創業198年の時計ブランド「ボヴェ」が貫く、流行を追わない信念とは?【CEOインタビュー】

1822年に創業したマニュファクチュール「ボヴェ」は、第2次世界大戦などの影響で長らく活動を休止した。その老舗時計ブランドを2001年に再興させた投資家のパスカル・ラフィ氏に独占インタビュー。その確固たる経営哲学とは?  

古豪ボヴェを再生した投資家が語る時計への情熱

エドワード・ボヴェの手により、スイス・ジュラ山脈麓のフルリエで1822年に創業したマニュファクチュール・ボヴェは、装飾性の高い懐中時計を王侯貴族に販売することで財を成したが、1929年の世界恐慌と第2次世界大戦の影響で活動を休止。時計の針が動き始めたのは、2001年のことだった。

メゾンを再び成功の道へと導いた男の名は、投資家のパスカル・ラフィである。

「ボヴェは、約200年にもわたって、ユニーク、クラフトマンシップ、イノベーションを大切にしてきました。我々が年間800本しか生産しないで決して流行を追わない理由は、ひとえに品質へのこだわりです」

時計コレクターであった祖父の影響で幼少の頃から時計への情熱を育んでいた氏には、メゾンがかつての栄光を取り戻すための明確なビジョンがあった。

「機械式時計には、感情を揺さぶる力がある。そこで私たちは、時計製造を芸術の域まで昇華することを目指しました。複雑な製造工程は常に困難を極めるものですが、そこから生まれる熱量に人々は魅せられるのです」


Pascal Raffy

1963年フランス・アルデンヌ地方生まれ。ボヴェ・オーナー。祖父の導きにより、幼少時から機械式時計の文化や魅力に触れる。2001年、ボヴェの単独オーナーに就任。コレクターとして培った感性を武器にメゾンの再生を試みる。’06年から現在にいたるまで数々の国際的な賞を受賞し、完全なマニュファクチュールとしての再建に成功した  。


リサイタル26 ブレインストーム® チャプターワン

サファイアクリスタルを用いた独自のライティングスロープ型ケースを採用。両面からフライングトゥールビヨンが眺められる特許取得済みの60個限定のムーブメント、赤い水晶から彫りだされた半球状の文字盤などのユニークな仕かけが満載。

限定60本。手巻き、サファイアクリスタルケース、径48mm。¥37,300,000


フルリエ 19 サーティ リサイタル26 ブレインストーム® チャプターワン

2015年にステンレススチールのケースのみで発売。腕時計の黎明期以前にボヴェが最後に製造した懐中時計のひとつから着想を得ており、伝統的なフルリエケースと美しい仕上げに定評がある。このほかに顧客の要望に応じてアレンジできるレッドゴールドのケースも展開。

  手巻き、SSケース、径42mm。¥2,400,000  


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Text=戸叶庸之 Photograph=濱野井雅俊(A.K.A.)