しかもケースやブレスレットの素材は軽量なチタンであるため、着用感も抜群に優れている。

高精度技術のアウトソーシングによって生まれた「オシアナス マンタ OCW-S5000E」は、ケースの厚みが9.5㎜しかないため、高機能でありながらエレガントさも際立つ。このサイズを実現するために、モジュールの基盤設計から見直しており、パーツは1/100㎜レベルで薄型化を追求している。しかもワールドタイムなどの機構をスマートフォン側で管理するため、表示がスッキリしているのもメリットだ。

加えることばかりがイノベーションではない。時には引き算をして新しい道を探すのも必要だ。カシオは高精度技術の頂点を極めたことで、“薄型化”という次の目標がはっきりと見えた。「オシアナス マンタ OCW-S5000E」は、ハイテクウォッチの新たなベンチマークであり、機能性と実用性、そしてエレガンスを完璧に両立させた、最初の時計なのである。

OCW-S5000E

「マルチバンド6」と「スマートフォンリンク」によって高精度と操作性を両立しつつ、薄型ケースでエレガントなデザインを実現。ワールドタイムやホームタイムの表示入れ替えなどは、スマートフォンで行えるので便利。クオーツ(光発電)、Tiケース、径42.3㎜。¥180,000



問い合わせ
カシオ計算機 TEL 03-5334-4869


Text=篠田哲生 Photograph=溝口 健