パティシエ 小山進氏の逆境を支えた1本の腕時計

 「僕にとって、ウブロはパワーウオッチなんです」。そう語るのは、エス コヤマのオーナーパティシエ小山進氏。パティシエとして数々の栄光を勝ち取った男の成功マインドと腕時計の関係とは?

ウブロを腕につけて、悔しさを乗り越えた

世界最高峰のショコラティエを決める「クラブ・デ・クロクール・ド・ショコラ」で最高位の「5タブレット+☆」と外国人部門最優秀賞を2011年から2年連続でダブル受賞した小山氏。しかし翌年は5タブレットのみの受賞となった。

「周りの方々からはお祝いの言葉をいただいたけど、僕はダメ。悔しくて悔しくて」

その直後、スイス・ジュネーブで仕事が入っていた。そこでかねてから好きだったウブロの本社を訪ねたところ、会長のジャン-クロード・ビバー氏に会えるという幸運に。さらに持参した自作のショコラを食べてもらい、彼からとびきりの笑顔と賞賛を得た。

「『コヤマは世界一のつくり手だ。僕がつくったものも見てくれ』と工場案内後に、新作時計を特別に見せてくれたんです。彼の熱意をひしひしと感じました。その時、直感でいいなと思ったのがこのウニコなんです」

ウブロのものづくりに、共感するものを感じていた小山氏。それもそのはず。ウブロは2010年から自社製ムーブメントを発表。職人魂が時計に宿っている。「心機一転、リベンジの1年をこの時計にかけてみよう」と決意し、帰国後すぐに購入したという。

「ビッグ・バンは男っぽさと新しさを持ち合わせたデザイン。そこから1年、つけなかった日はありません。もう身体の一部」

そして翌年、見事リベンジを果たした小山氏。授賞式でもその腕にはウブロが輝いていた。

「ビバー会長、カカオ色の文字盤の時計をつくってくれないかな。名前はクラシック ショコラ フュージョンとか(笑)」

ウブロ会長のジャン-クロード・ビバー氏と。「ビバー氏が僕のショコラを気に入ってくれて、落ち込んでいた気持ちがすっと消えました」
2014年にダブル受賞のリベンジを果たした。その腕には、1年間の苦楽をともにしたウブロが。オリジナルのコックコートとの相性も抜群。


KOYAMA'S CHOICE IS HUBLOT

ビッグ・バン ウニコ チタニウム セラミック 
自社製クロノグラフムーブメント「ウニコ」を搭載。チタン素材にセラミックベゼルを組合せ、軽量かつ強靭なつくり。立体的なスケルトンダイヤルも大きな特徴。「ビッグ・バン ゴールド セラミックも愛用していますが、これは運命の1本。職人は常にクリエイティビティーを刺激してくれるものを選び、持たなければ」


SUSUMU KOYAMA 1964年京都府生まれ。2003年、兵庫県三田(さんだ)市に「パティシエ エス コヤマ」をオープン。13年ショコラトリー「Rozilla」を新設。著書に「『心配性』だから世界一になれた」(祥伝社)など。http://www.es-koyama.com/


Text=川岸 徹、今井 恵 Photograph=西川節子、吉場正和

*本記事の内容は15年6月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)