時計のプロが選ぶ「仕事で勝ち抜く腕時計」 #7 ゲーテ編集長 二本柳陵介

この時世、時刻を知るだけならば、スマートフォンでも十分だ。では、なぜ手元に腕時計が必要なのか。それは、男の品格を上げ、信用度を高め、そして、コミュニケーションの端緒ともなってくれるから。すなわち、腕時計を着けるという行為が、仕事面においても大きな意味をもつということだ。そこで、時計のプロに「仕事で勝ち抜く」をテーマに、“はじめての腕時計”としてベストな3本を厳選いただいた。


フルメタルケースで格が上がった元祖タフウォッチ

CASIO
G-SHOCK GMW-5000V-1JR

クオーツ、SSケース(ブラックIP加工)、縦49.3×横43.2mm。¥110,000(カシオ計算機 TEL 03-5334-4869)

タフウォッチの代表格として、幅広い世代にわたって人気を誇るG-SHOCK。そこへ近年ラインナップされているフルメタルスクエアケースを纏ったコレクションに着目する。

「いわゆるスピードモデルといわれる、初代DW-5000Cの遺伝子を受け継いだスクエアデザインは、男心をくすぐるものです。やはりG-SHOCKといえば、注目すべきはそのタフネス。メタルケースのコレクションが登場したことで、ビジネスの腕元にもいっそう似合うようになりました」

写真のモデルは、IP処理のスチールケースにエイジング加工を施した「味わい系」。長年使い込んだツールをイメージしている。

「このご時世、クリエイティブ系の職種なら、こうした遊びも許されると思います。実際、僕も着けたいくらい。また、硬い職種の人でも、同メタルケースの加工なしモデルならば、問題なく着けられるはず。精悍な印象が高まりますね」


深海へのチャレンジ精神をビジネスにも引用

CITIZEN PROMASTER
エコ・ドライブ アクアランド200m プロマスター30周年限定モデル

クオーツ、SSケース、径46.1mm(設計値)。世界限定6000本。¥80,000(シチズンお客様時計相談室 TEL 0120-78-4807)

陸・海・空のプロに捧げる、シチズンが誇る高機能時計がプロマスターだ。今年で誕生30年を迎え、各セグメントに記念モデルをリリースするなか、「マリンシリーズ」からのダイバーズをセレクト。

「ビジネスパーソンに必要なチャレンジ精神を腕元に表せるのが、同じく時計界において技術面でチャレンジを続けてきたプロマスターシリーズの長所。同時に、ダイバーズ特有の視認性の高さは、都会においても申し分なしです」と、海の深みへと臨むべく、アナログ水深計および、200m潜水用防水&逆回転ベゼル付きの本格ダイバーズスペックで、その地位を築いたスピリットにコミット。

「プッシャーおよびセンサーが左に集約され、右のリュウズも4時位置に設置。手元の邪魔にならないすっきりした設計は、ビジネスユースでもありがたい。シチズンの誇る秀逸な光発電エコ・ドライブとあいまって、長く付き合える時計になるでしょう」


未知なる荒野を切り拓くイメージを自らの仕事に重ねて

TRUME
L コレクション ブレークライン TR-MB7008 Limited edition

クオーツ、Tiケース、縦57.2×横46.3mm。限定200本。¥270,000(TRUMEお客様相談室 TEL 050-3155-8285)

エプソンが、そのウォッチメイキングの粋を注ぎ込み、2017年に満を持して登場させたトゥルームがアツいという。

「GPS衛星電波受信機能、チタンケース、セラミックベゼル、ライトチャージ充電機能と、今、日本が世界をリードするウォッチテクノロジーを高次元で実現しているところは、さすがエプソン。さらに、高度計や気圧計、方位計がつくほか、全世界39タイムゾーンにも対応。この点はジェットセッターならうれしいでしょう。それでいて、男心をくすぐるデザイン性にも惹かれます」

とりわけ注目するのは、大地の緑や土を連想させる「アースカラー」をカラーリングしたLコレクション ブレークラインだ。

「今年のウォッチトレンドのひとつが、グリーンとブロンズというカラーコンビネーション。本作は、まさにズバリでセンスよし。レザーとキャンバス、2種類のストラップが付属するので、オン・オフでの付け替えもバッチリですね」


Ryosuke Nihonyanagi
月刊誌「ゲーテ」編集長。"時計は人を現す"をモットーに、スイス等で時計関連の取材を続ける。長谷部誠選手の著書『心を整える。』など、ベストセラーも手がける。今回は、東京オリンピックを前に、誇れる日本の技術を再確認できるモデルをセレクトした。


Text=髙村将司