2017年新作腕時計~時計史に名を刻む傑作編~

 数百年という歴史を積み重ねながら、幾多の傑作や革命的な機構が生まれてきた時計。昨今は、時計製造技術がますます進化し、かつては不可能だった表現が実現できるようになり、"機械芸術"とも称される傑作が次々と生まれている。一方で、歴史を受け継ぐクラシックウオッチへの評価も変わらない。先進と古典が両輪となって進むのが現代の時計事情であり、どちらにも十全たる価値がある。

ブレゲ 古代人が作り上げた"本当の1日"を強く意識させる時計

BREGUET
マリーン
エクアシオン マルシャント 5887

 時計の原点は日時計で、太陽の動きをもとに1日=24時間と定めた。しかし太陽の動きは均等ではなく、共通ルールである常用時と太陽時にはズレが生じる。そのズレ(均時差)を、太陽針で太陽時を示すことで表示したのがこのモデル。古代人が作り上げた"本当の1日"を強く意識させる時計だ。

自動巻き、18KRGケース、径43.9mm。¥23,280,000(ブレゲ ブティック銀座 TEL:03-6254-7211)

カルティエ 誕生100周年を迎えた「タンク」新モデル

CARTIER
タンク
アメリカン

 誕生100周年を迎えた「タンク」だが、当時の最先端テクノロジーであった戦車をモチーフとした、優美で力強いデザインは不変である。「タンク アメリカン」は1989年に誕生。当時のスタイルを継承しており、長めのケースを柔らかにカーブさせることで装着感を高めている。

自動巻き、SSケース、縦41.6×横22.6mm。¥552,500(カルティエ カスタマー サービスセンター フリーダイヤル:0120-301-757)

ピアジェ スポーティーでエレガンスなクロノグラフモデル

PIAGET
Piaget POLO S

 歴史あるマニュファクチュールでありながら、ジュエラーとしての評価も高いピアジェ。それゆえ自社製ムーブメント「1160P」を搭載するスポーティーなクロノグラフモデルであっても、エレガンスは失われない。ケースはラウンド型、ダイヤルはクッション型という絶妙なバランスに誰もが目を奪われる。

自動巻き、SSケース、径42mm。¥1,625,000(ピアジェ コンタクトセンター フリーダイヤル:0120-73-1874)

伝統やデザイン、機構、必見の4ブランド

HYT
H0
ブラック

 時計内部にふたつのふいごを収納し、機械式機構が圧力をかけると、内部の液体が細いガラス管の中を移動する。着色した液体と透明の液体との境界線が時針の代わりとなり、分針と組み合わせて時刻表示(写真では1時5分)。液体がガラス管の終点まで達すると、圧力が抜けて液体は始点へと戻る。その動きは必見。

ZENITH
エル・プリメロ
グランドデイト フルオープン

 経営陣が代わったことで、過去の遺産を大切に守りつつも、より色気のあるデザインへと進化を始めたゼニス。その特徴的な手法となるのが、傑作クロノグラフムーブメント「エル・プリメロ」をフルスケルトン化して、精緻なメカニズムを表現すること。手首がパッと華やぐ。

TAG HEUER
オウタヴィア
ホイヤー02 クロノグラフ

 1962年に誕生した傑作クロノグラフを、55年後という節目に復刻。そのデザインを決定するためにWEB上でユーザー投票を開催し、選ばれたのは、66年製モデル。クラシックな顔つきだが、80時間連続駆動の自社製ムーブメントCal.ホイヤー02を搭載するという最新版である。

JAEGER-LECOULTRE
マスター・ウルトラスリム
パーペチュアル

 閏年(うるうどし)の有無まで判断しながら正確に動く複雑機構、永久カレンダーを搭載。スイス屈指の技巧派ブランドらしく、自動巻き式ながら厚みを9.2mmに抑えて腕回りをスマートに見せる。シンメトリーに表示を配置する手法も同社の伝統。深みのあるグレーダイヤルモデルは、ブティックにて限定発売。

左から:HYT 手巻き、SS(DLC)ケース、径48.8mm。¥5,600,000(オールージュ TEL:03-6452-8802)、ZENITH 自動巻き、18KRG×SSケース、径45mm。¥1,300,000(LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス TEL:03-5524-6420)、TAG HEUER 自動巻き、SSケース、径42mm。¥555,000(LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー TEL:03-5635-7054)、JAEGER-LECOULTRE 自動巻き、18KWGケース、径39mm。¥3,600,000(ジャガー・ルクルト フリーダイヤル:0120-79-1833)


  • Text=篠田哲生 Photograph=藤本憲一郎(A.K.A.) Styling=石川英治(T.R.S)

*本記事の内容は17年10月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)